燃費以上の価値がある! 〈トヨタ〉プリウス
かのレオナルド・ディカプリオが、アカデミー賞のレッドカーペットにタキシード姿でこのクルマから颯爽と降り立ち、世界をどよめかせたのが2005年。いつだって世界をあっと驚かせてきたのが、そう、プリウス。だけど、“ハイブリッド”というモノが当たり前になってきたここ数年、その存在感はやや希薄に。しかし、やっぱりやってくれました。新型は驚異のデザインで登場! いよいよ一般発売が開始になったから、チェックしてみたい。〈トヨタ〉プリウスだ。
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まずはこのデザインをご覧いただきたい。「ぶっちゃけ今までプリウスには興味なかったけれど、新型は断然気になる!」って人も多いのでは?
〈トヨタ〉のほかのモデルだけではなく、世界中を見渡しても既視感のないデザイン。そう、新型プリウスの最大のウリは“燃費”ではなく“デザインと走り”だというから、実は大幅なコンセプト変更が行われている、ということにお気づきいただきたい。印象的なライトまわりは、複雑な造形を〈トヨタ〉の高い生産技術でカバー。最量産モデルでも“チリ”のない美しさを叶えている。
プリウスは“モノフォルムシルエット”と呼ばれる、塊感のあるプロポーションが特徴だが、実は今回、空力をひとつ、犠牲にしている。サイドから見ると、クルマのちょうど真ん中に頂点を持ってくるのが最高の空力を生むとのことだが、この頂点をやや車両後方にズラしている。なぜか? ずばり、デザインのため。「すでに燃費では十分にお客様の期待に応える数字を出せています。新型では燃費以上の価値を提供したかった」というのが開発陣の回答だ。う〜ん、攻めてる。
インテリアも未来感がある。同社の電気自動車“bz4X”で採用された集中線のようなメーターパネルは、フードのない液晶タイプだが、防眩性能に優れ、またステアリングを握っているドライバーには車線のどこを走っているのか、ガイドラインのような役目を果たす。ナビを表示するメインディスプレイも大型に。全体的に華美な感じはせず、シンプルに、より使い勝手を追求した印象だ。
シリーズパラレル方式ハイブリッドモデルのパワートレーンは2種類の展開(追ってプラグインハイブリッドも追加されるから、最終的には3種類になる)。第5世代のTHS2に、1.8ℓと2.0ℓエンジンを組み合わせる。違いはエンジンの大きさだけではなく、ボディの補強、そしてタイヤサイズに及び、前者は17インチ、後者は19インチとかなり性格が異なるのが特徴だ。なお、双方にFFと電気式四輪駆動のE-Fourが設定される。
どちらも第二世代のプラットフォーム“TNGA”が採用されているから、走り出しからのスッキリ感、旋回時のヨレのなさ、制振・静粛性など、先代モデルとは段違いの進化を誇る。なかでも上位クラスの2.0ℓモデルのE-Fourの質感は圧倒的だ。パワフル、かつスポーティで限界性能も高く、これまでのプリウスの印象を覆す楽しさ! ステアリングの軽快さや操舵の正確さも印象的で、四輪駆動がきれいに後輪をアシストしてくれてピカイチ。これで26.7km/ℓ(Zグレード、GクレードのE-Fourの場合)の燃費とは、いやはや、恐れ入ります。
★DATA 〈トヨタ〉プリウス(Zクレードハイブリッド車 E-Four)
●全長×全幅×全高:4600×1780×1430㎜
●車両重量:1420kg
●ホイールベース:2750㎜
●エンジン:2.0ℓ直列4気筒
●エンジン最高出力:112kW(152PS)/6000rpm
●エンジン最大トルク:188N・m(19.2kgf・m)/4400~5200rpm
●フロントモーター最高出力:83kW(113PS)
●フロントモーター最大トルク:206N・m(21.0kgf・m)
●リアモーター最高出力:30kW(41PS)
●リアモーター最大トルク:84N・m(8.6kgf・m)
●システム最高出力:146kW(199PS)
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:392万円
●トヨタ自動車 お客様相談センター
TEL:0800-700-7700
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