2026.09.20 NEW
重要文化財の旧監獄で夜に浸るロマン! 一味違うラグジュアリーを楽しめる〈星のや奈良監獄〉【Safari Travel】
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「重要文化財の旧監獄に泊まれるなんて!」〈星のや奈良監獄〉開業のニュースを聞いた時、ワクワクする気持ちが抑えられなかった。
100年以上前に建てられた赤レンガ造りの旧監獄はロマンにあふれ、宿泊者だけが入ることを許された『表門』からはじまる滞在は特別感満載。大人の探究心をくすぐる、唯一無二のヘリテージホテルを紹介しよう。
表門を通れるのは、宿泊者だけ。美しい旧監獄で過ごす特別なホテルステイ

〈星のや奈良監獄〉を囲う、重厚な赤レンガの壁
奈良監獄の歴史のはじまりは1908年。明治期に建てられた『明治五大監獄』のひとつで、唯一、今でも全貌が残されている建物だ。
奈良監獄は戦後『奈良少年刑務所』となり、2017年まで受刑者を収容していた。しかし老朽化により閉庁。その美しさや歴史的価値の高さから、同年、重要文化財に指定された。その後2026年4月に奈良監獄ミュージアム、6月ラグジュアリーホテルへと生まれ変わった。

photo by AFLO
アメリカ・ボストンの『ザ・リバティ・ホテル』
ちなみに刑事施設を活用したホテルは日本ではなじみがないかもしれないが、世界的にみるとすでに人気を集めている。刑務所を前身としたラグジュアリーホテルの例を挙げると、アメリカ・ボストンの『ザ・リバティ・ホテル』、トルコ・イスタンブールの『フォーシーズンズ ホテル イスタンブール アット スルタンアフメット』、オーストラリアの『ザ・インターリュード』 など。独自の歴史を持つホテルは、ハイエンドなゲストに向けて、そこでしかできないような特別感のある体験を提供している。
『ザ・リバティ・ホテル』
URL:https://libertyhotel.com/

表門をくぐる、プレミアムな体験
〈星のや奈良監獄〉の特別なホテルステイは、美しい表門からスタートする。この表門を通れるのは、宿泊者だけ。到着すると重厚感のある鉄の門が開かれ、レンガの壁で閉ざされた旧監獄のホテルの内側へと入ることができる。

ほれぼれするほど美しい、花崗岩×レンガのストライプ柄のアーチ
でもよく考えると、「監獄に、美しさは必要だったのか?」と疑問も浮かんでくる。美しいデザインの理由は、当時不平等条約を結んでいた諸外国に日本の近代化をアピールするため。江戸時代から続いていた劣悪な環境の牢屋ではなく、美しい西洋様式の監獄を取り入れることで受刑者への人権を配慮し、近代法治国家としての体制整備を諸外国に示して不平等条約の改正に努めたのだ。

photo:Miyu Kohama
全五寮を一望できる『中央看守所』
旧奈良監獄の敷地内には〈星のや奈良監獄〉と、2026年4月に誕生した〈奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート〉の2つの施設があるが、その多くは宿泊者限定のエリア。中央看守所に立ち、放射状に舎房がのびる『ハヴィランド・システム』全体をいつでも自由に見ることができるのも、宿泊者の特権だ。中央看守所からは全五寮すべての様子を一望でき、看守になった気分で当時に想いを馳せることができる(奈良監獄ミュージアムでは限定ツアー参加者のみ入場可能)。

photo:Miyu Kohama
夜の『第三寮』に入れるのは、宿泊者だけ
全五寮のうち、『第一寮』、『第二寮』、『第四寮』、『第五寮』が〈星のや奈良監獄〉の客室。『第三寮』は9:00〜17:00まで〈奈良監獄ミュージアム〉の入館者も訪れることができるが、夜と朝に〈星のや奈良監獄〉宿泊者だけの特別解放の時間がある。
限られた人しかいないため、より静かで、足を踏み入れた人にしかわからない厳かな空気感が漂う。各舎房ののぞき窓の先には奈良少年刑務所の面影が残っており、約3畳の空間で暮らしていた1人の受刑者のストーリーを想像させる。そんな体験ができるラグジュアリーホテルは、日本にここしかない。
100年以上前の赤レンガに包まれて。重要文化財に泊まる贅沢

