Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2024.05.05


リメイクが繰り返される秀逸映画5選!



『アリー/スター誕生』
製作年/2018年 製作・監督・脚本・出演/ブラッドリー・クーパー 出演/レディー・ガガ、アンドリュー・ダイス・クレイ、サム・エリオット

『スタア誕生』(1937年)をリメイク!
時代を超えて物語が人々にアピールするのが、リメイク作品の条件。もうひとつ大切な要因があり、その物語を映画業界が“何度でも再生したくなる”こと。ハリウッドでこれを満たしたのが『スタア誕生』だ。タイトルが示すとおり、ショービジネスの世界で、新たなスターが生まれるドラマにラヴストーリーが劇的に絡むとあって、繰り返し映画になってきた。一番新しいバージョンが、レディー・ガガがアカデミー賞主演女優賞候補になった2018年の『アリー/スター誕生』。歌手を夢みるウェイトレスのアリーが、世界的人気ミュージシャンのジャクソンに才能を見出され、スターへの階段を駆け上がっていく。アリーとは反対に、ジャクソンには悲しい運命が待つ。スターの光と影を鮮やかに描いた感動作だ。

最初の映画が1937年の『スタア誕生』で、そのリメイクが1954年の同名作。これら2本は主人公の職業が俳優なので、ハリウッドの舞台裏もよくわかる作り。そして1976年の3度目の作品『スター誕生』で主人公が歌手に変更された。同作の主演はバーブラ・ストライサンド。最新作のレディー・ガガといい、演技力と歌唱力の両方が問われる、まさに“スター”のための作品である。
 

  

 


『ラストマン・スタンディング』
製作年/1996年 原作/黒澤明、菊島隆三 製作・監督/ウォルター・ヒル 出演/ブルース・ウィリス、クリストファー・ウォーケン、ウィリアム・アンダーソン

『用心棒』1961をリメイク!
世界中の映画作家にとって、最もリメイクへの食指が動く監督といえば、黒澤明かもしれない。日本国内でリメイクされるケースもあるが、『生きる』がイギリス映画『生きる LIVING』として再生されたのは記憶に新しい。現在はスパイク・リー監督で『天国と地獄』のリメイクが進んでいる。黒澤の代表作『七人の侍』がハリウッドの西部劇『荒野の七人』としてリメイクされたのは有名で、同じようにイタリアの巨匠、セルジオ・レオーネ監督が、黒澤の『用心棒』をマカロニ・ウエスタンの『荒野の用心棒』としてリメイク。同作は正式な許可をもらわずに作られたことも話題に。悪党が対立する町に、ふらりと現れた男が用心棒をやりたいと自らを売り込む物語は、たしかに国や時代を超えてリメイクしたくなる題材だ。

日本の時代劇をアメリカのギャング映画に変えた、本家公認のリメイクが『ラストマン・スタンディング』。監督は『ストリート・オブ・ファイヤー』などのウォルター・ヒル。1930年代を舞台に、アイルランド系とイタリア系のギャングが勢力争いをする町に、ジョン・スミスと名乗る男がやって来る。酒場で始まった抗争で、二丁拳銃の腕を見せつけた彼は、イタリア系の一味に力を貸すことに。ブルース・ウィリスが演じた孤高の用心棒=スミスの佇まいを、オリジナルの三船敏郎と比べながら楽しむのもオススメ!
 

  

 


『キング・コング』
製作年/2005年  原案/メリアン・C・クーパー、エドガー・ウォレス 製作・監督・脚本/ピーター・ジャクソン 出演/ナオミ・ワッツ、エイドリアン・ブロディ、ジャック・ブラック、トーマス・クレッチマン、アンディ・サーキス

『キングコング』1933年)をリメイク!
近年は、日本が生んだモンスターキャラ、ゴジラとの共闘で注目されるキング・コング。そのルーツは、1933年に公開された『キングコング』だ。NYのエンパイア・ステートビルの天辺で飛行機を掴むなど、ストップモーションを駆使した特撮映像が“伝説”となった。その後、人気キャラとなったコングは、日本映画を含め何度も登場したが、本格的リメイクが1976年の『キングコング』。NYの新たなランドマークとなった世界貿易センターのツインタワーにコングが登った。そして2005年、『ロード・オブ・ザ・リング』などのピーター・ジャクソンが最先端の映像技術で再生させたのが『キング・コング』である(前2作と違って邦題の“・”で区別できる)。

