〈オメガ〉コンステレーション“OMEGA CONSTELLATION”
〈オメガ〉によるエレガントスポーツを体現するコンステレーションのメンズラインがフルリニューアル。 そのルーツはメゾンが誇る高性能自動巻き搭載機にあり、 歴代モデルが精度を追求し、独自のスタイルを進化させてきた。
❶ローマ数字を刻むベゼル
ベゼルを幅広にして力強く仕立てるのは、スポーツウォッチの 定石。〈オメガ〉はそこにローマ数字を刻み、コンステレーション にエレガントな印象も併せ持たせた。巧妙なディテール操作だ。
❷ベゼル両サイドの4本爪
ローマ数字を刻んだ幅広ベゼルの両サイドに2本ずつ設置した 計4本の〝爪〞は、コレクションを象徴するデザインコード。 精悍な印象を増すと同時に、よりアイコニックな外観になった。
❸ハーフムーンデザイン
ブレスレットやストラップと融和するケース一体型のラグを、横 方向にカーブさせて造作。その各終端をファセットカットすると、 半月状の面が現れる。これを名付けて、ハーフムーンデザイン。
コレクション名は、星座との意。コンステレーションは1952年、クロノメーターを取得した高精度な自動巻きキャリバー351を搭載し、誕生した。
1952年:初代モデル登場!
12面体のパイーパンダイヤルに、クロノメーターを取得したCal. 351 を搭載した高精度モデルとして誕生。自動巻き機構は、振り子のよ うに動くハーフローター式だった。パイーパンダイヤルを受け継ぐ グローブマスターとの名は、コンステレーションが誕生当時にすで に商標登録されていて使えなかったアメリカ市場向けのモデル名
その外観を特徴づけていたのは、アワーインデックス間を外側に向かってファセットカットした12面体のダイヤル。その形状がパイを焼く皿に似ていることから、パイーパンダイヤルとの愛称で親しまれた。このダイヤルは、2015 年に復活した"コンステレーション グローブマスター"が受け継いでいる。高精度な高級機に位置づけられていたコンステレーションは、1957年に自動巻き機構を進化させたキャリバー501を、いち早く搭載。
その後デザインも、角型ケースなど多くのバリエーションが展開され た。なかでも1964年に発表されたコンステレーション"C"は、今も名作と名高い。1970年にはクォーツモデルも登場し、息の長いコレクションとなったコンステレーションに最大の変化が訪れたのが、1982年。
1982年:“マンハッタン”登場
現行モデルのスタイルの原型が、このモデルで誕生。 幅広のベゼルにはバーインデックスが配され、ダイヤルのインデックスがローマ数字だった。外観を特徴づけるベゼル左右に設置した計4本の爪は、ダイヤルを覆うサファイアクリスタルとガスケット(防水用パッキン)とをケースに固定する役割を担っていた。クォーツを搭載
この年誕生したコンステレーション"マンハッタン"は、左右に計4つの爪が備わる幅広のベゼルやハーフムーンデザインといった、現行モデルが受け継ぐス ポーツエレガンスなデザインへと大胆に変貌したのだ。ケースと完全に一体化するブレスレットも、大きな特徴の1つ。
以降、ブレスレットウォッチと認識されるようになる。1995年にモデルチェンジで、ダイヤルにあったローマ数字を現行と同じベゼルへと移動。
1995年:リニューアル!
ダイヤルとベゼルの各インデックスが入れ替えられ、現行モデルと同じスタイルに。ベゼルはフラットから丸みを帯びた形状へと仕立て直され、エレガントさを増した。ベゼル形状に合わせ、サファイアクリスタルもドーム状に設えられている。技術の進化で防水のた めのベゼルの爪は不要となったが、特徴的な装飾として残された
そして 2003年に誕生したコンステレーショ ン ダブル・イーグルによって、4本爪 は今と同じ平らで幅広いデザインとなっ た。その6年後に発表された第4世代で は、インデックスにもハーフムーンデザ インを取りこむなど、エレガントさを増 す。そして今年、さらにディテールを洗 練させた第5世代へと進化を果たした。
前述のように高精度な高級機として誕生したコンステレーションは、 1982年の“マンハッタン”でスポーツエレガントへ生まれ変わった。しかしそこに至るまでにも、いくつものエピソードに彩られていて、 ゆえに70年近く続くロングセラーなコレクションとなったのだ。 なかでもコンステレーションの魅力を語るうえで欠かせない3つのキーワードにスポットを当て、名作の歴史を深掘りした。
星座とのモデル名をが与えられたコンステレーションのダイヤル6時位置には、初代から最新の現行モデルに至るまで、必ず1つの星が配されてきた。 そして自社製ムーブメント搭載に伴いシースルーバックになった第4世代になるまでは、裏蓋には8つの星と天文台とを組み合わせたレリーフが備わっていた。 これが、高精度な高級機として生まれた証だ。1952年の初代誕生時までに、 オメガは2つの天文台で行われた精度コンクールで、2度の世界記録を樹立し、 6度の優勝を果たしていた。これら計8つの栄誉を8個の星と天文台とで表現したのだ。
そしてクロノメーターを取得し た高精度なムーブメントを搭載したモデルに星座を意味する名を与えたのである。
8つの星!
