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2023.08.05


【試乗】〈マクラーレン〉アルトゥーラが軽井沢によく似合う理由!

メディアという職業柄、これまで試乗したクルマは数知れず。そんな中で「印象に残るクルマは?」と聞かれたら、〈マクラーレン〉初の量産型ハイブリッド・スーパーカーであるアルトゥーラを挙げないわけにはいかない。もちろんこのクルマはスーパースポーツそのものだから、かっこいい見た目だけでも印象に残る理由になる。その一方、何度乗っても感心させられるのがこのクルマ。ほかでは味わえない楽しさが押し寄せてくるという部分でも、かなり心にツメ跡を残してくれる。さて、今回の試乗の舞台は長野県・軽井沢周辺。そこであらためてアルトゥーラに乗ってみると、今回も様々な発見が待っていた。

ご存知のとおり、軽井沢は緑豊かな避暑地にして多くの別荘が集まるエリア。願わくは自分もそこに別荘を構えて、「週末はもちろん長期休暇もそこでゆったりと過ごしたいな~」なんて思う人も多いかと思う。しかしまあ、よく軽井沢を試乗の地として選んだものだ。というのは、軽井沢のような閑静な別荘地を行き交うスーパーカー好きこそ、アルトゥーラが最もふさわしいのではと思えたからだ。


■100%電動モードがスーパーカー乗りにはありがたい!?

プラグインハイブリッド機構を持つアルトゥーラの魅力のひとつが、100%電動のE-モードで走れること。しかもその走行距離は最大31km。ちょっとしたお出かけならCO2排出ゼロで移動できるから、軽井沢のような緑豊かなエリアを流すのになんの罪悪感もない。それに、アルトゥーラのスタートはこのE-モードがデフォルト。つまり、発進の際にはエンジンが唸ることもなく、静かにスーッと走り出すことになる。で、これがなにを意味するかというと、ご近所にとってもやさしいってこと!

たとえば、早朝からパートナーとドライブに出かけるとか、ゴルフバッグを助手席に積んで仲間が待つゴルフ場へと出かけるなんてとき。朝靄の中、さすがに盛大なエンジン音を轟かせるのは気が咎めるものだけれど、アルトゥーラならそんな心配は無用。別荘地の(都会の住宅地でも)静寂を保ったまま周囲に配慮した行動をとれるうえ、それ以外にも静かな発進が求められるシーンでは、なにかとありがたいと感じることも多いのでは? ちなみに新しい8速ギアボックスにはリバースギアはなく、後進はE-モーターが担当。E-モーターは、わずか2時間半で80%の充電が可能となっている。


■スーパーカーのイメージを裏切る乗り心地のよさ!

アルトゥーラの走行モードは、100%モーターで走るE-モードのほか、コンフォート/スポーツ/トラックの合計4つ。これはメーターパネルの右上にあるスイッチでパパッと選択できて便利。そのほか左上には、コンフォート/スポーツ/トラックの三段階で切り替え可能なハンドリングモードも付いている。これらを様々に組み合わせてみると、お好みや状況に応じた乗り味を選べるうえに、よりいっそう走りの幅が広がるのは言うまでない。試乗ではさっそくE-モードで走り出し。まずは市街地を走るということで、コンフォートモードへとスイッチしてみた。このモードは、低速では電動で走るものの、速度アップしたい場面やより大きな力が必要な場合は自動でエンジンが始動。上手にモーターとエンジンを使い分けてくれるといったスマートな面も持ち合わせている。

それにしても、走り出しから感じるのは、「やっぱりアルトゥーラは運転しやすいなぁ」ってこと。フロントウィンドウは大きく寝ているのだが、意外にも視界良好。狭い空間に閉じ込められているような窮屈さはなく、むしろ開放的に感じてしまう。なだらかに傾斜したシンプルなダッシュボードまわりも開放感の演出に貢献しているのだろう。さらに、シートの出来がすこぶるいい。カラダのハマリがいいうえに、各部のフィット感バツグン。ゆえに、どんな速度で走っても、クルマとの一体感が感じられるのには驚いた。しかも快適にカラダをサポートしてくれるから、このあたりも運転していて楽に感じる要因のひとつだと感じた。


■速い! 曲がる! 気持ちいい!

