ハリウッドスターとして、ここ数年、何かとメディアを賑わせているのが、ジェイソン・モモア。DCヒーロー映画『アクアマン』での主演はもちろん、ハワイ生まれ、193cmの長身でワイルド系のモデルとしても大人気。プレミアなどにピンクのスーツで現れたりして、そのセンスも注目の的だ。そんなモモアの新作が『スイートガール』だ。
ガンで苦しむ妻を見守るレイ・クーパーは、新たな薬に最後の望みをかけていた。しかしその新薬は突如、市場に出ないことが決定され、妻は死去。製薬会社のダークな思惑が絡んでいると感づいたレイは、真実を突き止めようとしたところ、逆に謎の組織に命を狙われることになってしまう。レイと、娘のレイチェルは壮絶な運命に巻き込まれていき……。
大切な家族を亡くした失意の父娘の復讐劇というストーリーなのだが、父娘ともにボクシングで鍛えているという設定で、要所に過激なバトルも用意され、アクションサスペンス映画のムードが濃厚。とくにレイの戦闘シーンは「なんでこんなに強いんだ?」とも感じるけれど、『アクアマン』でのスーパーパワーが重なって、観ているうちに説得力を帯びていくから不思議!
そしてこの映画、後半にかなりとんでもない展開へなだれ込む。映画を観慣れた人も、たぶん心の準備ができておらず、驚くのではないか。その時点でタイトルが『スイートガール』だったことを思い出すと、なかなか意味深かも。
モモアに負けないほど存在感を示すのが、レイチェル役のイザベル・モナー。現在20歳の彼女の、ピュアながら力強い演技とアクションに、将来の大器を感じずにはいられない。そしてもうひとつ、この『スイートガール』がインパクトを与えるのは、製薬会社の利益追求と政治の関係。なんだか現在のコロナへの各国の対応とも重なっているようで、意外にコワい現実を突きつけてくる!?
『スイートガール』
製作・監督/ブライアン・アンドリュー・メンドーサ 脚本/グレッグ・ハーウィッツ、フィリップ・アイズナー 出演/ジェイソン・モモア、イザベラ・メルセド 配信/ネットフリックス
2021年/アメリカ/視聴時間110分
ネットフリックスで配信中
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