Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2022.10.15


【なぜ?】ダークヒーロー映画が現代で支持されるワケとは?

 

 
【なぜ?】悪役ヒーロー映画が現代で支持される理由とは?
『ジョーカー』(2019年)

スーパーヒーローの活躍を描いた娯楽作は今やハリウッド映画の華とも言えるが、一方でヴィランを主人公にしたヒット作も増えている。『バットマン』の悪役をフィーチャーして掘り下げ、アカデミー賞候補にもなった『ジョーカー』を筆頭に、『スーサイド・スクワッド』『ヴェノム』『モービウス』などアメコミ原作の映画が続々。『スーサイド〜』は続編『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』も製作。その後スピンオフドラマ『ピースメイカー』も配信され、その世界観を広げている。ディズニーも『マレフィセント』や『クルエラ』などのクラシックアニメの悪役を主人公にした作品を送り出している。これらの作品を、現代の観客はなぜ支持するのか? 

 
 

 
【なぜ?】悪役ヒーロー映画が現代で支持される理由とは?
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021年)
 

 
【なぜ?】悪役ヒーロー映画が現代で支持される理由とは?
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021年)

大衆が抱く世の中への不信が根底にあることは言うまでもない。格差の拡大や貧困という世界的な問題は21世紀以降、延々と叫ばれているのに、なかなか改善されない。中でも日本は深刻だ。2022年、インフレが家計を直撃しているのは世界共通だが、他国と異なるのは日本の平均賃金が下がり続けていること。これにコロナ禍と円安が追い打ちをかけ、貧困層が厚みを増していく。やってられんわ……という気持ちになる人も少なくないだろう。
 

 
【なぜ?】悪役ヒーロー映画が現代で支持される理由とは?
『モービウス』(2022年)

『ジョーカー』はまさしく、そんな庶民意識を刺激した作品だった。主人公アーサーは雇われピエロの仕事をしながら、心臓を患う母とふたりで貧しい生活をおくっている。彼が耐えなければならないのは貧困だけではない。同僚、上司、エリート層から発せられるマウンティング。目下の者が目上に踏みつけられる社会の現実。この世界は生きづらい。我慢が限界に達したとき、アーサーは悪党ジョーカーになることを決意し、生きづらい世を笑い飛ばしてやろうとする。そして、それは社会に不満を抱く人々の心にも火をつけるのだ。
 

 
【なぜ?】悪役ヒーロー映画が現代で支持される理由とは?
『マレフィセント』(2014年)
 

 
【なぜ?】悪役ヒーロー映画が現代で支持される理由とは?
『クルエラ』(2021年)

『ジョーカー』で描かれた、世の生きづらさの根底にあるのは、権力を持つ者たちのモラルの崩壊だ。“大いなる力には大いなる責任が伴う”とは古くからの格言にして、『スパイダーマン』で有名になった言葉。現代における“大いなる力”が権力であるとすれば、権力者は“大いなる責任”を果たしているだろうか? モラルがなくても、法に触れなければ問題ない――権力を隠れ蓑にした、そんな“汚いヤツ”に、ヴィラン映画の主人公たちは立ち向かう。これは痛快ではないか。
 

 
【なぜ?】悪役ヒーロー映画が現代で支持される理由とは?
『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のスピンオフドラマ『ピースメイカー』で主演を務めたジョン・シナ

『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』は、服役している異能の犯罪者たちが米国政府の極秘機関によって招集され、より大きな悪に立ち向かう物語。異国の“汚いヤツ”=独裁者を打倒して任務を終えたはずの彼らだったが、ことはそれで終わらず、自国の“汚いヤツ”=政府が放置した、世界を滅ぼしかねない巨大モンスターにも立ち向かうことになる。このときに、世界を救ったのは誰か? ネタバレになるので詳細は省くが、世の“最下層”の生物であることは記しておく。”最下層をナメんなよ”という痛快さ、もしくは、最下層に愛情を注いだ者の勝利の輝きにグッとくる。

下には下がいるし、上には上がいる。あの人よりマシと思って我慢する人もいれば、這い上がりたい野心家もいる。現代人の価値観はさまざま。そんな中で、ヴィラン映画が支持を集めているのは興味深い現象だ。 