最も革新的だったのは、コングを俳優が“演じた”こと。着ぐるみのスーツアクターではなく、俳優の動きや表情を取り込んだモーションキャプチャーで、コングがCG化され、超リアルな映像が完成した。任されたのは『ロード・オブ・ザ・リング』でもキャプチャーでゴラムを演じたアンディ・サーキス。髑髏島で崇められていたキング・コングが、映画撮影のために島を訪れた女性アンに一目惚れする。NYへ連れて行かれ、見せ物になったコングがアンを探して大暴れする展開は基本に忠実。クライマックスの舞台もエンパイア・ステートビルに戻された。サーキスの表情演技が反映されたおかげで、コングにもたっぷり感情移入でき、切ない感動をもたらす秀逸なリメイクになったと言っていい。
 

  

 


『スカーフェイス』
製作年/1983年 監督/ブライアン・デ・パルマ 脚本/オリバー・ストーン 出演/アル・パチーノ、ミシェル・ファイファー、F・マーレイ・エイブラハム

『暗黒街の顔役』(1932年)をリメイク!
1932年、ハワード・ホークス監督の『暗黒街の顔役』は、禁酒法時代のシカゴを背景に、あのアル・カポネにまつわる実話を基にしたマフィア映画の金字塔。それを半世紀後の1983年、鬼才ブライアン・デ・パルマ監がリメイクした『スカーフェイス』では、舞台が80年代のマイアミに移された。何千人もの亡命志願者とともにキューバからアメリカへ渡ったトニー・モンタナが、麻薬取引で一攫千金を狙い、のし上がっていく。

基本的な流れはオリジナルどおりだが、スラングが多用されるセリフの応酬、電動ノコギリを使った拷問をはじめとした衝撃のバイオレンス描写で、現在もカルト的な人気を誇る一作となった。クライマックスの銃撃は、映画史に残る名シーンと言っていいレベルで、アル・パチーノの超迫真演技でトニー・モンタナは時代のアイコンとなった。2020年には、『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督で、『ノーカントリー』のコーエン兄弟が脚本、舞台をロサンゼルスに移した再度のリメイク企画も進んでいたが中断。それだけ作り手のモチベーションかき立てる題材ということだ。
 

  

 


『モールス』
製作年/2010年 原作/ヨン・アイビデ・リンドクビスト 監督・脚本/マット・リーヴス 出演/クロエ・グレース・モレッツ、コディ・スミット=マクフィー、イライアス・コティーズ 

『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008年)をリメイク!
リメイク作品と聞くと、オリジナルがメジャーな知名度を誇るケースを思い浮かべやすいが、カルト的に愛された作品がすぐに新たな映画になることもある。アメリカ以外の人気作→アメリカ映画、という流れが多い。『モールス』は、その代表例。2008年のスウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』は世界中で絶賛され、2010年の日本での公開時にも映画ファンから熱い支持を受けた。孤独な少年がヴァンパイアの少女と友人になるが、彼女は200年も生き続けていた……という物語。残酷な描写と繊細な感情のブレンドで、えもいわれぬ世界観を創り出した作品が、2010年に早くもアメリカでリメイクされた。『モールス』という邦題で翌2011年に日本で公開。

ヴァンパイアのヒロイン、アビーを演じたのが当時、『キック・アス』などで人気が最高潮に達していたクロエ・グレース・モレッツ。キュートさと恐ろしさの両面を表現し、ハマリ役であった。オリジナル版の日本公開では重要な描写でボカシが入ったことで物議を呼んだが、リメイク版はまた違った恐怖と悲しさも伝わってくる。キャストの魅力も含め、ほぼ同時期に作られた2つの映画ということで、ここまで観比べる面白さに溢れた作品も珍しい。

●考察記事を販売中!
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』と『ミッション:インポッシブル』シリーズの魅力を大解剖。
 

  

 

 
文=斉藤博昭 text : Hiroaki Saito
Photo by AFLO
 〈ブランパン〉の“フィフティ ファゾムス”が進化中!新たな“バチスカーフ”はシンプルにいくか、ロマンあふれる複雑機構でいくか!?
SPONSORED
2024.11.13

〈ブランパン〉の“フィフティ ファゾムス”が進化中!
新たな“バチスカーフ”はシンプルにいくか、ロマンあふれる複雑機構でいくか!?

