【夏休み特選】時間を無駄にしない! 絶対面白いどんでん返し映画10選!【ネタバレあり】
ゆっくりと過ごしたい夏休み。オリンピック観戦の合間に、映画を見てリフレッシュするのはいかが? とはいえ、観終わった後に「時間を無駄にした……」という思いはしたくないはず。そこで絶対に面白い映画10本を厳選! これなら費やした時間と同等以上の感動に満たされるはず!
『バニー・レークは行方不明』
製作年/1965年 原作/イヴリン・パイパー 監督/オットー・プレミンジャー 脚本/ジョン・モーティマー、ペネロープ・モーティマー 出演/キャロル・リンレー、キア・デュリア、ノエル・カワード、ローレンス・オリヴィエ
予想が根こそぎ覆される!
『帰らざる河』『悲しみよこんにちは』の名匠オットー・プレミンジャーが手がけたサスペンス・ミステリー。アメリカからロンドンに引っ越してきたシングルマザー、アン(キャロル・リンレー)が、保育園に預けていた幼い娘バニーを迎えに行く。しかしバニーは忽然と消失してしまい、ロンドン警視庁のニューハウス警部(ローレンス・オリヴィエ)が捜査に乗り出す。しかし保育園の職員をはじめ、誰もバニーを目撃しておらず、ニューハウスはアンの主張に疑念を抱きはじめる……。
【ここからネタバレ】
人間の失踪を題材にしたミステリー劇は『フライトプラン』『ブレーキ・ダウン』など数多くあるが、本作はそれらのどれとも違う真相が待ち受ける異色作。観る者は“消えた少女”バニーは最初から存在しておらず、情緒不安定なアンの妄想の産物ではないかと思わされるが、その予想は根こそぎ覆される。キーパーソンはアンの唯一の理解者である兄スティーヴン(ケア・デュリア)。彼がサイコな本性を露わにし、アンとの歪んだ兄妹愛が明かされる結末に唖然呆然とさせられる。
結末の予測が不能な代表作!
『ユージュアル・サスペクツ』
製作年/1995年 監督/ブライアン・シンガー 出演/ガブリエル・バーン、ケヴィン・スペイシー
密輸船が爆破され、多額の現金と麻薬が消え去る事件が発生。唯一の生存者は、船の襲撃を指示された詐欺師ヴァーバルだった。警察がヴァーバルの尋問を行う中、ヴァーバルが犯罪者仲間4人とともに船を襲撃したこと、その襲撃を命じたのが正体不明のギャング、カイザー・ソゼであることなどが浮かび上がり……。物語は尋問を受けるヴァーバルが、密輸船爆破事件が起こるまでの過程を回想する形で進行。この回想がキーポイントとなっているのだ。
【ここからネタバレ】
話を聞き終えた警察は、ヴァーバルの犯罪者仲間の1人をカイザー・ソゼと断定。しかし、ここからが大ドンデン返し。取調室を後にし、街に消えたヴァーバルこそがカイザー・ソゼだと分かる。なぜならヴァーバルは、取調室にある書類やマグカップに書かれた文字を拝借して、嘘の供述を延々と話していたというわけ。警察は見事にそれを信じ、騙されていたというオチだ。
エドワード・ノートンに圧倒される!
『真実の行方』
製作年/1996年 監督/グレゴリー・ホブリット 出演/リチャード・ギア、エドワード・ノートン
カトリックの大司教が惨殺され、現場から血まみれで逃走した聖歌隊の青年アーロンが容疑者として逮捕される。金儲け第一主義で目立ちたがり屋の敏腕弁護士マーティンは、無償でアーロンの弁護を行うことに。無実かどうかは関係ない。裁判に勝てばそれでいい。そう考えていたマーティンだったが、か弱いアーロンの無実を徐々に信じはじめ……。
【ここからネタバレ】
裁判が進む中、大司教がアーロンら聖歌隊員に性的虐待を行っていた事実が発覚。そこにこそ死の真相が隠されていると察知したマーティンは、アーロンを問いただす。追い詰められたアーロンは攻撃的な態度に豹変し、大司教の殺害を告白! アーロンは二重人格障害者で、彼の中には気弱な人格と攻撃的な人格が混在していた…。
“衝撃のラスト”といえば、こちらが代表作!
