PC上で失踪した母親を探す映画『Search #サーチ2』は、クライマックスの裏ワザに唸る!
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- 今週末は、この映画に胸アツ!
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ショッピングも娯楽も、世の中、多くのことがネット上で可能になり、極論すればスマホやPCだけで生活が成立してしまう……。そんな今の時代ならではの様式を巧妙に使い、話題になった映画が2018年の『search/サーチ』。全編がパソコンの画面上で展開される大胆な設定ながら、一級のサスペンスアクション作品になっていて驚かされたが、この第2弾はさらにスゴいことに!
“パソコンの画面上のみ”といっても、そこにはネットでつながったさまざまなカメラの映像や、ニュース映像も使われるので、ストーリーの展開にまったく問題なし。それがこのシリーズの特徴だ。しかも第2弾の主人公は高校生。
前作では高校生の娘をもつ父親がパソコンと格闘したが、今回はデジタル世代が物語を進めるので、そのスピード感に圧倒される。LAの高校生ジューンが、南米コロンビアで消息を絶った母親を探すストーリー。新しい恋人と旅行に出た母は、どうやら何者かに連れ去られたらしい。イチ早く現地の協力者を見つけたジューンだが、警察も絡んで事態は急変していく。
母親や新しい恋人がアクセスしたサイトを探し、彼らのメアドやSNSのパスワードを推測。銀行の出入金記録もヒントにしたりと、パソコンとスマホを駆使したジューンの行動、その瞬発力と勢いに圧倒されまくる。とくにコロンビアの家事代行サービスを依頼し、通訳アプリにも頼った相手とのやりとりは痛快そのもの。そんなジューンの母の事件は大ニュースとなるので、パソコン画面上のみなのにスケール感満点に感じられるから不思議だ。
何気ない瞬間に、事件の重要なヒントが現れたりするので、映画を観ているわれわれは目が離せないのだが、逆に何かを観逃したとしても、それは作り手側の予想の範囲内。サスペンス感はキープされる。ノンストップで突っ走った先には、“その手もあったか!”という裏技や、思わぬエモーショナルな展開も待ち受け、パソコン上であることを忘れて最後まで興奮が止まらない!
『Search #サーチ2』
原案/セブ・オハニアン、アニーシュ・チャガンティ 監督・脚本/ウィル・メリック、ニック・ジョンソン 出演/ストーム・リード、ヨアキム・デ・アルメイダ、ケン・レオン、エイミー・ランデッカー 配給/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2023年/アメリカ/上映時間111分