TAGS:   Watches
理想の腕時計を大丸心斎橋店で。進化を遂げた〈大丸心斎橋店〉本館6階時計売場を完全ガイド。
SPONSORED
2024.11.20 NEW

理想の腕時計を大丸心斎橋店で。
進化を遂げた〈大丸心斎橋店〉本館6階時計売場を完全ガイド。

〈大丸心斎橋店〉本館6階の時計売場が、この秋、華麗なる進化を遂げた。マニュファクチュールの技術が光る名門ブランドから信頼の日本ブランドまで、珠玉の逸品が集結する。時計ファン垂涎の老舗ブランドの売場拡大や、関西初出店のブランドなど直営ブティ…

TAGS:   Urban Safari Watches
冬の格上レジャーシーンに、〈ゼニア〉の贅沢すぎる推しアイテム!
SPONSORED
2024.10.31

冬の格上レジャーシーンに、〈ゼニア〉の贅沢すぎる推しアイテム!

どうやら今年の冬は昨年よりも寒くなるとの予報あり。そうなると、冬のアウトドアレジャーに思いを馳せるのがアクティブ派の大人というもの。「さて、今年はどんなものを着て出かけようか?」、そう思ったら、まず見てほしいのがラグジュアリーライフスタイ…

TAGS:   Fashion
満ち足りたパーソナルタイムを〈レクサス〉で。素の自分に戻れるラグジュアリーがあります。
SPONSORED
2024.10.31

満ち足りたパーソナルタイムを〈レクサス〉で。
素の自分に戻れるラグジュアリーがあります。

クルマとは単なる移動手段ではない。求めるのは乗り心地と静粛性。さらに自宅のように寛げる“プライベートな居住空間”であるのが理想だろう。〈レクサス〉はあらゆる時間の過ごし方に対応する質の高い空間を提供してくれる。

TAGS:   Urban Safari Cars
〈モンブラン〉から日本限定トートバッグが登場!機能的でエレガントだからオンオフ問わず頼りになる。
SPONSORED
2024.10.31

〈モンブラン〉から日本限定トートバッグが登場!
機能的でエレガントだからオンオフ問わず頼りになる。

書くときの音にまでこだわって作っているというモンブランの万年筆。そんな世界最高峰の技術はまさにこのブランドならでは。その筆記具のDNAは当然バッグにも付随する。日本のリクエストのもとにデザインされた今回のバッグは容量、デザインともにオンオ…

TAGS:   Fashion Urban Safari
ビジネスリーダーの足元を華やかに彩るドレスシューズ。タキシードからセットアップまでスタイリングの幅が広がる〈ジ・オニツカ〉。
SPONSORED
2024.10.31

ビジネスリーダーの足元を華やかに彩るドレスシューズ。
タキシードからセットアップまでスタイリングの幅が広がる〈ジ・オニツカ〉。

ジャケットやスーツの装いは、かつてよりルールに縛られず自由に楽しめるように。足元のお洒落も然りで、特定の着こなしに映える1足というよりも、多彩な装いに対応できて、その装いを魅力的に輝かせてくれる1足が理想だ。〈オニツカタイガー〉から生まれ…

TAGS:   Urban Safari Fashion
多彩な特典でライフスタイルの強い味方に! “ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード”で週末の楽しみがグッと広がる!
SPONSORED
2024.10.29

多彩な特典でライフスタイルの強い味方に! 
“ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード”で週末の楽しみがグッと広がる!

「仕事も遊びもこだわりをもって楽しみたい」。そんな充実のライフスタイルを望む人が多くなってきている。なかでも、非日常を感じる体験を日常に取り入れることは、人生をより楽しくより豊かにする方法のひとつ。そんなライフスタイルを楽しむうえで大切な…

TAGS:   Lifestyle
SPECIAL GUEST 楢﨑智亜さんサファリ×ノルケイン Instagram LIVE開催!
SPONSORED
2024.10.28

SPECIAL GUEST 楢﨑智亜さん
サファリ×ノルケイン Instagram LIVE開催!

