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CULTURE カルチャー

2024.09.08


『ブラピとかの前でお寿司を握りたいなって(笑)』映画『夏目アラタの結婚』柳楽優弥&黒島結菜インタビュー【サイン入りプレスのプレゼントあり】



累計発行部数260万部越えの人気コミックを原作とする映画『夏目アラタの結婚』がいよいよ公開を迎える。最初に断っておくと、この作品、全くもって一筋縄ではいかない。何しろ元ヤンで児童相談所の職員でもある主人公が、”品川ピエロ”の異名を持つ死刑囚に突如、プロポーズ!そこから物語は面会室で繰り広げられる心理戦を軸として、サスペンスとラブストーリーの両輪を全速力で回転させていく。一寸先も読めない怒涛の展開に、観客は息つく暇なく翻弄されること請け合いだ。この濃密なサスペンスでありながら、結婚とは何かという深淵なテーマすら併せ持った本作に、主人公・夏目役の柳楽優弥、品川役の黒島結菜はどう挑んだのか?撮影の裏話からお二人が本作に寄せる想いまで、じっくりとお話を伺った。

ーーーー面白くて、先が読めなくってドキドキしながら本作を拝見しました。お二人はご覧になってどんな想いを抱かれましたか?

柳楽優弥:サスペンスあり、ラヴストーリーありで、本当に究極ですよね。死刑囚と児童相談員のラブストーリーと聞くと、皆さんビックリされると思うんですが、本作のストーリーは”漫画ならではのファンタジー”を絶妙に織り交ぜながら大胆に展開していきます。そういったリアリティを超えたレベルで何かが巻き起こる映画って、僕、大好きなんですよ。本作に出演できてよかったなとつくづく感じました。

黒島結菜:私の場合は、撮影中、とにかく必死に毎日を過ごしてたので、正直なところ、まだ本作を客観的に見ることができていなくて。まずこみ上げてきたのは、映画が無事に完成して本当に良かった……という安堵の気持ちです。

ーーーーお二人がこの映画に挑もうと思った理由は何だったのでしょうか。

柳楽:堤監督と 17年ぶりにご一緒できるのが嬉しかったのと、そして黒島さんとも10年ぶりの共演になるので、僕にとって大きな意味があると感じたんです。その間、自分は何をやってきたのか。俳優として着実に成長できているだろうか。現在地の確認じゃないですけど、そういったものも意識しながら臨んだこともあり、撮影中はとても充実した良い時間でした。

黒島:私も同じで、監督が何度もお仕事させていただいた堤さんで、それに主演の柳楽さんとも久しぶりだったのは大きかったです。お二人への信頼感が根底にあったので、私もよしやってみようという気持ちになりました。

ーーーーそれぞれ難しい役柄だったと思います。どういうアプローチで臨まれたのでしょう?

柳楽:僕の役は、前半では特に”受け身”なんです。何か主導権を握ってこうやろうっていうよりは、堤監督を信じて、黒島さんと一緒に作り上げていくことこそ重要だろうなと思ってました。さらに、後半では物語がラヴストーリーにも転じていくので、現場の雰囲気をじっくり感じながら、身を任せてやってみようという思いが強くありました。

黒島:私の役は、”共感できる部分”があまりに少ない(笑)。でも一方で、真珠は嗅覚がとても敏感という側面を持っています。そのため、アラタに対してきっと言葉を超えた”感覚的”なものを感じているのだろうなと思って。そこを意識しながら演技に取り組んでいました。

ーーーー本作を拝見して、俳優さんってすごい職業だなと改めて思いました。深層心理に触れたり、極限の状況に陥ったり……そういう中で、役に侵食されずに自分を保つ秘訣やルーティンは何かお持ちですか?

柳楽:僕の場合は、武道です。道場での稽古中に何かしら迷いがあると、ご指導いただくわけですが。そうやって気持ちを整えたり、迷いをなくしたりしています。

黒島:私の場合は散歩ですね。朝晩、ちゃんと散歩に出ると、自分がこの地球に生きていることが実感できるというか。風が吹いて気持ちいいなとか、東京にも緑がいっぱいあるんだなとか、そういうことに気づくことができる。歩くだけで、ちゃんとこう毎日をリセットして、自分を保てる気がするんです。

