バックプリントコート8万4700円、手に持ったキャップ 2万8600円(以上エンポリオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
高く舞う"イーグル"をアイコンに、都会的でアクティブなスタイルを提供し続けてきた 〈エンポリオ アルマーニ〉が、ブランド設立40周年を迎えた。本誌があと2年で20周年だから、遠く及ばぬ大先輩。敬意をこめて、その魅力を改めて振り返ろう。
ブランドを物語るトピックを再確認!
〈ジョルジオ アルマーニ〉から派生し、1981年にデビューした〈エンポリオ アルマーニ〉。 巷によくある"セカンドライン"の域を超え、独自の魅力を持つ世界観を構築してきた。 ここではそんなブランドの魅力を語るうえで欠かせない、セレブ、イーグルロゴ、デニム というつのキーワードで解説。長きにわたり愛される理由を紐解こう。
多くの有名人がリスペクト!
すでに大きな成功を収めた男女にふさわしいのが〈ジョルジオ ア ルマーニ〉の服だとしたら、よりアクティブで野心的な人物像を思い浮かべるのが〈エンポリオ アルマーニ〉。だから、ベテランだけでなく若手ハリウッド俳優やアーティストにとっても、自分らしさを表現できるブランドであり続けてきた。 世界的に有名なDJである、カルヴィ ン・ハリスが〈エンポリオ アルマーニ〉 を着て、本誌の表紙を飾ったが、彼のよ うに若くして成功したセレブにこそ似合うのは納得。また同時に、 20代の若手セレブを起用した大胆な広告戦略も〈エンポリオ アルマーニ〉らしい。
もともとデザイナーのアルマーニは、エンタメ業界とも縁の深い人物。映画『アメリカン・ジゴロ』(1980)以来、衣装を提供した作品は数知れず。同作品に主演したリチャード・ギアは、「アルマーニが映画俳優を目指す多くの若者たちに影響を与えた」と語っている。そんなわけで、映画界や音楽界で彼をリスペクトする人は非常に多いのだ。〈エンポリオ ア ルマーニ〉のショーに集まった顔ぶれを見ても、若手からベテランまで幅広い。
自由な精神を多くの人に届けるブランドの使者 !
ブランド名である"エンポリオ"とはイタリア語で大きな百貨店や市場を指す言葉。誰もが気軽に入れて、なにかに出合える場所をイメージして命名された。’81年にスタートした当初は、自立した若者を後押しするブランドという位置づけ。だが、今では年齢を問わず愛されるブランドへと進化した。ブランドの核は変わらずとも、この40年間で社会は大きく変化した。その変化に流されることなく、 むしろ力にしてきたのがすごいところだ。そんな〈エンポリオ アルマーニ〉のコンセプトにふさわしいロゴとして、選ばれたのがイーグル(鷲)。国境や人種の壁を越えて高く舞い上がり、どこまでも続く地平を自由に行き来する。それでいて、人間の目に入る範囲を堂々とした姿で飛んでいる。
つまりイーグルロゴはブランドの自由な精神を象徴すると同時に、そのアイテムがより多くの人の目にとまり、手元に届くようにという願いを込めた存在なのだ。そんなアルマーニの想いを託されたイーグルロゴは、ブランド誕生から40年が経った現在も、全く色褪せることなく輝きを放ち続けている。また、 このロゴの誕生にはユニークなエピソードがある。そもそもは彼が電話中に走り描きした単純なイラストだったのだ。そ れなのに非常に力強くて印象的。シンプルだからこそ、人の心に残るデザインなのかもしれない。そんなイーグルロゴは最新コレクションにおいても、〈エンポリオ アルマーニ〉のDNAを表現するアイコンとして存在感を発揮している。
大きめイーグルロゴがスタイリッシュな新作!ベーシックなアイテムや小物などにも イーグルは登場。ホワイトの色使いが力強く、シンプルながら主張してくれる。 スウェットシャツ2万8600円、キャップ 1万3200円(以上エンポリオ アルマーニ /ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
実はブランドを語るうえで大切なアイテム!
若々しく自由なマインドが〈エンポ リオ アルマーニ〉らしさ。その中心となってきたのがデニムだ。実際に 〈エンポリオ アルマーニ〉ではデニムの人気が高く、コレクションにも多く登場。 また、毎シーズン新作も豊富に揃う。そんな中でも定番として不動の地位を築いているのが、"J06"と呼ばれるモデルだ。"J06"はラインが美しく穿きやすい細身タイプ。計算されつくした絶妙なパターンで、誰にでも、どんな着こなしにも似合うのが持ち味だ。様々な色と素材で登場していることもあり、大人買いする人も多いのだとか。デニムといえば、2018年まで〈アルマーニ ジーンズ 〉というブランドも展開していた。現在は〈エンポリオ アルマーニ〉に統合されているが、スタートは同時期だから、こちらも40年めということに。つまりはそれだけ長い間、デニムと向き合ってきたブランドなのだ。
ローライズ & テイパードレッグという〝J06〞 の特徴を思う存分楽しめる、スタンダードなブルーデニム。リアルな色落ちやアタリの雰囲気も絶妙で使いやす い。4万1800円(エンポリオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
上品にもカジュアルにも似合う!
