【まとめ】オススメの傑作ミステリー映画13選!
『Safari Online』でこれまで配信した作品の中から傑作ミステリーをまとめてご紹介!
『バニー・レークは行方不明』
製作年/1965年 原作/イヴリン・パイパー 監督/オットー・プレミンジャー 脚本/ジョン・モーティマー、ペネロープ・モーティマー 出演/キャロル・リンレー、キア・デュリア、ノエル・カワード、ローレンス・オリヴィエ
予想が根こそぎ覆される!
『帰らざる河』『悲しみよこんにちは』の名匠オットー・プレミンジャーが手がけたサスペンス・ミステリー。アメリカからロンドンに引っ越してきたシングルマザー、アン(キャロル・リンレー)が、保育園に預けていた幼い娘バニーを迎えに行く。しかしバニーは忽然と消失してしまい、ロンドン警視庁のニューハウス警部(ローレンス・オリヴィエ)が捜査に乗り出す。しかし保育園の職員をはじめ、誰もバニーを目撃しておらず、ニューハウスはアンの主張に疑念を抱きはじめる……。
『JSA』
製作年/2000年 監督・脚本/パク・チャヌク 出演/ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、イ・ヨンエ、キム・テウ
ソン・ガンホが味のある演技で評価を高めた!
“JSA”とは韓国と北朝鮮の国境線にある共同警備区域のこと。ここで北朝鮮の兵士ふたりが殺されたことから、中立国監視委員会は女性中尉を捜査官として派遣する。事件解決の鍵を握るのは、容疑者と見られる韓国軍兵長スヒョクと、そのときに撃たれて負傷したという北朝鮮軍の隊長ギョンピル。両者の証言は食い違うものの、真相は次第に明らかになる。その背景には両国間では決して許されない、国境を越えた友情があった……。
『シュリ』の好助演によって注目されたガンホが大役を務め、さらにその名を高めたエモーショナルなミステリー。大らかな性格で部下にも慕われている軍人ギョンピルを人間味たっぷりに演じている。友人をかばうための芝居じみた振る舞いなどの、泣かせる場面での味な演技も忘れ難い。後に『オールド・ボーイ』などで世界的な名声を得るパク・チャヌク監督、スヒョク役で共演したイ・ビョンホンにとっても、本作は出世作となった。
『ナショナル・トレジャー』
製作年/2004年 監督/ジョン・タートルトーブ 主演/ニコラス・ケイジ 冒険先/ワシントンD.C.、ニューヨーク一帯
信じる者は救われるエンディングにやる気がアップ!
冒険映画のお約束といえるのが、古来言い伝わる秘宝伝説を信じるか否か。主人公ベンは先祖代々語り継がれてきたおとぎ話を信じ続けることで、崩壊寸前だった家族の絆を取り戻すことに成功する。実際に財宝探しに夢中になりすぎ、人生を棒に振るトレジャーハンターたちが実在するだけに、ハッピーなエンディングは嬉しくなってくる。週末に観れば「月曜から頑張ろう!」な〜んて前向きな気分にさせてくれるだろう。
独立宣言書に記された暗号を見つけ出す方法、100ドル紙幣のデザインの中に隠されたヒントなど、ベンたちと一緒に謎を解明していく過程が実に楽しい。クライマックスの地下迷宮も一見の価値あり。信念を持って仕事に取り組めば、かけがえのない仲間や生涯の伴侶も見つかる、そんなことを教えてくれる作品だ。
製作は『パイレーツ・オブ・カリビアン』を大ヒットさせたジェリー・ブラッカイマー。ニコラス・ケイジ演じる歴史学者ベンは、中世のテンプル騎士団が隠した財宝の数々だけでなく、命懸けの冒険を通じて知的な金髪美女もゲットする超美味しいキャラクターだ。ワシントンの公文書館に厳重に保管されている“合衆国独立宣言書”の裏面に秘宝の隠し場所が記されているという虚実ないまぜになった歴史ミステリーが堪能できる。
『瞳の奥の秘密』
製作年/2009年 製作総指揮/ヘラルド・エレーロ、バネッサ・ラゴーネ 監督・脚本/フアン・ホセ・カンパネラ 脚本/エドゥアルド・サチェリ 出演/リカルド・ダリン、ソレダ・ビジャミル、パブロ・ラゴ
サスペンス・ミステリーとしても一級品!