“ノルケインエキシビション”開催中のISHIDA表参道よりお届け! 話題の新作時計やオススメ商品など、見逃せないアイテムの数々をゲストの楢﨑智亜さんと一緒にご紹介します。

TAGS:   Fashion Watches
柔道家・村尾三四郎が〈エンポリオ アルマーニ〉の新作を着る!無限の可能性を秘めた挑戦者のスピリット
SPONSORED
2024.10.24

柔道家・村尾三四郎が〈エンポリオ アルマーニ〉の新作を着る!
無限の可能性を秘めた挑戦者のスピリット

東京五輪で逃した代表の座をパリ五輪で掴み取り、その名を世界に知らしめた柔道家の村尾三四郎。幼少期から“本物”の強さを追い求めてきた“令和の三四郎”は、すでに4年後のロス五輪で頂点に立つ自分の姿を思い描き、自らの無限の可能性を探求する険しい…

TAGS:   Fashion
大人のライフスタイルにぴったりなのは〈エルケクス〉!“軽くて暖かい”が冬アウターの条件!
SPONSORED
2024.11.01

大人のライフスタイルにぴったりなのは〈エルケクス〉!
“軽くて暖かい”が冬アウターの条件!

ひと昔前とは違って、近年は寒暖の予想が難しい。となると、今期はどんなアウターを狙うべきか迷ってしまう。ならば、気温やシーンに合わせて3タイプのアウターを揃えておくのがいい。おすすめしたいのは、ベーシックで着まわしやすい〈エルケクス〉。軽く…

TAGS:   Fashion
個性派を語るなら〈ハリー・ウィンストン〉プロジェクトZシリーズ!攻め顔に唸る斬新時計を身にまとう!
SPONSORED
2024.10.24

個性派を語るなら〈ハリー・ウィンストン〉プロジェクトZシリーズ!
攻め顔に唸る斬新時計を身にまとう!

まずは、それぞれのフェイスを見てほしい。ほぼ年1回のペースで登場するプロジェクトZシリーズが、いかに個性的でアバンギャルドな美しさを持っているかがわかるだろう。一方で、最高峰のダイヤモンドで名を馳せるNYブランドが、これほど攻めたデザイン…

TAGS:   Fashion Watches
〈マッカージュ〉なら羽織るだけでサマになる!大人のアウターは欲しいがつまった1着で!
SPONSORED
2024.10.24

〈マッカージュ〉なら羽織るだけでサマになる!
大人のアウターは欲しいがつまった1着で!

これからの季節に必要なのは、サッと羽織るだけでサマになるアウター。さりげない男の色気が漂って、さらに大人らしい上品さも欲しいところ。となると気になるのが、カナダ・モントリオール発の高級アウターブランド〈マッカージュ〉の新作。上質な素材使い…

TAGS:   Fashion
ラグジュアリー感が際立つ〈ファルコネーリ〉!大人の休日アウターはリッチで優しい素材がいい!
SPONSORED
2024.10.24

ラグジュアリー感が際立つ〈ファルコネーリ〉!
大人の休日アウターはリッチで優しい素材がいい!

〈ファルコネーリ〉といえば、知る人ぞ知るイタリアン・カシミヤのブランド。イタリアのクラフツマンシップと原産地にもこだわった選りすぐりの高級天然素材との組み合わせが、驚くほどの着心地のよさを生む。今回のジャケットやダウンも、カシミヤやメリノ…

TAGS:   Fashion
〈アウール〉の“ネーヴェ”は独特の色褪せ感が魅力!こなれた色落ちニットが休日スタイルの決め手!
SPONSORED
2024.10.24

〈アウール〉の“ネーヴェ”は独特の色褪せ感が魅力!
こなれた色落ちニットが休日スタイルの決め手!

“アフォーダブル・シック(上質を着こなす日常)”をテーマに、デザイン性と快適さを追求したアイテムが豊富な〈アウール〉。大ヒットしたジェットセッターパンツ“マルペンサ”でご存知の方も多いのでは? そんな〈アウール〉では、人気のロングセラーニ…

TAGS:   Fashion
シーンを選ばない〈Gステージ〉の1着!冬に頼りになるあったかウールの伸びるセットアップ!
SPONSORED
2024.10.24

シーンを選ばない〈Gステージ〉の1着!
冬に頼りになるあったかウールの伸びるセットアップ!

これからのホリデイシーズンは、なにかとイベントが多い。そんなときに頼りになるのが、黒のテイラードジャケットとパンツ。なかでも注目株は、オンオフ使えるセットアップが評判の〈Gステージ〉。温かみと品格がある素材感ながら快適に着られ、なおかつ表…

TAGS:   Fashion

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