右:ブルゾン14万3000円、パーカ6万2700円、ニット6 万2700円、スニーカー3万3000円 左:ジャケット13万 2000円、スウェットシャツ 4万1800円、ストール3万6300円、財布3万7400円、スニーカー3万1900円(以上エンポリオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
"J06"が人気の理由①:伸びやかで快適な穿き心地
基本的に10.5〜11oz.のストレッチデニムを使用している“J06”。軽い穿き心地で動きやすいのが、圧倒的な人気の大きな理由だろう。なにしろ“アルマーニグループ”は、 2 素材開発に非常に熱心なことで有名。適材適所の素材使いはお手のものなのだろう。
"J06"が人気の理由②:大人に穿ける細めの裾幅
“J06”の裾幅は17.5cm。イタリアンデニムらしい細身のシルエットが特徴で、レッグラインが美しく見えると評判だ。そのうえ腿まわりに余裕があるから穿きこなしやすく、デートから普段のカジュアルまで幅広い着こなしに合うデザインになっている。
"J06"が人気の理由③:豊富なバリエーション
ローライズ & テイパー ドレッグという“J06”の特徴を思う存分楽しめる、スタンダードな ブルーデニム。リアルな色落ちやアタリの雰囲気も絶妙で使いやす い。〝フリースデニム”(写真の黒)など、多彩な素材があるのも特徴。 どの色も都会的!
右、中:各3万4100円、左:3万6300円(以上エンポリオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
その歴史と同じくらいデニムとの関わりが長い!
©Courtesy of Giorgio Armani
こちらのランウェイの写真は、1988〜’90年に、はじめてデニムをテーマにして行った〈エンポリオ アルマーニ〉 のショー。
©Aldo Fallai
虎の子を抱えた写真は、〈アルマーニ ジーンズ〉の1981 年春夏の広告。
チェックするべき最新ニュース!
いろいろなことが起きた激動の時代を超えて、めでたく40周年を迎えた 〈エンポリオ アルマーニ〉。これからは 周年、100周年という未来へ向けて、また新しい挑戦がはじまることになる。というわけで、そんな同ブランドの現在地を知るために、重要なヒントになりそうな1つのニュースをピックアップ。ファッション界を牽引してきた雄に、これからも期待大!
最新ニュース①
ミラノでリアルショー&回顧展
©Courtesy of Giorgio Armani
去る9月、ミラノの会場で〈エンポリオアルマーニ〉の ニュース 2022年春夏コレクションが華々しく開催された。メンズとウィメンズの合同となり、ランウェイは まさに百花繚乱。最後にアルマーニ本人も登場し、健在ぶりを示してくれた。また同時に、これまでの40年を振り返る回顧展も開催し、話題を集めた。
空想上の砂漠からはじまる旅をイメージしたという今コレ クション。男女とも、お得意 の美しい色使いと軽やかなムードが印象的だった。荘厳なムードの回顧展とともに、40周年を祝福した ©Courtesy of Giorgio Armani
最新ニュース②
新しいサスティナコレクション
今後のファッション界に欠かせないのが、サスティナビリティへの真摯な取り組み。〈エンポリオ アルマーニ〉でも、2020年の秋冬から〝サスティナブル コレクション〞をスタート。 革新的な素材でハイレベルなサスティナビリティを目指し、グループ全体で取り組んでいく姿勢を見せている。
木々のブラウンやグリーンの深いトーンでまとめられた最新アイ テムがコチラ。当然ながら再生ナイロンやリサイクルコットンなど、サスティナブルな素材を使用している。森林をイメージした という今回のモチーフは、サスティナブルかどうかに関係なく、 コーデを新鮮にしてくれそう。ニット5万1700円、バケットハット 5万5000円、グローブ〈参考色〉3万6300円、ブーツ9万9000円(以上エンポリオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)
最新ニュース③
伝説の雑誌が久々お目見え!
業界内でもファンが多かった同誌。今回は“THE WAY WE ARE”をテーマに、6名のフォトグラファーがそれぞれ新作ルックを撮り下ろした。 日本では〈代官山 蔦屋書店〉で発売予定とのことなので、引き続き情報をチェック!
迫力ある大判サイズに、クオリティの高いファッションフォトを掲載した『エンポリオ アルマーニ マガジン』をご存知だろうか。 1988年からシーズンごとに18号まで 発刊されたが、その後は休刊。そんな“伝説の雑誌”が、ブランド40周年を記念して限定復刊した。監修は発刊当時と変わらずアルマーニご本人。これは必見です!
©Aldo Fallai
©Nico Bustos
●ジョルジオ アルマーニ ジャパン
TEL:03-6274-7070
photo : Hiroki Nakayama(IL NIDO. STUDIO) styling : Takumi Tagawa(remix) hair&make-up : Megumi Matsumoto text : Kunihiko Nonaka(OUTSIDERS Inc.)