第82回米アカデミー賞外国語映画賞を受賞したアルゼンチン映画。ブエノスアイレスの刑事裁判所を定年退職した初老の男性ベンハミン(リカルド・ダリン)が、25年前に自分が捜査に携わった未解決事件を題材にした小説を書きはじめる。それはリカルドという銀行員の美しい新妻が被害者となった残虐な暴行殺人事件だった。かつての同僚で、今は検事として活躍するイレーネと再会したベンハミンは、容疑者のゴメスを取り逃がした当時の記憶をたどっていく……。
『サイド・エフェクト』
製作年/2013年 監督/スティーヴン・ソダーバーグ 出演:ルーニー・マーラ、ジュード・ロウ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、チャニング・テイタム
予測不能な”副作用”ミステリー!
名匠ソダーバーグが4人の豪華俳優を配して贈る濃密なサスペンス。夫が逮捕されて以来、精神の不調を感じるようになった妻エミリー(ルーニー・マーラ)は、自ら運転するクルマで自殺未遂を起こす。担当医ジョナサン(ジュード・ロウ)は、エミリーの前主治医シーバート(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)から「新薬を使ってみては?」とアドバイスをもらい、さっそく処方。これが激しい副作用を引き起こし、エミリーは夢遊病のまま夫(チャニング・テイタム)を刺殺してしまう。心神喪失につき罪には問われず、精神科病棟へ収容される彼女。一方でジョナサンは、エミリーが症状を装っているのではないかと疑いはじめる。
タイッサ・ファーミガ
『記憶探偵と鍵のかかった少女』
製作年/2013年 監督/ホルヘ・ドラド 脚本/ガイ・ホームズ 出演/マーク・ストロング、タイッサ・ファーミガ
記憶描写の秀逸さに唸りまくりのサイコミステリー!
記憶探偵のジョンは、人の記憶の細部へ入り込み、数々の謎や事件を解決へと導く特殊能力の持ち主。かつて妻を失ったトラウマを抱える彼のもとへ舞い込んだ新たな依頼、それは家族に反抗して食事を摂ることさえ拒否する少女アナの心を探ること。ジョンにとってはごく簡単な仕事のはずだった。しかしアナは飛び抜けたIQの持ち主で、彼女が言うには継父がこの一族の資産を独り占めすべく、娘を施設へ追いやろうと画策しているのだとか。記憶を探るうちにアナを心から信用し、いつしか自身のトラウマも薄まっていくのを感じるジョン。その時、真夜中に緊急連絡が入り……。
『ガール・オン・ザ・トレイン』
製作年/2016年 原作/ポーラ・ホーキンズ 監督/テイト・テイラー 脚本/エリン・クレシダ・ウィルソン 出演/エミリー・ブラント、レベッカ・ファーガソン、ヘイリー・ベネット
記憶を無くしたヒロインが知る真相とは?
主人公が男性か女性かで、サスペンスは大きく印象が変わる。そんな事実を改めて教えてくれるのが本作。愛する夫と離婚し、その悲しみから立ち直れないレイチェルは、アルコールを断ち切れない日常を送っていた。そんな彼女の日課は、通勤電車から理想の夫婦が暮らす一軒家を眺めること。その近くには、レイチェルがかつて夫と生活していた家もあり、元夫は新たな妻を迎えていた。ある日、彼女は理想の夫婦の妻が不倫しているのを目撃してしまう。思わずその家へ向かうレイチェルだが、途中で記憶をなくし、気づくと自室で血まみれになっていた。
不倫していたと思われる妻の失踪事件に、レイチェルがどんな関係があるのか? 時系列がシャッフルされ、アルコールによる記憶の不確かさもカギとなって、ストーリーは二転三転。しかしラストはすべてが回収されて、驚きの事実が明らかになる。『プラダを着た悪魔』や『クワイエット・プレイス』などのエミリー・ブラントが、あえて血色の悪いメイクで挑み、アルコール依存症のレイチェルをリアルに表現。他人の家を覗きたいという人間の本能を刺激しつつ、「思わぬ瞬間を目撃して大変なことになる」というサスペンスやミステリーの醍醐味を満喫させる一作。
『オリエント急行殺人事件』
製作年/2017年製作 製作・監督・出演/ケネス・ブラナー 出演/ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー
驚愕レベルのオチが待ち受ける!
