フィンランドには驚きのサウナがある!?『サウナのあるところ』
いま、サウナが静かなブーム。若い層や女性にもサウナの愛好家が増え続け、一部で“サウナー”という呼び名も発生しているとか。そんなサウナを全国民が生活の一部にして楽しんでいるのが北欧フィンランドだ。日本では考えられないユニークな形のサウナに驚き、サウナの中で語られる人間模様に胸を打たれる……。これは“サウナ愛”にあふれた、フィンランドの異色ドキュメンタリー!
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『サウナのあるところ』
ムネアツなポイントは?
“サウナで語られる男たちの本音とは!?”
“一家に一台”レベルでサウナがあり、町の公衆サウナが社交場、というフィンランド。この映画では、道端に置かれた電話ボックスのようなタイプや、トレーラーハウスを改造したもの、はたまたトラクター型まで、見たことのない形態のサウナが紹介される。ほてったカラダを冷ますために湖に飛びこむのも日常風景だし、森の中を男たちが素っ裸で行き交う姿もまたしかり。かなりシュールな光景だが、なんだかノホホ〜ンとしていてうらやましく思えてくるから不思議だ。
サウナ文化の紹介も面白いが、それ以上に本作のポイントになっているのが、サウナの中で語られるそれぞれの人生だ。やはり裸の付き合いは、心も開いてしまうのだろうか? たとえば、「別れた妻が娘と会わせてくれない……」とか、フィンランドの男たちが語る悩みは、共感できるうえに男なら切実に感じる内容ばかり。ほかにも、悲しい生い立ちや、人生を楽しむ秘訣といった会話が繰り広げられる。でもコレってどこかで見たようなシチュエーション。そう、それは湯船で語り合う日本の“銭湯文化”と似ている。涙を流すほどではないが、どこかサラッとした感動が全編に漂っていて、観る者を不思議な幸福感で包んでくれる作品だ。
『サウナのあるところ』
監督・脚本/ヨーナス・バリヘル、ミカ・ホタカイネン 出演/カリ・テンフネン、ミッコ・リッサネン 配給/アップリンク+Kinologue
2010年/フィンランド/上映時間81分
9月14日(土)より、アップリンク渋谷ほか全国順次ロードショー。
©2010 Oktober Oy.