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CULTURE カルチャー

2024.01.13

MLBの挑戦者たち 〜メジャーリーグに挑んだ全日本人選手の足跡
Vol.8 大家友和/叩き上げで築いたメジャー51勝


大家友和(おおか ともかず)/1976年3月18日生まれ、京都出身。日米通算59勝85敗(1994〜2011年)

MLB 5球団を渡り歩き、通算1070投球回(日本人メジャーリーガー歴代4位)、51勝(同8位)という偉大な記録を残した大家友和。突如としてメジャーの舞台に現れたイメージがあるが、それもそのはず。渡米前の5年間は横浜ベイスターズ(当時)に所属したが、ルーキーイヤーの4月に挙げた1勝のみで、これといった成績を残せていない。そんなどん底から這い上がり、10年で51勝を積み上げた。これがいかに価値あるものか、野球をご存知の方なら理解できるだろう。
 

  

 

2001年、ボストン・レッドソックスのスプリングトレーニングに野茂英雄と共に参加

高卒ルーキーで一軍に抜擢されたことからもわかるように、ベイスターズの大家への期待は決して小さくなかった。結果が出ないまま迎えた4年目のオフ、フロリダ教育リーグに参加。もともとメジャーへの夢を抱いていた大家にとって、渡米を意識するには十分な経験となった。翌1998年、イースタンリーグで最優秀防御率のタイトルを獲得すると、球団は大家の意向を汲んでMLB挑戦を容認。自由契約となり、ボストン・レッドソックスとマイナー契約を結んだ。一軍での実績がほとんどない大家の挑戦に、周囲の反応は冷ややかなものだった。だが、厳しい道なのは本人が一番わかっていたはずだ。

渡米後の1999年は2A、次いで3Aに所属した。言葉もわからない異国の地。マイナー契約の選手に通訳がつくはずもない。まさに徒手空拳の挑戦である。しかし前半戦にフューチャーズゲーム(日本でいうフレッシュオールスター)に選ばれるほどの活躍をみせると、7月にはメジャー初昇格。その後は昇格・降格を繰り返し、10月のボルチモア・オリオールズ戦で初勝利を挙げた。8登板で1勝2敗、防御率6.23という初年度だった。
 

  

 

2007年5月9日、当時トロント・ブルージェイスに所属していた大家はボストン・レッドソックスの松坂大輔と投げ合った

レッドソックスに在籍した3年間、大家はメジャーとマイナーを往復する生活を強いられた。とくに先発起用された2000年は、防御率3.12とまずまずの内容だったにも関わらず、わずか13登板に終わっている。これは有名選手やレギュラークラスの起用が優先されたためで、大家がマイナー契約であるがゆえの苦難といえる。2001年のシーズン途中、トレードでモントリオール・エクスポズ(当時)へ移籍。このことを知ったボストンの名物記者は、若手にチャンスを与えないチームのやり方を批判し、「彼はエクスポズで先発として成功するだろう」と話している。
 

  

 

2009年、クリーブランド・インディアンスのスプリングトレーニングで小林雅英と談笑

その言葉が現実になったのは、移籍2年目となる2002年。大家は先発ローテーションの一角を担い、チーム最多の13勝(8敗)、防御率3.18という好成績を挙げた。オフには日米野球のMLB代表にも選ばれ、イチローとともに日本への凱旋を果たしている。大家は翌年も10勝(12敗)の成績を挙げ、まさに充実期を迎えようとしていた。ところが2004年6月、ピッチャーライナーを利き腕に受け、上腕部の骨が3カ所も砕ける怪我を負ってしまう。今季絶望が囁かれる中、9月には奇跡的にカムバック。不屈の精神力で周囲を驚かせた。
 

  

 

2009年5月30日、クリーブランドのプログレッシブ・フィールドでニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜と対戦

翌シーズンの途中、ミルウォーキー・ブルワーズにトレード移籍。合計で11勝9敗の成績を残し、オフには日米を通じて日本人投手最高年俸となる453万ドルで再契約した。しかし2006年は右肩や太腿の怪我にも悩まされ、わずか4勝に終わる。翌年にはトロント・ブルージェイズに移籍し、野茂英雄に次ぐ日本人メジャーリーガー2人目のメジャー通算50勝を達成。しかし調子が上がらずシーズン途中に解雇されると、以降はセントルイス・カージナルス、シアトル・マリナーズ、シカゴ・ホワイトソックス、クリーブランド・インディアンズ(当時)をマイナー契約で渡り歩いた。

MLB在籍最終年となった2009年、大家は2シーズンぶりとなるメジャー昇格を果たす。通算1000投球回を達成するとともに、これでMLB在籍が10年となり、引退後の選手年金を満額受給する資格も得ている。ひたむきに腕を振り続けた男への、MLBからの感謝と労いの気持ちといえるかもしれない。
 

  

 

2014年2月、トロント・ブルージェイズのスプリングトレーニングで川崎宗則とウォームアップ

翌年以降は日本に戻り、ベイスターズに復帰。1年目に7勝を挙げたが、2年目のオフに自由契約となる。2013年と2016年のオフにはMLBのトライアウトに参加し、2度ともマイナー契約を獲得。しかしいずれもすぐにFAとなっている。’17年6月、現役引退を表明。41歳だった。
 

  

 

 
文=野中邦彦  text : Kunihiko Nonaka
photo by AFLO
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