アメカジ好きは押さえておくべき、復活“スタジャン”の昔と今!
オーバー40世代からすれば、古きよきアメカジといったところか。昨今、1990年代リバイバルを受けて、’80年代~’90年代のアメカジが人気を集めているのはご存知のはず。いや、ともすれば渋カジといったほうが正しいかもしれないが、ともかく当時におけるアメリカンなアイテムに注目が集まっているのだ。そのひとつが“スタジャン”。これぞアメカジのド定番といったところだが、さすがにここ十数年は袖を通していないという人も多いはず。ということで、今一度その魅力を知ったうえで、今どきなデザインも押さえておこう。
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ポイント1:一発でアメカジ感が出せる
ポイント2:ショート丈がトレンド的にドンピシャ
ポイント3:スラックス合わせなど、意外に大人に着こなせる
昨今アメカジブランドはもちろん、モード系やイタリアブランドに及ぶほど、実に多様なスタイルでスタジャンが展開されている。古きよきアメカジ人気を受けて、バッファローチェックやヴィンテージデニムなどが人気を集めているとあれば、スタジャンに白羽の矢が立つのは当然だろう。
で、スタジャンと何度も書いているが、これは和製英語。海の向こうでは、ヴァーシティジャケットやアワードジャケットと呼ばれている。どの呼び方においても、共通しているのは大学スポーツが由来ということ。大学スポーツにおけるチームユニフォームとして広まったという説が最有力。ここ日本ではアイビー人気によって上陸し、渋カジ、裏原ストリート、ヒップホップなど、様々なスタイルで人気を獲得。もはや定番アイテムではあるものの、そのシルエットはかなりバリエーション豊富になっている。
そんな中、実は今、スタジャンのシルエットは二極化している。細身にモダナイズされたものと、昔ながらのゆったりシルエット。前者は言うまでもなくモードやイタリアブランドからリリースされるスタイリッシュにアレンジされたスタジャンで、スラックスなどとのドレスミックスが可能。後者はいわゆる昔ながらのアメカジ的スタジャンで、やはりデニムやカーゴパンツといったボトムが似合う。ひと昔前なら大人が選ぶのは前者一択だったが、アメカジ人気の今、後者も選択肢に。つまり、新調するもタンスから引っ張り出すもヨシってこと。どっちも馴染みのある『Safari』世代にとっては、うれしい限りだ。
[デロング]
DELONG
6万4900円(デロング/テンプスコーポレーション)
アメカジ復権の今、それが可能に!
創業は1856年という、スタジャンで有名なブランドの中でも特に老舗のデロング社。アイオワ州生まれというのもアメカジ好きにはたまらない。有名大学やMLB、NBA、NFLといった多くのプロチームのユニフォームを手掛ける同社が作るスタジャンは、オーセンティックなデザインながら古着で見るような重く堅い仕立てと一線を画す軽い着心地が魅力。シルエットも裾がすぼまった昔ながらの雰囲気を醸し出す。過剰にワイドではないので王道ながら野暮ったくは見えないのが特徴。
◆スタジャンの特徴がわかるDetail◆
スムースな着脱が求められるスポーツユニフォーム。フロントボタンがスナップ式なのは、言うに及ばず。ただし、’50年代以前のスタジャンには穴かがりのボタンが採用されているものが多い。
ボディは保温性の高いメルトン、アームは耐久性の高いレザーというコンビ使いが一般的。しかしながら、オールメルトンやコーデュロイなど、バリエーションは様々にある。
そもそもはカラダを冷やさないためのスポーツユニフォームとあって、裾や袖先のリブは風の侵入をしっかりと防ぐため厚手となっている。特に袖先はターンバック(折って重ねる作り)を採用しているものが多い。
[スコッチ アンド ソーダ]
SCOTCH&SODA
6万9300円(スコッチ アンド ソーダ/コロネット)
アメリカ濃度高めなミックスデザイン!
逆山なりのレザーヨークやアローポケットなど、ウエスタンな要素をミックスしたデザインが新鮮。エルビス・プレスリーをイメージしたもので、アームにあしらわれているEPとクローバーのシニールワッペンは、それぞれイニシャルとライブで着用したペンダントがモチーフとなっている。ボディとアームは、ウールメルトン製。裏地にはバンダナ柄がデザインされ、アメリカンな雰囲気を隈なくアピール。
FORSOMONE
6万9300円(フォーサムワン/エドストローム オフィス)
新品にしてヴィンテージ顔な1着!
‘50年代のアワードジャケットからインスピレーションを得たこちら。フロントは穴かがりのボタン仕様で、襟はリブではなくオープンカラーになっているのが特徴。ハンドステッチで施された胸のロゴとともに、背中にはチェーンステッチによるレタードが。振り子ではなくチェーンというあたりに、アメリカンな空気が漂う。メルトン×レザーではなく、コットンコーデュロイという点も’50sらしい。
CIRCOLO 1901
5万8300円(チルコロ 1901/トヨダトレーディング プレスルーム)
ツボを押さえたアレンジ!
南イタリア発リラックス×ドレスの名手〈チルコロ 1901〉からもリリース。それは、スタイルを超えてスタジャンが注目されていることの証。ハイストレッチなジャージ生地使いを得意とするブランドとあって、こちらもノンストレスな着心地に。シルエットはスリムでモダナイズされている。ワッペン使いこそアメリカンながら、ハウンドトゥース柄を採用することで、トラッドな落ち着きをもって着られる1着に仕上げている。
ご覧のとおり、アメリカ、日本、オランダ、イタリアと、各国のブランドからリリースされているスタジャン。トレンドが多様化された中にあっても、やはりアメカジ勢力の強さを思い知らされる。そういえば、昔ながらのゆったりサイズもトレンド的に許容されるとあれば、古着で探すのも手。その際は、袖のレザーのヒビ割れやライニングの破れに注意を。
●エドストローム オフィス
TEL:03-6427-5901
●コロネット
TEL:03-5216-6518
●テンプスコーポレーション
TEL:03-5976-6730
●トヨダトレーディング プレスルーム
TEL:03-5350-5567
photo : Tomoo Syoju(BOIL) styling : Takumi Tagawa text : Masafumi Yasuoka