市街地を抜けたら、いざ高速道路へ。上信越自動車道の佐久北ICから入り、松井田ICまで降りるルートが推奨ルートだが、その後は国道18号(碓氷バイパス)のワインディングが待っている。さっそくスポーツモードを選択し、走行車線に入ってグッとアクセルを踏んでみた。すると「おおおおおお!」と思わず声が出たのは一瞬の出来事。まわりの風景が線のように後ろに流れ、まるでものすごく遠くへワープするかのよう! それもそのはず、アルトゥーラの新開発パワートレーンは、〈マクラーレン〉アルティメットシリーズのSenna(セナ)やElva(エルヴァ)に匹敵する高効率ハイパワーエンジン。3.0ℓV6ツインターボにして最高出力は1ℓあたり195PSを叩き出すのだから次元が違う。さらに最高出力95PS、最大トルク225Nmのモーターアシストのおかげで、とにかく加速感が猛烈。唸りを上げるエンジンサウンドとともに、パタパタパタッとデジタル表示の速度計が一瞬で駆け上げるさまは、さすがに0-100km/h加速が3秒。めちゃくちゃ速いし、まさに“飛ぶ”という感じだ。そんな体験をすると「スーパーカーはV8以上」という、これまでの思い込みもどこへやら。むしろ3.0ℓV6ツインターボ+モーターで異次元のパフォーマンスを発揮するアルトゥーラこそ「まさに新時代のスーパーカーかも!」と思えてきた。

とはいえ、アルトゥーラの魅力が輝くのは高速走行だけではない。さらに心が躍るのは、ワインディングロードだ。とにかくハンドリングの素晴らしさに感動が止まらない。鼻先の軽さを実感させつつも行きたい方向にスパッと向きを変え、上り坂でもパワーは沸き上がるばかり。まるでドライバーが高速で進む羽の上に乗ってコーナーをすり抜けていくような感じだ。でもその一方、圧倒的なシャシー剛性を感じつつ四輪の接地感をしっかりと把握できるのだから、安定感もハンパない。う~ん、これぞアルトゥーラの醍醐味! 確かに、超軽量エンジニアリングはアルトゥーラの真髄でもあるし、乾燥重量1395kgはプライグインハイブリッド・スポーツカー史上、最軽量。それゆえに、コーナーを走り込むたびにクルマ自体が小さくなっていくように思えてくるし、おまけに運転が上手くなったようにも思えてくるのだから気分がいい。途中、トコトコ走る軽トラックに道が遮られてその感動シーンに幕が下ろされたのだが、とにかくアルトゥーラ恐るべし。機会があればサーキットに行って、是非ともトラックモードを存分に味わってみたい、そんな気にもさせてくれた。


■いつまでも眺めていたい、そのデザイン!

大興奮のスポーツドライビングを味わった後、跳ね上げ式のディヘドラル・ドアを開けて車外へ。そこであらためてアルトゥーラを見ると、「やっぱり、かっこいいなぁ」とその美しさに浸ってしまった。アルトゥーラのフォルムは、空力性能と冷却のために気流を整え、そのデザインはすべてにおいてパフォーマンスを最大化するように造形されている。そのせいか、どの面を見てもなめらかで流麗。エレガントな気品も感じられ、まさに大人のスーパーカーという印象がある。特に、駐車しているアルトゥーラに乗り込もうと徐々に近づいていくときは最高で、シャープなフロントまわり、ドアからリアホイールにかけての彫刻のような造形はたまらないものがある。また、その際には「やっぱり勇ましいリアも見ていこう」なんて気にもなり、結局グルリとアルトゥーラのまわりを1周してしまうことが何度もあった。それほどに、デザインでも心を揺らしてくれるのがアルトゥーラ。見ても走っても「ずっとこのクルマと一緒にいたい」と思わせてくれるクルマなのだ。

そして、今回の試乗で思ったことがもうひとつ。それは、このクルマはまさに軽井沢にぴったりだってこと。なんたってラグジュアリーで品のある1台だから、軽井沢の別荘地によく馴染むのはいわずもがな。街に出たときはe-モードでスマートに走ると、大人の振る舞いも叶えられるのは先述のとおり。さらに軽井沢の周辺には、高速道路や数々のワインディングロードが待っているのだから、アルトゥーラの走りを思う存分楽しむのに苦労はない。そうなるとアルトゥーラを手に入れたら、ついでに別荘も手に入れて是非軽井沢へ。「え、もう別荘がある?」。それは大変失礼しました!

McLaren ARTURA
[マクラーレン アルトゥーラ]
●全長×全幅×全高:4539×1976×1193㎜
●車両重量:1395kg
●ホイールベース:2640㎜
●エンジン:3ℓV6 ツインターボ
●エンジン最高出力:430kW(585PS)/7500rpm
●エンジン最大トルク:585Nm/2250~7000rpm
●モーター最高出力:70kW(95PS)
●モーター最大トルク:225Nm
●システム合計最高出力:500kW(680PS)
●システム合計最大トルク:720Nm
●平均燃費:21.7㎞/ℓ
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:後輪駆動
●最高速度:330km/h
●税込み価格:3070万円~

 
Information

●マクラーレン・オートモーティブ
URL:https://cars.mclaren.com/jp-ja

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