『シックス・センス』
製作年/1999年 監督・脚本/M・ナイト・シャマラン 出演/ブルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメント
ブルース・ウィリスが演じる小児精神科医のマルコムが、ある悩みを抱えたコールという少年と出会う。コールには「死者が見える」能力があり、そのせいで周囲から白い目で見られているという。医師の立場からコールの苦悩を和らげようとするマルコム。そんな彼自身も、妻など身近な人との心のすれ違いを経験していた。本作のオチは今ではあまりに有名だが、そのオチを知ってもう一度観直すと、より作品の魅力が伝わってくるのでオススメ。
【ここからエンディングのネタバレ】
マルコムはすでに死んでいた。だから実生活で妻などに見向きもされず、死者が見えるコール少年とはコミュニケーションが可能だったのだ。地上をさまよっていたマルコムの魂は、少年との出会いにより、ようやく天国へと向かうことに。
人間の本質を鋭く斬った物語に唸る!
『ファイト・クラブ』
製作年/1999年 監督/デヴィッド・フィンチャー 出演/エドワード・ノートン、ブラッド・ピット
不眠症に悩むエリート会社員の“僕”は、出張中の機内で謎の男タイラー・ダーデンと出会う。互いを殴り合うことで自己を解放し、生きる実感を得るようになる。そんな2人のもとにやがて大勢の男たちが集結。秘密組織ファイト・クラブが結成され、地下室でのファイトが展開されるようになるが……。
<ここからネタバレ>
肉体的な痛みやタイラーへの友情を通して“僕”が自分を取り戻していく中、事態は“僕”の思惑からそれた方向へと転がっていく。タイラーは“僕”を蚊帳の外に置きはじめ、ファイト・クラブの面々と何やらよからぬ企みをするようになる。しかし、ある出来事をきっかけに、あれほど憧れていたタイラー・ダーデンは、実は“僕”自身が作り出した産物だと判明。ファイト・クラブを設立したのも、仲間とともに何かを企てていたのも、要はタイラーは自分自身だったのだ。患っていた不眠症も、会社員としての働く以外に、実はタイラーとして“僕”がレストランなどで働いていたせい。さらに、タイラーとの殴り合いも自分で自分を殴っていただけのことだったのだ。
『フレイルティー 妄執』
製作年/2001年 監督・出演/ビル・パクストン 脚本/ブレント・ハイレン 出演/マシュー・マコノヒー、パワーズ・ブース、マット・オリアリー
観る者の善悪の価値観をひっくり返す!
俳優ビル・パクストンの監督デビュー作。とある夜、テキサス州のFBI支局にフェントン(マシュー・マコノヒー)という男がやってくる。彼は全米を震撼させる“神の手殺人事件”の真犯人を知っているという。同事件の捜査担当者ドイル(パワーズ・ブース)は、不審を抱きながらもフェントンの告白に耳を傾ける。それは少年時代のフェントンと幼い弟アダムが、天使から「悪魔を滅ぼせ」という使命を授かったと主張する父親(パクストン)に導かれ、殺人に加担した恐ろしい過去だった……。
〈ここからネタバレ〉
フェントンの告白を映像化した過去のパートでは、父子3人が力を合わせて“人間の姿をした悪魔”を次々と抹殺していく様を描出。純真な子供の視点で描かれるその異様なストーリーからして戦慄ものだが、終盤の展開はさらにすごい。フェントンが語るオカルトじみた“神と悪魔の闘い”は本当にあった出来事で、彼こそが悪魔退治にいそしむ“神の手殺人事件”の犯人だったという驚愕の真実が明かされる。観る者の善悪の価値観をひっくり返す、斬新なミステリー・スリラーだ。
クライマックスに深〜い絶望が待ち受ける!
『ミスト』
製作年/2007年 製作・監督/フランク・ダラボン 出演/トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン
郊外の静かな町を突然、嵐が襲う。その翌日に発生した深く濃い霧が、やがて町全体を覆ってしまう。何も見えない状況になり、パニックになる人々がスーパーマーケットに逃げ込むという物語。どうやら霧の中には、不気味な生物が潜んでいるらしく、スーパーに立てこもった人々の決死のサバイバルが展開する。
【ここからエンディングのネタバレ】
スーパーマーケットから逃げた主人公のデヴィッドは、もう逃げ切るのは無理と判断し、同行の息子や仲間を射殺。自分も怪物の餌食になろうと決心するが、霧がしだいに晴れていく。すると軍隊が怪物を退治したことが発覚! あと少し、決断が遅ければハッピーエンドだったのに……という悲痛な結末に。
『瞳の奥の秘密』
製作年/2009年 製作総指揮/ヘラルド・エレーロ、バネッサ・ラゴーネ 監督・脚本/フアン・ホセ・カンパネラ 脚本/エドゥアルド・サチェリ 出演/リカルド・ダリン、ソレダ・ビジャミル、パブロ・ラゴ
サスペンス・ミステリーとしても一級品!
