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2019.11.13


異素材のバランスが鍵! 武骨だけどホテルライクな家

理想の住まいを実現した「自分の城」を紹介するこの連載。今回フィーチャーするのは、閑静な住宅街に立つ、一軒家をフルリノベーションした鉄筋コンクリート住宅。無機質な空間にヴィンテージやミッドセンチュリーデザインでこなれ感を加えたテクは必見! 自宅にも是非取り入れてみては!?

今月の部屋 S邸/4LDK/140㎡

南向きの壁は、当初窓があったが、思い切って塞ぎ、棚を設置してディスプレイ収納にした。大小様々なフォルムを組み合わせた〈トム・ディクソン〉のランプシェードがダイニングキッチンの方向性を決定づけている

一見、新築と見紛うが、1年半前に骨組み以外はすべてリノベーションした築35年の一戸建て。建材の劣化の心配や柱が少ないから広く空間を使えることが、鉄筋コンクリートの利点だ。休日に友人をたくさん呼べる家を理想としていたので、広々としたリビングダイニングを叶えるためにも、建て替えるよりも躯体を生かすことを選んだ。コンクリート壁の武骨さを払拭するように、木の質感や深みのある色を多く空間に取り入れているので、自ずと落ち着く。地上3階、地下1階建てのS邸は傾斜地の住宅街に立つため、屋上からの見晴らしは抜群。都心方面の夜景や、夏には少し遠いけれど花火が楽しめ、3階のバルコニーでは定期的に友人たちとBBQパーティを開催して、より濃厚に休日を楽しむ。

「仕事が忙しく、家で過ごす時間が貴重だからこそ、住み心地を追求しました。イメージがしっかりあったので、それを叶えてくれる設計士探しが重要でした。冬は1階が寒いけど、カーペットや床暖房が役立ってます。地下室はトレーニングマシンやプロジェクター、ゲームなどを置いた遊び部屋。夏は涼しく冬は暖かい地下室が、実は一番快適かも」


01 ネイビーカラーのソファがアクセントに!

リビング側の床のレベルを一段下げたことでメリハリがつき、だだっ広い空間の居心地のよさをアップ。ネイビーカラーのソファは造作。設計の段階でソファの場所を決めていたので、職人に作ってもらった


02 コンクリートベースでもぬくもりを感じる色を!

基本となるコンクリートのグレーに板張りの壁がアクセントウォールとして効果を発揮。階段はソファと合わせてネイビーのカーペット張りに 


03 豆を挽くことから楽しむコーヒーセットの定位置

リビングとダイニングの間のコーヒーコーナーには、マグカップも収納がてら一緒にセッティング。アウトドア用、民芸品などその日の気分でカップをチョイスしてコーヒーを楽しんでいる


04 壁一面に設置した棚 図書室感覚の3階

パイプを使った武骨な雰囲気の本棚も造り付け


05 休日に大活躍のゲストルームのベッド

夏は風通しがいいので涼しく、冬は日当たり抜群の3階。造り付けのベッドは読書や昼寝に最適


06 バスルームを彩るオリジナルのタイル

バスルームの壁のタイルは、凹凸の溝が異なるデザインのオーダーメイド


INTERIOR POINT

ニュージャージーで購入したハンモックチェア

リビングのヴィンテージライクな雰囲気を後押ししている年代物のハンモックチェア。親の仕事の関係で10代の頃暮らしていたアメリカ・ニュージャージーで購入した古いものだが、「部屋の雰囲気と合いそう」と実家から持ってきたそう。座るとハンモックになっている座面がカラダにフィットするだけでなく、ゆりかごのように柔軟に動くクロスした脚がロッキングチェアのように揺れて心地よい。この椅子で読書や映画を観ながらまどろむ時間は癒しのひととき

 
Information

ハウストラッド
TEL:03-6412-7406
URL:www.housetrad.com

雑誌『Safari』12月号 P296・297掲載

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写真=松村隆史 文=西村依莉 photo : Takafumi Matsumura text : Eri Nishimura
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