天文台での精度コントロールでの栄誉を表す 裏蓋のレリーフ。まず1933年、イギリスの キュー・テディントン天文台での精度コンクー ルで世界記録を達成。1936年には、同天文台の精度コンクールの全部門で再び世界記録を更新した。さらに1945年にジュネーブ天文台の精度コンクールに腕時計サイズのムーブメント部門が新設されると、1952年までの8年間で6度の優勝に輝いた。この2度の世界記録と6度の優勝を表して8つの星が刻まれている
コンステレーションに先駆け、〈オメガ〉はブランド創設100周年に当たる1948年に、最初の自動巻きクロノメーター搭載モデル“センテナリー”を発表した。これが、コンステレーションの前身
またコンステレーションは、パイーパンダイヤルのように歴代モデルが高級機にふさわしいアイコニックな外観が与えられてきた。そしてその中には、数々の名デザインを多くのブランドに提供してきたジェラルド・ジェンタが手掛けたモデルもある。1964年に発表された通称Cラインだ。ケースサイドとラグとをなめらかなカーブで一体化させた優美なフォルムは、ジェンタ初期の傑作として時計ファンの間で今も人気が高い。この卵型のフォルムは、後にシーマスターにも用いられ、〈オメガ〉を象徴するスタイルの1つにもなっている。
ジェラルド・ジェンタ
上の写真にあるように、1962年にジェラルド・ジェンタが手掛けたコンステレーション〝C〞は、ケースとラグとが一体化した卵型のシェイプが当時では極めて斬新で、大ヒットとなった。ダイヤル上下の広い面を外側に向かって傾斜させる手法は、“マンハッタン”以降のコンステレーションの手本に。またブレスレットやストラップとケースとがなめらかに調和するスタイルも、このCラインにはじまった。ジェンタ最初期の傑作であり、他社も含むその後のケースデザインに多大な影響を与えた
Gérald Genta
1931年生まれ。15歳からジュエラーとして修業を積み、23歳でデザイナーに転身。1961年に自身のスタジオを設立し、数々の傑作時計のデザインを手掛けてきた。2011年、逝去
そんな高精度で美しいコンステレーションは、多くの著名人に愛されてきた。 ビートルズのドラマーであり、今も現役のミュージシャンであるリンゴ・スターもその一人。彼は、ジェンタが手掛けたCラインの1世代前にあたる1961年製のコンステレーションを愛用していたことが、ビートルズファンに広く知られている。その翌年に、ビートルズに加入。 コンステレーションは、リンゴ・スターのラッキーウォッチだったのだ。
リンゴ・スター
ビートルズの結成は1960年だが、リンゴ・スターが加入したのは1962年。 それ以前からリンゴ・スターはプロのドラマーとして活躍していて、1961年 に高級時計コンステレーションを買えるほど、安定した収入を得ていた。右の写真にあるのが、自動巻き機構がフルローター式に進化し、デイト表示も追加されたCal. 561を搭載した実際の愛機。これをつけてステージに立つ映像も残っていて、裏蓋には彼の名と1961の数字が彫りこまれている。ほかに も、〈オメガ〉 初のデジタルLED時計タイムコンピューターも愛用した
その実力を知る!
リニューアルされたコンステレーション“マンハッタン”の、 第5世代は36mm、39mm、41mmの3サイズを展開。 特に最新の41mmモデルは、ベゼルがセラミックとなり、よりモダンな顔に一新。
どれもローマ数字を刻むベゼルと4本の爪は、 よりスリムでなめらかになって気品を高め、 ムーブメントも公的機関による厳格なテストで強磁場下でも高精度を保つことが認められたマスター クロノメーター取得へと進化した。
マスター クロノメーター
ブルーと赤系ゴールド
退色しづらい独自の赤系ゴールドとブルーの組み合わせが豪華。9月発売予定。ケース径 41mm、自動巻き、SS+18 Kセドナゴールドケース、アリゲーター+ラバーストラップ。 219万円(オメガ/オメガお客様センター)
マスター クロノメーター
色つきベゼルはどれもセラミック製。レーザー加工で彫ったローマ数字がエレガンスを加速。9月発売予定。ケース径41mm、自動巻き、SS ケース、アリゲーター+ラバーストラップ。70万円(オメガ/オメガお客様センター)
マスター クロノメーター
41mm唯一のオールSSモデル。ダイヤルにはシルクパターンを浮かべた。全モデルインデックスもスリムに。9月発売予定。ケース径41mm、自動巻き、SS ケース、ラバー ストラップ。63万円(オメガ/オメガお客様センター)
マスター クロノメーター
ブラック×YG
黒金モデルも、YGだとグッとシックな印象に。 ダイヤルはサンレイでニュアンスをつけた。9月発売予定。ケース径41mm、自動巻き、SS+18 KYGケース、アリゲーター+ラバーストラップ。219万円(オメガ/オメガお客様センター)
●オメガお客様センター
TEL:03-5952-4400