第82回米アカデミー賞外国語映画賞を受賞したアルゼンチン映画。ブエノスアイレスの刑事裁判所を定年退職した初老の男性ベンハミン(リカルド・ダリン)が、25年前に自分が捜査に携わった未解決事件を題材にした小説を書きはじめる。それはリカルドという銀行員の美しい新妻が被害者となった残虐な暴行殺人事件だった。かつての同僚で、今は検事として活躍するイレーネと再会したベンハミンは、容疑者のゴメスを取り逃がした当時の記憶をたどっていく……。
【ここからネタバレ】
現在と過去のふたつのパートから成る本作は、主人公ベンハミンと彼の憧れの女性イレーネが織りなすメロドラマでもある。しかし軍事政権下で闇に葬られた殺人事件のおぞましい成り行きと、終盤に描かれる真相の衝撃性は、サスペンス・ミステリーとしても一級品。最愛の妻の命を奪った憎き犯人をただならぬ執念で追い続けていたリカルドは、法では裁かれなかったゴメスを自らの手で“終身刑”に処していたのだ。人間という生き物の情念の深さに驚嘆せずにいられない一作だ。
少女エスターの本性とは!?
『エスター』
製作年/2009年 監督/ジャウム・コレット=セラ 出演/ベラ・ファーミガ、ピーター・サースガード
3人めの子供を流産したことから情緒不安定に陥った妻ケイトのために、夫のジョンは新たに養子を迎える。孤児院から引き取られた、その子供、エスターは聡明で礼儀正しい9歳の女の子だった。しかし、首と手首に巻かれたリボンを決して外そうとしない。やがてケイトは彼女の挑発的な態度を気にしはじめるが、夫は気のせいと取り合おうとしない。さらにエスターの不審な行動はエスカレートし、ジョンとケイトのふたりの実子を脅迫。さらには孤児院から様子を見に来たシスターを殺害してしまう……。
【ココからネタバレ】
その後、エスターはあろうことか、ジョンを誘惑するという9歳の少女とは思えない驚くべき行動に出る。ここで明らかになるのは、難病のために身体の成長が止まってしまったエスターが、実は33歳であったこと!あどけない顔をしながら、手段を選ばずほしいものを手に入れようとする彼女の狂気に、戦慄を覚えずにいられない。ちなみにエスターを演じたイザベル・ファーマンは本作の撮影時は11歳の子役だったか、その怪演は鮮烈!
人種問題をテーマに据えた前代未聞ホラー!
『ゲット・アウト』
製作年/2017年 監督/ジョーダン・ピール 出演/ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムズ
コメディアン出身のジョーダン・ピールがその才覚をホラー領域へ逆噴射させた、なんとも奇妙で、社会派な初監督作。ブルックリン在住のアフリカ系のクリスは、白人の恋人ローズの実家へ初めて挨拶に向かう。そこで出会ったアーミテージ家の面々は、リベラルを自称しつつ、屋敷内で見かける使用人はなぜかアフリカ系ばかり。その上、ガーデンパーティに集う地元の名士たちの言動もどこか変だ。この違和感にクリスは戸惑い、今すぐここを逃げ出したい思いに駆られるが……。
【ここからがネタバレ】
見るからに善良そうな彼らは、拉致したアフリカ系の若者のカラダに自らの脳を移植することで若さを取り戻そうとする狂気的な人々だった。クリスは立ちはだかる恋人やその家族を倒し、なんとか屋敷から逃げ延びる・・・という筋書きがありつつ、この物語の根幹にはアメリカ社会ならではの人種や差別の問題が沁み渡っているのも重要なポイント。誰もが経験のあるコミュニケーション上の居心地の悪さを巧妙に活かした、映画史的に見ても極めてリアルで稀有なホラー作品なのだ。
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【まとめ】まさかのエンディングに驚愕!どんでん返し映画70本!
photo by AFLO