トリックと聞けば、思い浮かべるジャンルはミステリー。そのミステリーの女王として知られるアガサ・クリスティ作品はトリックの宝庫だ。映画化で有名な今作も、細かいトリックが最後に超ドラマチックな謎解きでひとつになる。カタルシスは満点だ。
大雪のため山の中で停車したオリエント急行で、大富豪のラチェットが殺害される。遺体にはいくつもの刺し傷があった。彼は脅迫状を受け取っており、たまたま列車に乗り合わせていた名探偵エルキュール・ポアロに相談をもちかけていた。
やがて列車のほかの乗客たちとラチェットの関係が明らかになっていき、ポアロが誰の犯行なのかを推理していく。ラチェット役のジョニー・デップほか、オールスターキャストが集結。犯人像にあれこれ想像力がはたらくが、まっさらな知識で観たら、そのオチはかなり驚愕のレベルでは?
『声もなく』
製作年/2020年 監督・脚本/ホン・ウィジョン 出演/ユ・アイン、ユ・ジェミョン、ムン・スンア
誘拐犯と少女の奇妙な絆に感動!
舞台は、のどかな田園風景が広がる町。口のきけない青年テイン(ユ・アイン)と年上の相棒チャンボク(ユ・ジェミョン)が犯罪組織からの下請け仕事として、殺された死体の処理を真面目にこなしている。そんなある日、2人は組織の人間からの頼みで、身代金目当てに誘拐した少女チョヒ(ムン・スンア)を1日だけ預かることに。しかし、頼んだ本人が死亡したことで事態は一変。テインとチャンボクは意図せず、誘拐犯となってしまう。
設定も生臭ければ、血まみれの死体も登場する。しかし、犯罪映画と呼ぶにはあまりにもヒューマン。ほのぼのとしたユーモアさえ漏れる物語は、テインとチョヒの疑似家族ドラマへと進んでいく。チョヒの家族は身代金をなかなか支払おうとせず、彼女はテインと暮らすことに。歳の離れた妹ともども社会の根底に生きるテインの住まいは、家というよりは小屋。不遇を象徴する空間で、本来なら出会わない者同士の出会いが描かれる。
不遇なのは貧しいテインだけでなく、弟と間違えて誘拐されたせいで、両親から身代金を出し渋られるチョヒも。「男ではない」という理由だけで無用な孤独を味わい、大人びるしかない少女を、オーディションで選ばれたムン・スンアが悲哀を拒否するかのように凛と演じている。一方、そんな彼女に戸惑いつつ、優しさを静かに滲ませていくテインを演じたのは、15kg増量した体に丸刈り頭のユ・アイン。最近ではネトフリックス ドラマ『地獄が呼んでいる』の怪演も話題だが、新興宗教のいけ好かないカリスマ教祖とテインを結びつける人はいないはず。本作での青龍映画賞主演男優賞受賞も納得。言葉を発することのない役から、素朴な感情を繊細に発してくる。役ごとの七変化と言えば、相棒役のユ・ジェミョンが決して『梨泰院クラス』の会長ではないことも、しっかり付け加えておきたい。
『オールド』
製作年/2021年 製作・監督・脚本/M・ナイト・シャマラン 監督/ガエル・ガルシア・ベルナル、ビッキー・クリープス、ルーファス・シーウェル、アレックス・ウルフ
30分で一歳年をとる怪奇ビーチからどう脱出する!?
格安リゾートホテルにバカンスでやってきたキャパ家の4人家族。ホテルの勧めで、彼らは数組の家族とともに、断崖に囲まれた風光明媚なビーチを訪れる。最初は楽しく過ごしていた彼らだったが、何者かの死体が漂着したことで空気は一変。さらに、人々の肉体に急激に異変が生じはじめる。実は、このビーチは時の流れが異様に早く、30分で一歳年をとってしまう怪奇の地だった!