人間の何気なく奥深い瞬間をつかまえる

ーーーー堤監督といえば『池袋ウエストゲートパーク』『TRICK』をはじめ数多くの作品でお馴染みです。堤組の雰囲気やエピソードなどご紹介いただきたいのですが。

柳楽:堤組といえば、撮影現場のスピーカーですね。監督は基本的に、編集作業も可能なベース(基地)からモニター越しに撮影を見ていらして、僕らへの演出面での指示は基本、スピーカーを通して伝えられるんです。この手法は、監督がニューヨークに住んでいた頃、ウディ・アレンがそうやって撮影するのを見かけて、取り入れたのだとか。こういった機能的な空間を作り出すことで、堤さんは超多忙な時代を乗り切ってこられたのでしょうね。

黒島:撮影エピソードで言うと、監督に「このセリフの時に片眉だけ上げてほしい」と言われました。私、ちょっと自信ないですけど、頑張りますと言ってやって、やっぱりできなかったんです。その後、「どうでしたか?」って訊ねたら「努力は認める」って言われて。その言葉がすごく堤さんっぽくて、なんだか無性に嬉しくなりました。

ーーーー面会室の場面では、柳楽さんが目の前の黒島さんと対峙しつつ、心の中の本音がナレーションとなって観客の耳に響きます。この二重性の演技に驚かされました。

柳楽:そこは僕も「面白いな」って感じたところですね。実生活でも心で思っていることと実際に喋っていることが違う状況ってあると思います。そういう人間の何気なくも奥深い日常をちゃんと掴まえて、的確に脚本へと織り込んでいる点が凄いなと思います。

ーーーー黒島さんは、ガタガタの歯や特殊メイクなどで喋りにくくなったり、動きにくくなったりと、ご自分の身に負荷がかかる演技に臨まれたわけですが。

黒島:最初は不安もありました。でも、私がマウスピースを入れて喋りにくくなるのは確かだけれど、もともと真珠は「歯がガタガタで滑舌の悪い人」なわけですし、そういった存在になりきることができる点では負荷もプラスになるんじゃないかな、と。監督の「その感じがいい」という言葉を信じてひたすら取り組んでいました。

「寂しいから一緒にいたい」という究極

ーーーー本作には多彩な味わいや見どころがありますが、お二人のイチオシのポイントをお伺いできれば。

柳楽:劇中に「寂しいから一緒にいたい」という台詞があって、僕はその言葉にとても惹かれました。人が誰かと一緒にいたい理由として、相性が良いから、尊敬できるから、といった側面を挙げる人も多いと思うんです。

だけど「寂しいから一緒にいたい」はそれらとは一味違う。自分の弱さを偽らずさらけ出して支え合う、ある意味、”究極”ですよね。映画をご覧になる時、ぜひこのセリフに注目していただきたいです。

黒島:サスペンスだけど、ラヴストーリーでもあり、コメディっぽいところもある。本当にいろんな要素が溶け合っている映画だなと思います。こういうジャンルですって限定するのではなく、ご覧になる方が一つでもご自分に刺さるところを見つけて楽しんでくだされば嬉しいですね。

ーーーー最後に、お二人が俳優として、人として、今どんな将来像や目標を描いておられるのか、ぜひお聞かせいただきたいのですが。

柳楽:びっくりされるかもしれませんが、僕は、寿司職人ですね。

ーーーーえっ!!

柳楽:実は、純粋に今、寿司職人に興味があって。もし自分がそれをやったらどうなるだろうと考えだすと、想像が止まらなくなります。これを起点に、いつかハリウッドに乗り込んで、ブラピとかの前でお寿司を握りたいなって。そんな何が起こるかわからない未来、ちょっと面白くないですか? 

ーーーー確かにそんな角度で未来を想像するだけでドキドキするというか。

黒島:今の柳楽さんのお話の後だと、やりにくいなあ(笑)。私は、俳優としてのお話になりますが、ぜひ職業モノに挑戦したいですね。これまでは学生とか、等身大の役を演じることが多かったんです。でも30歳に近くなってきたこともあって、これから弁護士とか、医療従事者の役などができればいいなあと、そんなことを思い描いています。

『夏目アラタの結婚』公開中
原作/乃木坂太郎 監督/堤幸彦 脚本/徳永友一 出演/柳楽優弥、黒島結菜、中川大志、丸山礼、立川志らく、佐藤二朗、市村正親 配給/ワーナー・ブラザース映画 

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取材・文=牛津厚信 text:Atsunobu Ushidu
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