【まとめ】マシュー・マコノヒー出演映画7本
『Safari Online』で配信してきた記事のなかからマシュー・マコノヒーの出演映画をまとめてご紹介!
『フレイルティー 妄執』
製作年/2001年 監督・出演/ビル・パクストン 脚本/ブレント・ハイレン 出演/マシュー・マコノヒー、パワーズ・ブース、マット・オリアリー
観る者の善悪の価値観をひっくり返す!
俳優ビル・パクストンの監督デビュー作。とある夜、テキサス州のFBI支局にフェントン(マシュー・マコノヒー)という男がやってくる。彼は全米を震撼させる“神の手殺人事件”の真犯人を知っているという。同事件の捜査担当者ドイル(パワーズ・ブース)は、不審を抱きながらもフェントンの告白に耳を傾ける。それは少年時代のフェントンと幼い弟アダムが、天使から「悪魔を滅ぼせ」という使命を授かったと主張する父親(パクストン)に導かれ、殺人に加担した恐ろしい過去だった……。
〈ここからネタバレ〉
フェントンの告白を映像化した過去のパートでは、父子3人が力を合わせて“人間の姿をした悪魔”を次々と抹殺していく様を描出。純真な子供の視点で描かれるその異様なストーリーからして戦慄ものだが、終盤の展開はさらにすごい。フェントンが語るオカルトじみた“神と悪魔の闘い”は本当にあった出来事で、彼こそが悪魔退治にいそしむ“神の手殺人事件”の犯人だったという驚愕の真実が明かされる。観る者の善悪の価値観をひっくり返す、斬新なミステリー・スリラーだ。
『マジック・マイク』
製作年/2012年 監督/スティーブン・ソダーバーグ 出演/チャニング・テイタム、アレックス・ペティファー、マシュー・マコノヒー、マット・ボマー
圧倒的なステージに魅了される!
『ステップ・アップ』でスターになったチャニング・テイタムが、そのダンスの才能を再び見せつけたのが『マジック・マイク』。チャニングは大学を中退後、俳優になる前にストリップ・クラブでダンサーをしていた過去があり、その経験をヒントに作られた。
オーダーメイドのインテリアショップを開業したいマイクは、資金を貯めるためにストリッパーなどいくつもの仕事を兼務。別の仕事で出会った19歳のアダムをストリッパーの仕事に誘ったり、ストリップ・クラブの共同経営の話を持ちかけられるなど、マイクのドラマチックな運命が描かれる。
今作を“ダンス映画”と呼ぶには異論があるかもしれないけれど、マイクを中心に鍛えぬかれた肉体の男たちによるステージは圧倒的。ダンスシーン自体、それほど多くはないのに、記憶にはやきつくパターン。
男性のストリップ・クラブはアメリカではひとつのカルチャーになっているので、凝った演出や衣装、女性客たちの熱狂ぶりも大いに楽しめる。そして何より、男が踊ることのカッコよさを、ここまで証明した作品も珍しい。同じく男性ストリッパーの世界を描きつつ、別の意味で共感を誘う『フル・モンティ』と観比べるのもいいかも。
『ペーパーボーイ 真夏の引力』
製作年/2012年 原作・脚本/ピーター・デクスター 製作・監督・脚本/リー・ダニエルズ 出演/ザック・エフロン、ニコール・キッドマン、マシュー・マコノヒー、ジョン・キューザック
スキャンダラスなフロリダを体感!
大学を中退し、新聞配達をしながら空虚な日々を送るジャック(ザック・エフロン)は、ある冤罪疑惑を調べる新聞記者の兄ウォード(マシュー・マコノヒー)を手伝うことに。その過程で、ジャックは無罪かもしれない死刑囚の婚約者シャーロット(ニコール・キッドマン)に一目惚れしてしまい……。
『プレシャス』のリー・ダニエルズ監督が、ベストセラー小説を映画化した衝撃のサスペンス。60年代末のフロリダを舞台にしていて、登場人物たちは終始汗ばんでいる状態。フロリダの気候が汗も噴き出るほどカラダを熱くしているのか、事件のスリルがもたらす冷や汗なのか、はたまた青年の恋の炎がそうさせているのか。スキャンダラスなフロリダを体感できる1作。
『MUDマッド』
製作年/2013年 監督・脚本/ジェフ・ニコルズ 出演/マシュー・マコノヒー、タイ・シェリダン、ジェイコブ・ロフランド、リース・ウィザースプーン
ミシシッピ川での危険な夏のひととき!
