2025.02.09 NEW
【Apple TV+『深い谷の間に』】
アニャ・テイラー=ジョイ「特殊な訓練を受け、特別な任務を与えられた2人のラヴストーリーですね」
![](https://media.safarilounge.jp/online/thegear/content/theme/media/2025_2/17123/17166.2.jpg)
写真右/アニャ・テイラー=ジョイ、写真左/マイルズ・テラー
『マッドマックス:フュリオサ』のアニャ・テイラー=ジョイ。そして『セッション』や『トップガン マーヴェリック』のマイルズ・テラーと、実力&人気とも申し分のない2人が、衝撃のアクションサスペンスで初共演を果たした。『深い谷の間に』は、そのシチュエーションからして斬新だ。深く、広大な谷を挟んだ両壁に監視塔が建ち、それぞれ一人のスナイパーが警備の任務を遂行している。片側は女性のドラーサ。もう片側は男性のリーヴァイ。外部とのコンタクトも遮断され、孤独な生活を送る彼らだが、おたがいの存在を意識し、ついに接触を試みる。2人に与えられた任務の実態とは? そして谷に隠された秘密とは? 中盤から驚愕の展開が用意された本作に、どのような思いで取り組んだのかをアニャとマイルズに聞いた。
ーー『深い谷の間に』に出演しようと思った決め手から聞かせてください。
マイルズ「こんなに独創的なアイデアは珍しいと感じました。映画を観る人は序盤で作品の世界観を理解し、そこから主人公たちの“旅”に同行できると確信できたんです。主人公たちが幸せになりそうな時間から、急に地獄へ投げ込まれるような展開になるし、その窮地から抜け出そうとするプロセスも含め、脚本は僕の心を掴みましたね」
アニャ「私は『マッドマックス:フュリオサ』の撮影中に脚本を読みました。その当時、人生で最高に肉体が動ける状態になっていたので、“次の作品でもアクションに挑戦したい!”と興奮したわけです(笑)。準備万端で撮影に臨める自信がありました」
マイルズ「演じるリーヴァイにも惹かれました。彼は人として生きる喜びを味わっておらず、どこか“心ここにあらず”というキャラクター。そんな彼の人生に希望の光を取り戻すのが、僕の使命だと感じました」
アニャ「あと私は、マイルズにもオファーが行っているというのを聞いて、うれしくなりましたよ」
ーーあなたたちは初共演ですが、それ以前も顔見知りだったのですか?
マイルズ「そうなんです。僕らはかなり以前から親しい関係だったので、満を持しての本作での共演は重要だと信じていました」
アニャ「そう! いつか共演したかったのが正直な気持ち。だからマイルズと一緒に踊るような気分で撮影を楽しみたかったんです」
マイルズ「本当に一緒にダンスしたよね(笑)」
ーー特殊な環境に置かれたドラーサとリーヴァイという役に、どのようにアプローチしたのですか?
アニャ「ドラーサは過去の父親との関係から自分の弱い部分も受け入れているわけだけど、基本的には置かれた状況に冷静に向き合っている。そんな彼女がリーヴァイと心を通わせ、明るさを取り戻し、彼を救うことに必死になる……という流れで演じました」
マイルズ「リーヴァイはスナイパーとして有能。でも家族の存在は語られません。彼を愛する人はどこにもおらず、任務によって使い捨てられる覚悟もある。ですから自らの判断で支配する側に抵抗しようと変わっていくプロセスが演技で重要だと思いました」
ーー有能なスナイパー役ということでトレーニングも積んだのですよね?
アニャ「マイルズと私はそれぞれ別のプロフェッショナルから指導を受けました。1人は元アメリカ軍、もう1人は元リトアニア軍の兵士です。あえて違うスタイルを身につけるのが目的だったのでしょう。劇中で使う銃を初めて手にした時、かなり違和感があったのですが、訓練でずっと持っているうちに肉体の一部になりました。私は完璧主義者なので、スナイパーという“職業”に見えるよう努力しつつ、心理的な面も学ぶことでドラーサの内面に入り込めた気がします」
マイルズ「映画の仕事でありがたいのは、あらゆる技術を世界最高の専門家から教えてもらえること。今回僕が学んだのは、スナイパーは他の兵士と違って孤独な役割という点です。たった一人で遠くの標的に対峙するわけですから。僕は元兵士の専門家から、そんな一般人には想像できない感覚を伝えてもらい、一人で標的を探すリーヴァイの演技に役立てました」
ーー谷の秘密も含めて本作には目を疑うような映像が数多く展開されます。撮影現場はどのような状況だったのですか?
アニャ:ほとんどすべて、実物のセットが作られていました。
マイルズ:もちろん広くて深い谷を見せるショットなどに視覚効果は使われているけれど、僕らがCG合成用のグリーンバックで撮影したシーンは、ごくわずかだったよね?」
アニャ「巨大なセットを組んだ建物に入ると、中には本物の馬がたくさんいて、貯水塔や戦車なんかも見えたし、森まで作られていた。まるで別世界に迷い込んだようでした」
マイルズ「特に森はスゴかった! 実際に雨が降っている熱帯雨林を目にして、信じられない気分でしたよ。僕らが森を歩き続けるシーンは、同じ場所を行ったり来たりしてるわけじゃなく、つねに新しい風景が用意されていたんです」
アニャ「あれだけのセットの中にいると、“アクション!”という声に肉体が自然に反応するから不思議でした。メイキング映像が公開されるのが、今から待ち遠しい(笑)!」
ーー改めて『深い谷の間に』は、どのような作品だと受け止めていますか?
アニャ「3本の映画を1本にまとめたような、ジャンルを超えた作品になっていると思います」
マイルズ「いくつかのジャンルの中で最も際立つのはラヴストーリーでしょうか。アクション場面で戦っている時も、主人公たちの恋愛関係を意識して演じましたから」
アニャ「私もそこは賛成。特殊な訓練を受け、特別な任務を与えられた2人のラヴストーリーですね」
マイルズ「多くの人が仕事の現場で“自分の立場を守りたい”とか“弱く見られたくない”と思っているはず。そんな状況で自分のことを素直に受け入れてくれる相手が現れれば、心が解放されるでしょう。深い部分で誰かと繋がる喜びを本作は教えてくれるんです」
アニャ「私たちは孤独になればなるほど、本来の人間性が失われていく。本作のリーヴァイとドラーサは、1対1の人間関係の大切さを伝えてくれると思います」
![](https://media.safarilounge.jp/online/thegear/content/theme/media/2025_2/17123/17166.1.jpg)
『深い谷の間に』2月14日配信
製作・監督/スコット・デリクソン 脚本/ザック・ディーン 出演/マイルズ・テラー、アニャ・テイラー=ジョイ、シガニー・ウィーバー、ショペ・ディリス 配信/Apple TV+
2025年/アメリカ/視聴時間127分
●こちらの記事もオススメ!
【まとめ】まさかのエンディングに驚愕! どんでん返し映画70本!
取材・文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
Apple TV+にて2月14日(金)より配信開始!
Apple TV+にて2月14日(金)より配信開始!