『シックス・センス』をはじめ、これまで多くの仰天スリラーを手がけてきた異才M・ナイト・シャマランの怪作。昼の子供は夜には大人になり、大人は老いていく。もちろん持病の成長も急速で、そのために命を落とす者も。断崖を越えることも、洞穴を抜けることもできない、この驚異の地から、抜け出すことはできるのか? ビーチの秘密を明かすミステリーの要素を含め、ハラハラしながら見守って欲しい。
『ナイル殺人事件』
製作年/2022年 原作/アガサ・クリスティ 製作・監督・出演/ケネス・ブラナー 脚本/マイケル・グリーン 出演/ガル・ガドット、アーミー・ハマー、トム・ベイトマン
ナイル川を進む豪華客船で繰り広げられる名作ミステリー!
エジプトのナイル川を行く豪華客船内で、新婚旅行中だった大富豪リネット(ガル・ガドット)が殺害される。船に乗り合わせていた世界一の名探偵ポアロ(ケネス・ブラナー)が事件の謎を追うことになるが、やがてリネットを巡る複雑な人間関係が浮き彫りになっていき……。
ミステリーの女王アガサ・クリスティの名作小説を映画化。撮影自体は実際のナイル川……ではなく、スタジオ内に作られた全長72mにおよぶ豪華客船の精巧なセットで実施。映画のマジックが遺憾なく発揮され、ゴージャスで優雅なクルーズ気分を堪能することができる。船内で繰り広げられるドロドロした人間ドラマと、何事にも動じないかのような美しきナイルの対比もポイント。
『ザリガニの鳴くところ』
製作年/2022年 原作/ディーリア・オーエンズ 監督/オリヴィア・ニューマン 脚本/ルーシー・アリバー 出演/デイジー・エドガー=ジョーンズ、デヴィッド・ストラザーン、テイラー・ジョン・スミス
”湿地の少女”の成長を描く極上ミステリー!
時は1969年、ノースカロライナ州に広がる湿地で若い男の死体が発見され、カイアという女性に殺人容疑がかかる。彼女は幼少期、家族が次々とこの地を去る中、たった一人で自宅に残され、ずっと孤独に生きてきた人だった。周囲からは常に蔑んだ目で見られ、読み書きもできないまま、ひっそりと息を潜めて暮らす日々……。そう書くと何の希望もない物語のように思えるかもしれないが、しかしこの映画は実に多面的だ。ロマンスもあり、成長物語もあり、ミステリーとしての側面も機能させながら、唯一無二の魅力を羽ばたかせていく。
あらゆる生物が生存本能に身を任せ、あるがままに生を育む湿地。その生態や環境から全てを学んで生きてきたからこそ、カイアはいざという場面で思いがけない決断力を発揮する。それが源となって、過去の痛みを乗り越えた未来の平穏が切り開かれていくかのよう。原作は、長らく自然環境を見つめ続けた生物学者が69歳にして初めて綴った小説。ラストの瞬間までぜひ目を離さないでほしい。
『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』
製作年/2022年 監督・脚本/ライアン・ジョンソン 出演/ダニエル・クレイグ、エドワード・ノートン、ジャネール・モネイ、キャスリン・ハーン、レスリー・オドム・Jr、ジェシカ・ヘンウィック、マデリン・クライン、ケイト・ハドソン、デイヴ・バウティスタ
謎解きの醍醐味がとことん味わえる!
豪邸だけが建つ孤島に、億万長者のマイルズが友人たちを招待し、そこで彼がゲームを仕掛けたことから、衝撃の殺人事件へと発展していく。集められた友人たちは、誰もがマイルズと深く複雑な関係があり、容疑者となる動機も十分。さらに現場の島は、外部から隔絶された空間……と、ミステリーとしては最高のシチュエーション。誰がどんな状況で殺人の犠牲者になるのか、それ自体も観てのお楽しみだ。マイルズの友人でもない探偵のブノワに招待状が届いた理由も、物語の大きなポイント。さまざまな事実がつながる謎解きのシーンは、この種のミステリー映画の中でも最高に鮮やかだと感じられるはず!
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