『ハリー・ポッター』のスタートから20年以上を経て、『ファンタスティック・ビースト』もついに3作めに突入。長年、観続けてきた人はもちろん必見なのだが、あらゆる観客層にとって見ごたえのある仕上がりになっている!
前作のラストで、“黒い魔法使い”グリンデンバルドが世界を支配すると宣言。不穏な空気が漂うなか、魔法界では次のリーダーを決める選挙が行われようとしていた。“ファンタビ”の主人公である魔法動物学者のニュートは、恩師であるダンブルドアに呼ばれ、グリンデンバルドの暗躍を止めるための驚きの作戦に参加する。そのストーリー自体は、ある程度、シリーズファンが予想するとおりかもしれない。気になるのは新たな魔法動物だが、重要なカギを握る不思議キャラが冒頭から間もなく登場し、テンションを上げていく。そして中盤のシーンにも出てくるのは、予想を超える異様な外見だったりして、このあたりは前2作よりも衝撃度が高めかも。怖さやグロさも描かれるので、マニア心をくすぐるはずだ。
キャストで注目なのは、宿敵のグリンデンバルド役をジョニー・デップから引き継いだマッツ・ミケルセン。かなりイメージが変わりつつ、むしろ強烈な個性を抑えて、すんなり溶けこんだ印象。また今回は『ハリー・ポッター』の世界とのシンクロをあちこちで発見できるのだが、ストーリーを邪魔することなく、こちらも自然。コアなファンを満足させながら、そうでない人にも違和感を与えない。もちろん魔法バトルのアクションの壮大さ、クライマックスの舞台となる意外な場所、思わぬキャラの大活躍、そしてタイトルにもなっているダンブルドア一家の秘密などでサプライズを用意し、感動が沁みわたるラストが導かれる。現実の世界と重なる部分があったりと、全体に“大人の映画”へと進化したシリーズ3作め。観る人それぞれが、自分なりの興奮や感動を見つけられる、エンタメの王道といえる1本!
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
原作・製作・脚本/J・K・ローリング 監督/デヴィッド・イェーツ 出演/エディ・レッドメイン、ジュード・ロウ、マッツ・ミケルセン、アリソン・スドル、エズラ・ミラー 配給/ワーナー・ブラザース映画
2022年/アメリカ/上映時間143分
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