先が読めない展開が快感!『パラサイト 半地下の家族』
すでに世界各国の映画祭で話題を集め、次のアカデミー賞でも作品賞の有力候補にもなっているのが、韓国映画の『パラサイト 半地下の家族』。監督は『殺人の追憶』などで知られる鬼才、ポン・ジュノ。とにかくこの映画、予想をはるかに超え、さらにとんでもない方向へ突き進む。さらに、急展開の衝撃と快感を味わえるという、奇跡体験を届けてくれる作品なのだ。
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『パラサイト 半地下の家族』
ムネアツなポイントは?
ユーモアの中にある恐ろしい狂気が衝撃!
タイトルにあるとおり、主人公は道路から半分地下に降りた狭い住宅に暮らしている4人の家族。wi-fiも入りづらく、全員失業中なので、毎日、質素な生活を余儀なくされている。そんな一家の長男が、社長令嬢の家庭教師を始めたことで、事態が急変していく。ストーリーの最初の部分しか紹介できないのは、この後は予備知識なく観て、今作の仕掛けに囚われてほしいから。“予想外の展開”“ドンデン返し”といったフレーズは多くの映画の宣伝で使われるけど、この映画にはそんなフレーズも甘く感じるほど!
半地下でたくましく生きる一家と、お手伝いさんや運転手もいる豪邸で、贅沢な日常を送る一家。その対比がストーリーを動かしつつ、登場人物のキャラクターの“濃さ”も本作の魅力。とくに半地下家族の、ちょっととボケた感じの頼りない父親、元ハンマー投げ選手の勝ち気な母親、したたかで頭がキレそうな娘、そして、のんびりしていそうで順応性が高い息子。それぞれの性格と才能が生かされ、あらゆる感情が渦巻くクライマックスへと導かれていく。観た後、とにかく誰かと面白さを語り合いたくなる怪作にして傑作だ!
『パラサイト 半地下の家族』
監督・脚本/ポン・ジュノ 出演/ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン 配給/ビターズ・エンド
2019年/韓国/上映時間132分
12月27日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか先行ロードショー(1月10日より全国ロードショー)
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