【セレブの愛車】
あのスティービー・ワンダーが自らハンドルを握ったSUVとは?
今年5月のカリフォルニア州ウエストハリウッド。そこで、かなりビックリするような光景が目撃された。なんと、ミュージック界のレジェンド、スティービー・ワンダーがクルマの運転席に乗りこみ、自らハンドルを握っていたのだ。ご存知のとおり、スティービーは全盲として知られる存在。そんな彼が運転を楽しむとは、誰だってにわかに信じがたいはず。さらに、それを可能にしたクルマとは一体⁉
ウエストハリウッドのセレブ御用達レストラン“クレイグス”で、妻のトミーカとディナーデートを楽しんだスティービー。店を出た彼らはセキュリティとともに真っ黒なSUVへと乗りこんだ。で、そのクルマが、現在スティービーの愛車である電気自動車〈テスラ〉モデルX。
愛車といっても、これまでの彼は後部座席が定位置。なにしろモデルXは、後部ドアが上へと跳ね上がる“ファルコンウィングドア”を持つ大型SUV。大きな開口部のおかげで目が不自由なスティービーでもルーフに頭をぶつける心配がなく、容易に着席が可能に。さぞかし使い勝手がいいのだろう。
ところが、この日のスティービーは運転席に座ったのだから驚くばかり。なぜ、そんなことができるのか? その理由は、クルマ好きならご存知のとおり、このモデルXが“オートパイロット”という高度運転支援システムを備えているから。
そもそも〈テスラ〉は、自動運転分野では先駆者的な存在。これまでも完全自動運転を目論み、ソフトウエアをアップデイト。機能の拡充に取り組んできた。また、将来に向けた完全自動運転対応機能を提供できる、先進のハードウエアを標準装備しているのも最新の〈テスラ〉車。新車には8台のサラウンドカメラなどを装着。360度の視界と最長250mまで先を視認するといった最先端のセンサー能力を纏っているというのだから、その進化も目覚ましい。
そんな技術の集積もあって、今では目的地を伝えればナビと連動。信号での一時停止やレーンチェンジ、速度調整も自動でやってのけ、クルマを降りるとパークシークモードに。自動で駐車スペースを見つけてクルマをとめるなんてことも可能だという。
とはいえ、運転の一部が自動化されたものの、現実的にはまだドライバーの監視が必要なレベル2。状況を把握し、すぐに運転に復帰できるように、スティービーも準備しておかないといけないはずなのだが……。
そうなると、これまで何度も囁かれてきた“実はスティービーは全盲ではない”という説が俄然気になってくる。以前、NBA界のレジェンド、シャキール・オニールが米TV番組で「彼は目が見えている」と暴露したりしたことも。また、ポール・マッカートニーと共演したライブでは、倒れそうになったマイクスタンドを咄嗟に手で支える姿が映ったYOUTUBE動画が拡散されたりなど、「もしかして?」と思える話題もチラホラ。
まあ、その真偽のほどはまさに闇の中だが、いずれにしてもスティービーが運転席に座れるクルマがあるのは素晴らしいこと。ちなみに今回のシーン以前に、実はスティービーは自動運転機能を試していたよう。そんなこともあり、同乗した妻のトミーカとセキュリティの2人も、安心して乗りこんだようだ。
とにかく、目が不自由なスティービーだって運転席でドライブ気分が楽しめるのは、現在も進化を遂げている自動運転技術のおかげ。ただ楽に移動が可能になるだけでなく、スティービーのようなハンディキャップを持った人にも、運転が楽しめる機会を提供できるのも喜ばしい。満面の笑みを浮かべているスティービーを見ると、やっぱり彼はずっとクルマの運転がしたかったのかも⁉