 
 

 
【なぜ?】悪役ヒーロー映画が現代で支持される理由とは?
『ブラックアダム』(12月2日公開)
 

 
【なぜ?】悪役ヒーロー映画が現代で支持される理由とは?
 『クレイヴン・ザ・ハンター』(2023年10月6日全米公開)の撮影に挑む主演のアーロン・テイラー=ジョンソン

今後も、DCコミック原作の『ブラックアダム』(12月2日公開)やソニー・ピクチャーズ製作の『クレイヴン・ザ・ハンター』(2023年10月6日全米公開)、MCU初のヴィラン映画『サンダーボルツ』(2024年7月26日全米公開)、『ジョーカー』の続編で精神病院が舞台となる『Joker: Folie à Deux (原題)』(2024年10月4日全米公開)などの大作の公開が予定されている。果たして、これらがどう受け止められるのか? ヴィラン映画がどう進化していくのか? 今後も注目していこう。 

 
 

 
文=相馬学 text:Manabu Souma
photo by AFLO
〈ベル&ロス〉の2大アイコンを比較!“BR-03”の西海岸スタイル vs “BR-05”の東海岸スタイル 自分らしいのはどっちだ!?
SPONSORED
2026.05.22

〈ベル&ロス〉の2大アイコンを比較!
“BR-03”の西海岸スタイル vs “BR-05”の東海岸スタイル 自分らしいのはどっちだ!?

旅先でも都会でもサマになる!〈アウール〉の新作で叶う大人の余裕
SPONSORED
2026.05.20

旅先でも都会でもサマになる!〈アウール〉の新作で叶う大人の余裕

TAGS:   Fashion
京都・四条通の〈クレドール〉で心に響く1本を。洗練の空間で出逢う自分だけのタイムピース。
SPONSORED
2026.05.22

京都・四条通の〈クレドール〉で心に響く1本を。
洗練の空間で出逢う自分だけのタイムピース。

四条の街並みに溶け込む“クレドールサロン 京都”は、静かな時間が流れる上質な空間。曲線を生かした設えとやわらかな光が、腕時計の美しさをいっそう引き立てる。ゆったりと自分だけの1本を選ぶひとときを楽しめる場所だ。

TAGS:   Watches Urban Safari
仕立ての美しさに裏打ちされた〈ジーフランコ〉。リラックスかつ快適な大人のための上質デニム。
SPONSORED
2026.04.30

仕立ての美しさに裏打ちされた〈ジーフランコ〉。
リラックスかつ快適な大人のための上質デニム。

日常にしなやかに馴染む、イタリア特有の色気と軽快さが魅力の〈ジーフランコ〉。職人の手仕事によって育まれたデニムは、柔らかさと端正さを併せ持つ仕立てで、身体を包み込むような快適な着心地を実現する。さらに、上質素材がもたらす奥行きある表情がさ…

TAGS:   Fashion Urban Safari
〈ファルコネーリ〉が提案する軽やかな春。カシミヤシルクに寄り添う軽やかなリラックスアウター。
SPONSORED
2026.04.30

〈ファルコネーリ〉が提案する軽やかな春。
カシミヤシルクに寄り添う軽やかなリラックスアウター。

シルクの通気性と、カシミヤの保温・保湿性を高次元で融合した、〈ファルコネーリ〉のシルクカシミヤ。ほのかに肌寒い日には、軽やかなアウターを一枚重ねることで、リラックス感はそのまま心地よい温度バランスを実現してくれる。そんなシルクカシミヤと美…

TAGS:   Fashion Urban Safari
〈ジーフォア〉で叶えるラグジュアリーなゴルフ。品格と遊び心でゴルフスタイルを刷新。
SPONSORED
2026.04.30

〈ジーフォア〉で叶えるラグジュアリーなゴルフ。
品格と遊び心でゴルフスタイルを刷新。

〈ジーフォア〉が描くのは、機能美とデザインが響き合うラグジュアリーなゴルフスタイル。あざやかな色彩と遊び心あるディテールがコースに映え、上質な素材と快適な着心地がプレイの質を高める。品格と個性を軽やかにまとい、大人の余裕を感じさせるゴルフ…

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