藤光謙司が語る 〈アウディ スポーツ〉アウディ R8 クーペ
美しきスポーツカーの「走り」と「知性」
記憶にも新しい世界陸上2017ロンドン「男子4×100mリレー」でアンカーを務め、みごと銅メダルを獲得したスプリンター、藤光謙司さん。スピードを極限まで追い求める男が、アウディ R8 クーペと走りでセッション。さらなる飛躍を目指す 短距離ランナーが見つめる先は、洗練のス…
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記憶にも新しい世界陸上2017ロンドン「男子4×100mリレー」でアンカーを務め、みごと銅メダルを獲得したスプリンター、藤光謙司さん。スピードを極限まで追い求める男が、アウディ R8 クーペと走りでセッション。さらなる飛躍を目指す 短距離ランナーが見つめる先は、洗練のスポーツカーが放つ「インテリジェンス」と驚くほど一致していた――。
――まずはアスリートの視点で、このアウディ R8全体のたたずまいはどのように映りましたか。
「一目見て、やられましたね。同じ『走りを追求する』ものとしてまさに理想形。僕が目標とするものを備えた美しいクルマだと思いました。アスリートとして心技体を突き詰めるのは当然として、僕はそこに第4の要素として『美しさ』をプラスしたいといつも考えています。ファッションやヘアスタイルにも気を配っていたいですし、身につけるものにおいてゴールドという色にこだわっているのもそう。強いうえに美しければ無敵だと思いますし、観る者を魅了するのも強さのひとつだと思うので。もっといえば削ぎ落とされた機能美ですね。走りに特化した完成形は結果として美しいもの。このアウディ R8にはそれをすごく感じます」
とりわけアウディの真骨頂ともいえるハニカムグリルを備えたフロントビューは気に入ったようだ。
「こういうワイド&ローなスポーツモデルのフロントはちょっといかつい感じが出すぎている場合もありますよね。でもこのクルマが醸す表情は、とにかくエレガント。ただ力強いだけじゃないインテリジェンスがありますね。あとは“やってくれそうなオーラ”が漂っています。短距離走でもレース前にそういうニオイを放っている選手はやっぱりいて、もれなく速い(笑)。やっぱり自分がそういう存在でありたいと思いますね。そうすれば、スタート前から精神的優位に立てますから」
――藤光さんはスタートダッシュの重要性を誰よりも熟知していらっしゃると思います。アウディ R8のスタートダッシュの印象を聞かせてください。
「パワーに依存しすぎない冷静さ、そして安定感を感じました。陸上のスタートってすごく力強いものだという印象を皆さんもたれると思うのですが、意外にも力は使わないんですよ。いかに力を使わずにスピードを出せるかが大事です。ムダな力はロスにつながります。人間が全力疾走できるのはせいぜい7~8秒と言われています。どんなスプリンターでも最後は疲れて失速しているんですよ。ですからスタートダッシュで力のロスがあるとかなりマイナスなんです。どこか余裕をもってスタートしなくてはいけない。その余裕がアウディ R8のスタートにはありますね。パワフルだけど、ちゃんと冷静さがある。僕もこういうスタートがしたいなという参考にもなりますね(笑)」
――アウディ R8はパワーだけでなく、スムーズで余裕のある美しい走りが特徴だ。日本リレーチームの流れるような快走が思い出される。
「日本人スプリンターは走るスキルはすごく高くて、技術やテクニックは世界トップクラスといってもいいと思います。リレーにおいてはスムーズさですね。世界陸上でそれが顕著に現れたと思います。日本チームのスムーズなバトンワークが実を結びました。もちろん選手個々の走りも素晴らしかったですが、バトンの受け渡し技術は強力なアドバンテージになりました。アウディ R8の走りもスムーズそのもの。シフトチェンジが流れるように進んでいく。この感覚は僕らがリレーにおいて求めていることそのものです。個の力とバトンワーク。この2つが高いレベルで結びついたからこそ、世界の舞台でのメダル獲得につながったのだと思います」
――ただがむしゃらに走るだけではいいタイムにつながらないということですね。つまり「走力」に加えて「技術」や「知性」が重要という。
「やはり走ることとはトータルバランスが大事なんです。いくら力だけあってもダメで、上半身と下半身のバランスが大事です。筋肉は重いですから、あればパワーは出ますけど、伝達する側がその力を持て余すようではすぐれた走りとはいえません。下半身そして体幹の強化、身体を使いこなすテクニックの獲得が重要です。そして、それをコントロールするのは頭脳です。同じことがアウディ R8にも当てはまります。強力なエンジンはもちろん、それを正しく走りに転換して伝えるボディ。そしてその2つを結びつけるインテリジェンス。すべてがバランスよく融合しているからこそ、ただ力強いだけじゃない、エレガントで知的な走りを実現しているのでしょう」
――リレーにおいては、コーナリングも重要な要素だと思います。アウディ R8でのコーナリングは藤光さんにとっていかがですか。