アメリカ南部のアーカンソー州に暮らす少年エリス(タイ・シェリダン)は、探検に出掛けたミシシッピ川の島で怪しげな男マッド(マシュー・マコノヒー)に出会う。彼は殺人を犯し、警察に追われる身だった。愛する女性との再会を夢見るマッドの話に魅了されたエリスは、彼の願いを叶えようと奔走することになるが……。
危険な逃亡犯と友情を深めていく少年が、ひと夏の冒険と成長の物語を織りなす青春サスペンス。冒険の場であり、マッドとの出会いの場でもあるミシシッピ川の風景が、エリスの“少年時代”を代弁する。同じくミシシッピ川を舞台にした『トム・ソーヤーの冒険』や『ハックルベリー・フィンの冒険』へのオマージュも込められた1作。
『インターステラー』
製作年/2014年 監督/クリストファー・ノーラン 出演/マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャスティン
“時空のトンネル”ってなんだ!?
クリストファー・ノーラン監督作品でも、異彩を放つSFアドベンチャー。地球での環境破壊が進み、植物も育たない食糧難で人類は危機に瀕していた。そこで移住可能な惑星を見つけるため、別の銀河系へ調査隊が送り込まれる。
その宇宙飛行士クーパーと、地球に残る彼の娘マーフの関係を軸にストーリーが展開。理論物理学者、キップ・ソーン博士の“ワームホール理論”を基に物語が作られたが、家族ドラマとしてのテイストも強い一作だ。
ワームホールといっても聞きなれない言葉だが、簡単にいえば“時空のトンネル”。くぐると瞬時に別の場所へ移動できるものの、時間も変わってしまい、ワームホールを通って惑星へ向かったクーパーたちが再び地球に戻ってくると、ものすごい時間が経過している、ということ。
つまり愛する家族は、とっくに亡くなっている可能性もある。宇宙空間と地球のズレというテーマを、異次元的なエンターテインメントとして完成。宇宙船内外や、到達する惑星など、リアリティ満点に感じられるビジュアルに圧倒されまくる!
重厚感を増した奇才の語り口を堪能!
『ジェントルメン』
製作年/2019年 監督/ガイ・リッチー 出演/マシュー・マコノヒー、チャーリー・ハナム
奇才ガイ・リッチーが、自身の原点ともいえる『ロック、ストック〜』的な群像劇へ回帰したクライム・ムービー。イギリス随一の大麻密売ルートを築いたピアソン(マシュー・マコノヒー)は、将来性のある人物にビジネスを売却したいと考えていた。そんな矢先、なぜか経営を揺るがすトラブルが続発。これはきっと誰かが裏で糸を引いてるに違いない。次から次へ登場するz曲者揃いの狂騒劇を征し、最後に笑うのは一体誰なのか!?
<ここからがネタバレ>
すべての元凶は、ピアソンがビジネスの売却先に決めていたアメリカ人企業家だった。トラブルによって買値を下げようと悪知恵を働かせる彼に対し、ピアソンは先手を打って、王者の貫禄でこの混乱を収拾。さらにゴタゴタの中で息子を失ったロシア系マフィアが復讐の手を伸ばすも、ピアソンに借りのある格闘技&ヒップホップ集団”トドラーズ”がこれを撃退して、事なきを得る---。かくも複雑な筋書きを、キャラの面白さと映像の力で活き活きと成立させる手腕は相変わらず。その上、語りの重厚感すら加わったガイ・リッチー節の成熟ぶりが光る。
『ビーチ・バム まじめに不真面目』
製作年/2019年 監督・脚本/ハーモニー・コリン 出演/マシュー・マコノヒー、スヌープ・ドッグ、アイラ・フィッシャー、ザック・エフロン、ジョナ・ヒル
自由を謳歌する姿に思わず憧れる!
この『ビーチ・バム』の主人公、ムーンドッグは、かつて天才詩人と称された男。しかし今は、フロリダ州のリゾート、キーウエストで“酒と女”の自堕落な日々を送っている。彼をはじめ、なにかと助けてくれる富豪の妻も浮気相手がいたりなど、とにかく出てくる人物が自由を謳歌しているのだ。しかしある事件から、ムーンドッグは無一文のホームレス(=バム)になってしまう。船の上に裸の美女たちをはべらせ、常に飲んだくれ。飽きたら釣りやゴルフに興じ、たまにタイプライターで詩作する。そんなパラダイスのような生活が豪快に描かれ、観ているだけでこちらも日常を忘れてしまうほど。キーウエストのキラキラした海辺や、ゴージャスな邸宅に心がときめくのは確実だ。
なにもかも一般人とは別次元のムーンドッグで、マシュー・マコノヒーの演技もやりたい放題のレベル。髭面のロングヘアーで、なぜかフェミニンなファッションも似合っていたり……。ここまでぶっ飛んでいて、しかも憎めないキャラに仕立てたマコノヒー。まさにオスカー俳優の本領発揮だ。
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photo by AFLO