デロリアン誕生の裏に隠された秘密とは!? 『ジョン・デロリアン』
“デロリアン”。その単語を耳にすると、クルマ好き、そして映画ファンは心ときめくことだろう。なぜなら『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、主人公マーティの目の前に現れたタイムマシンが、デロリアンを改造したものだったからだ。鳥の翼のように開くドアのかっこよさに衝撃を受けて、その車名が頭にこびりついた人も多いのでは? そんなデロリアンは、開発した天才エンジニアの名前からとられたもの。その名はジョン・ザッカリー・デロリアン。彼が重要人物として登場するのが本作だ。
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『ジョン・デロリアン』
ムネアツなポイントは?
麻薬密輸の攻防戦にハラハラドキドキ!
名車ポンティアックなどを生み出してきたジョン・デロリアン。彼は自分の名をブランドにして、デロリアン“DMC-12”を開発。北アイルランドに工場を作るも、資金繰りに失敗。そのうえ、生産した8000台のうち、3000台しか売れない、という大ピンチに! そこでデロリアンは一計を案じ、わずかな資金を密輸したコカインで増やそうという、信じがたい“賭け”に出る。天才的なクルマの開発者が、実はとことん怪しい人物だった……という驚愕の事実があぶり出されていく。前半からデロリアンの、どこかうさんくさい人間像がにじみ出て、いつか大事件が起こりそうなハラハラ感が漂う。そこが本作の面白さだ。
とはいえ、この映画の実質の主人公は、デロリアンにコカイン取引の手引きをする隣人のジム。じつは彼、FBIと裏取引をして、デロリアンをハメようとしているのだ! ジムの妙に軽いキャラが、映画全体のムードも変えていく。ジムとデロリアン、FBI、麻薬ディーラーによる、騙して、騙されるドラマが展開。しかしながら、意外なポイントで試されるのが“男の友情”。思わずグッとくる瞬間も訪れる。デロリアンの“DMC-12”は、どういうわけか画面になかなか出さない演出をしているので、映った瞬間のインパクトは強烈。これって作品の中でも“貴重なクルマ”として扱われていた……ということ!?
『ジョン・デロリアン』
監督/ニック・ハム 出演/リー・ペイス、ジェイソン・サダイキス、ジュディ・グリア・マイケル・カドリッツ 配給/ツイン
2018年/アメリカ/上映時間113分
12月7日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
© Driven Film Productions 2018