「僕らはできるだけ直線を走っている感覚で、コーナーを曲がりたいんです。そのためにはいかにカラダの軸をしっかり保つかがカギですが、アウディ R8のコーナリングはすごくスムーズ。まさに“地面に吸いつく”イメージです。ボディの中心にどっしりと据えられたミッドシップのV10エンジンはまさに“体幹”。抜群の安定感です。コーナーでブレないということはすごく大事で、その安定感は安心感をもたらします。ぐらつきなどの不安もないので、直線と同じような感覚でコーナーに入っていける。これは強いです。不安を抱くと躊躇してしまうのが人間ですから。このクルマのコーナリングではいっさいの不安とパワーロスのない曲がりを感じることができました。この感覚は短距離ランナーとしての自分の走りにも応用できそうです」
――すぐれた走りには見た目の美しさが不可欠という藤光さん。自身のファッションにも独自のこだわりがあるようだ。
「服はすごく好きです。Safariも毎月読んで参考にしています(笑)。一見シンプルだけど、どこかにちょっと個性を感じさせるような服がいいですね。白無地Tシャツにデニムみたいな王道スタイルがいちばん好きですが、白Tシャツの素材がすごく気持ちいいものであったり、シルエットにちょっとした変化が加えてあったり、そういう感じです。デニムは細身でしっかりストレッチが効いているものがいい。やっぱりアスリートなので、動きにストレスがあると気になります。クルマに乗るときもそう。スポーツカーでは繊細なアクセルワークを楽しみたいから、なおさら脚の動きを妨げないものがいいですね。Safariに載っているような大人っぽいスタイルでアウディ R8を気の向くままに走らせてみたいです」
コックピットは抜群の居住空間と機能性を誇る。4つのサテライトスイッチを備えた本革巻きステアリングから、クリアなサウンドを奏でるバング&オルフセンのオーディオまで、運転時に最高の安らぎをもたらしてくれる工夫に満ちている。アウディ バーチャルコックピットは12.3インチの高解像度ディスプレイを誇る。計器類やナビゲーションシステムなどのインターフェイスはドライバーのニーズに合わせて意のままにカスタマイズ可能だ。レーシーな走りをアシストしてくれるバケットシートはクルマとこの上ない一体感を感じさせてくれる。厳選された素材のファインナッパレザーに施されたステッチワークなど熟練の職人が織りなすクラフツマンシップは極上のホールド感を生む。
リアウィンドウ越しに鑑賞することができる5.2リッターV10エンジンは迫力満点。540PSの高性能を発揮する。直噴とポート噴射を備えたデュアルインジェクターを採用したこのエンジンは出力と効率を高い次元で両立し、扱いやすさも抜群。フルタイム4WDシステムquattroがこのパワーを効率的に4輪に伝えることにより、最高速330キロを誇りながらも街中でのクルージングにおいてはまるで高級セダンを思わせる、なめらかな走りを楽しめるはずだ。 フロントビューは独自のシングルフレームグリルにはめ込まれたハニカムグリッドと、ワイドなエアインテークが存在感十分。時速60㎞を超えると高出力ダイオードが起動するレーザーハイビーム(オプション装備)は、LEDハイビームの約2倍の照射距離を誇る。
スーパースポーツカーを地でいくアウディ R8のフォルムは、伝説のアウディ R18にインスパイアされている。フロントスポイラー、サイドブレード、リアウイング、リアディフューザーなどディテールの多くはカーボン製で、レースカーの血統を受け継いでいる
藤光謙司
1986年生まれ。陸上競技選手。専門は短距離走。ゼンリン所属。300mの日本記録保持者。8月にロンドンで開催された世界陸上4×100mリレーでは決勝で第4走者をつとめ、みごと銅メダルを獲得した。現在31歳ながら今年にはいって100mの自己新(10秒23)をマークするなどアスリートとしてさらに成長を続けており、一方でその豊富な経験を生かし日本短距離チームの精神的支柱としても存在感を放っている。端正なマスクと親しみやすい人柄でテレビ出演等も多い。
SPECIFICATIONS
〈アウディ スポーツ〉アウディ R8 クーペ
●全長×全高×全幅:4,425×1,240×1,940㎜
●車両重量:1,690kg
●エンジン種類:V型10気筒DOHC(1気筒=4バルブ)
●総排気量:5,204cc
●最高出力[ネット]:397Kw(540PS)/7,800rpm
●最大トルク[ネット]:540Nm(55.1kgm)/6,500rpm
●駆動方式 : quattro (四輪駆動)
●車両本体価格:2,456万円(消費税込み)
FASHION CREDIT
ジャケット6万9000円(メッサジェリエ/WAKO&CO)、カシミアニット3万8000円(ラッド バイ デミリー/サザビーリーグ)、デニムパンツ2万6000円(リプレイ/ファッションボックスジャパン)、サングラス3万1000円(モスコット/モスコット トウキョウ)、スニーカー7万4000円(サントーニ/リエート)、その他はスタイリスト私物
●アウディ コミュニケーションセンター
TEL: 0120-598-106
SHOP LIST
●サザビーリーグ
TEL:03-5412-1937
●ファッションボックスジャパン
TEL:03-5773-5098
●モスコット トウキョウ
TEL:03-6434-1070
●リエート
TEL:03-5413-5333
●WAKO&CO
TEL:06-6263-8188
撮影協力=船橋市運動公園/ふなばし撮ぉりゃんせ
photo:Tomoo Syoju(BOIL)styling:Takumi Tagawa(remix)
hair&make-up:Kousuke Hori(+nine) text:Eiji Fujimaki
special thanks:Funabashi Sports Park/Funabashi Tooryanse