舎房を活かした、独特の面白いレイアウト
重厚な歴史を体感しながらも、ラグジュアリーな時を過ごせるギャップが〈星のや奈良監獄〉のユニークな特徴。各舎房を繋いだ客室はすべてがスイートルームで、寝室・リビング・ダイニングなどスペースが分けられた横長の空間となっている。

100年以上前に、囚人たちが作ったレンガに触れられる
実際に宿泊し、その美しさに見惚れてしまったのがレンガの壁。修復されながらも、100年以上前に積み上げられたレンガの壁が、今、目の前で見られることにロマンを感じる。このレンガは技術者の指導のもと受刑者自らが作り、奈良監獄の建築に関わった受刑者の延べ人数は15万人を超えていたそう(1906年時点)。彼らが作った美しいレンガに包まれ、鉄格子の付けられた窓から空を見上げるーー。これも宿泊者しかできない、特別な体験だ。
礼拝堂のような美しいメインラウンジで、日本酒〈春鹿〉に舌鼓

24時間、いつでもゆったりとくつろげる『メインラウンジ』
客室に加えて、空間美を堪能できる場所が『メインラウンジ』。講堂として使われていた場所の天井を取り払い、立派な梁を活かした礼拝堂のようなつくりとなっている。ラグジュアリーインテリアブランド〈ロッシュ ボボア〉のソファも座り心地がよく、つい長居したくなってしまう。
photo:Miyu Kohama
〈今西清兵衛商店〉の日本酒〈春鹿〉と、奈良のお菓子
ここでは24時間好きな時にコーヒー・ティー・お菓子を楽しめるほか、時間ごとにさまざまなふるまいが実施される。ウェルカムドリンクとして置かれていたのは、奈良を代表する日本酒〈春鹿〉。奈良のお菓子をつまみながら奈良の日本酒を味わうのも、その土地の文化をラグジュアリーに表現する〈星のや〉らしい旅の醍醐味だ。
まるで秘密の入り口。宿泊者専用ルートでミュージアムへ

photo:Miyu Kohama
特別な通路を通り、ミュージアムへ
〈星のや奈良監獄〉の宿泊者は、〈奈良監獄ミュージアム〉の入館料が無料。宿泊者専用の入り口から、ミュージアムのルートに合流できる。一度地下に降りるため、まるで秘密の入り口のようだ。

奈良監獄の成り立ちを知れるA棟『歴史と建築』
〈奈良監獄ミュージアム〉はA棟『歴史と建築』、B棟『規律とくらし』、C棟『監獄とアート』の3つの展示エリアと、ミュージアムカフェ&ショップというレイアウト。A棟『歴史と建築』では奈良監獄の歩みを日本の行刑制度とともに、資料や模型から学ぶことができる。

アートディレクター・佐藤卓のデザインも楽しめるB棟『規律とくらし』
B棟『規律とくらし』では、今の刑務所で受刑者がどのような日々を過ごしているのか、厳格なルールをモダンなデザインとともに展示している。『入浴は1週間に3回』、『なんともないのに苦痛があると偽ったり、わざと大袈裟に訴えたりしない』など、壁の中のリアルを想像できる。

C棟『監獄とアート』の作品、西尾美也『声を縫う』
C棟『監獄とアート』では、5組のアーティスト作品と受刑者による刑務所アートを展示。奈良県出身のアーティスト・西尾美也による『声を縫う』は、「泣きじゃくり」「何度謝っても」など、受刑者が紡いだ詩が200人超の市民の手で刺繍されている。
展示を最後まで終えると、自由でいることの豊かさを改めて実感した。一方で、社会や会社のルールに縛られる毎日は、本当に自由なのだろうかーー。自由とは何か、思考を巡らせることも、ここに訪れたからこそできる特別な体験だった。
重要文化財の旧監獄で夜を過ごすという、ほかではできないような滞在ができる〈星のや奈良監獄〉。その歴史を知り尽くしたスタッフと話す時間も楽しく、知的好奇心がくすぐられる。感性を刺激するラグジュアリーホテルで、いつもとは一味も二味も違う旅を体験してみては。
Information
⚫︎星のや奈良監獄
住所:奈良県奈良市般若寺町18
URL:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyanarakangoku/
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取材・文/小浜みゆ text:Miyu Kohama































































