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CULTURE カルチャー

2021.01.30

『ザ・スイッチ』が4月9日公開!
ブラムハウスプロダクションって何だ!?

ハリウッド映画をこまめにチェックしている方なら、ブラムハウスプロダクションの名を耳にしたことがあるに違いない。『パラノーマル・アティビティ』シリーズなどの作品でスリラーの分野をリードしてヒット作を連発し続けるばかりか、『セッション』『ゲット・アウト』などをアカデミー賞ノミネートに送り込んだ映画製作会社。規模は決して大きくないが見逃せない作品を連打して、ハリウッドでの地位を上昇させている注目のプロダクションなのだ。そんなブラムハウスの魅力に迫ってみよう。

 

 

『パラノーマル・アクティビティ』で転機が訪れる

プラムハウスプロダクションは2000年、映画製作者のジェイソン・ブラムによって設立された。最初の数年は製作本数も限られ、思うように作品を送り出せずにいたが、2007年の『パラノーマル・アクティビティ』によって流れが変わる。わずか1万5千ドルの超低予算で作られた、このホラーはアメリカだけで1億ドル以上、全世界で2億ドル弱の興行収入を計上。さらに2010年に『インシディアス』、2013年に『パージ』と、人気のホラーを次々と放った。

[JASON BLUM]ジェイソン・ブラム
 

 

『パラノーマル・アクティビティ』は、フィクションをドキュメンタリー風に撮影したモキュメンタリー手法が用いられた。監督・脚本はオーレン・ペリ

ホラーの分野で確固たる地位を築いたブラムハウスだが、このジャンルの開拓を続ける一方で、2014年には人間ドラマ『セッション』で全米の映画賞レースを席巻し、アカデミー賞では3部門を制覇。さらに2017年の『ゲット・アウト』、2018年の『ブラック・クランズマン』でも同賞の1部門で受賞を果たしている。興行面でも作品の質の面でも、ブラムハウスはハリウッドを活性化させている最重要のプロダクションなのだ!


第87回アカデミー賞でJ・K・シモンズの助演男優賞を含む3部門で受賞した『セッション』。狂気に満ちたレッスンが話題となった音楽ドラマ
 

 

ホラー界をリードする鍵は監督の再生にあり!

ブラムハウスの屋台骨は、やはりホラー映画。このジャンルは、ギャラの高いスター俳優を必要としないので、そもそも低予算で製作できる。主役はあくまでも“恐怖”なのだ。裏を返せば、スリラーの才能とセンスのある映画監督には格好の力試しの場となる。

『ソウ』(2004年)で注目されたジェームズ・ワン監督はブラムハウスで『インシディアス』をヒットさせ、これを足がかりにして今や『死霊館』(2013年)シリーズや『アクアマン』(2018年)などを放つヒットメーカーに。同じように、『地球が静止する日』(2008年)の興行的な失敗で干されていたスコット・デリクソン監督はブラムハウス製作の『フッテージ』(2012年)で息を吹き返し、今やマーベルの大作『ドクター・ストレンジ』(2016年)を監督するに至った。『シックス・センス』(1999年)、『サイン』(2002年)で一時代を築くも、その後キャリアが低迷していたM・ナイト・シャマラン監督も、ブラムハウス作品『ヴィジット』(2015年)、『スプリット』(2016年)、『ミスター・ガラス』(2019年)と立て続けにヒット作を放って完全復活。


ジェームズ・ワン監督、リー・ワネル脚本による『インシディアス』。主演はパトリック・ウィルソン、ローズ・バーン

大金が費やされるために営利を優先するハリウッドのメジャースタジオでは、一度失敗した監督を再び雇うような冒険は、なかなかできない。それを思うと、低予算で損失を最小限にとどめ、監督の才能とセンスを信頼し、彼らの撮りたいものを撮らせたブラムハウスの方針は成功だったのだ。
 

 

低予算だからできる新たな才能の発掘!

先に述べたように、ブラムハウスの映画は低予算製作で、基本的に1本の製作予算は500万ドル以下。ヒットした作品の続編を作る場合でも1000万ドル以内に抑えられている。参考までに、メジャースタジオ製作の『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』『TENNET/テネット』(2020年)には、いずれも2億ドル以上の製作費が注ぎ込まれているが、これと比べてもブラムハウスの製作予算がいかに低いか、おわかりいただけるだろう。

低予算製作だから、実績はないがアイデアを豊富に持っている若い映画監督にも門戸を開くことができる。当時は無名だったオーレン・ペリ監督が全編を疑似記録映像で構成した、先述の『パラノーマル・アクティビティ』は、その好例。今や世界中の映画人が注目する『ラ・ラ・ランド』(2016年)のデイミアン・チャゼル監督も、300万ドルで製作した『セッション』が出世作となった。同じく全米賞レースを賑わせたジョーダン・ビールの初監督作『ゲット・アウト』(2017年)も450万ドルで作られている。また、俳優として活躍していたジョエル・エドガートンに初監督を任せた『ザ・ギフト』(2015年)は500万ドルで製作され、その10倍以上の世界興収を上げた。まだ見ぬ才能を見抜く目が、ブラムハウスには確実にある。


『ザ・ギフト』は、ある男が夫婦にワインをギフトとして贈るのだが、それが次第にエスカレート。夫婦のまわりに異変が起きはじめるサイコスリラー
 

 

近年もヒット作を連発、そして新作『ザ・スイッチ』へ

近年のブラムハウスはオンライン配信のオリジナル作品にも力を入れている。ブラムハウスとアマゾン スタジオの提携によって製作された配信限定作品『イーブルアイ』『冷たい嘘』『ノクターン』『ブラック・ボックス』の4作品はアマゾン プライム ビデオで視聴が可能だ。


『イーブルアイ』は、娘の恋人が30年前に自分を殺そうとした男の生まれ変わりだと信じる母親を描いたスリラー。アマゾン・プライムで配信中

もちろん、劇場作品も精力的に製作を進めている。2020年に日本で劇場公開された作品では『透明人間』(2020年版)や、『ザ・ハント』(2020年)があり、いずれも見ごたえのあるスリラーで、観客を唸らせた。

これらに続くのが、2021年に劇場公開予定の大注目作『ザ・スイッチ』だ。残忍なシリアルキラーと、地味で目立たない女子高生の心が、おたがいの体に入れ替わって起こる騒動劇。ヒロインは自分の体を取り戻せるか? そして、殺人鬼の犯行を阻止できるのか!? 監督のクリストファー・ランドンは、同じプラムハウス製作の『ハッピー・デス・デイ』とその続編をヒットさせた注目株。

ホラーをベースにしながら、コメディや青春劇、さらには感動の家族ドラマの要素を盛り込んだ、物語のテイストを変化させる手腕に長けている。本作も同様で、惨殺のバイオレンスを瞬間的に見せたと思いきや、次には高校生たちのバカげた会話で緩ませ、対決でハラハラさせ、ヒロインと家族の絆にホロリとさせる。

これだけの要素を一本の映画に存在させるのはムリがある……と思われるかもしれないが、これがきっちり成立しているのだから驚き。百聞は一見にしかず。公開が延期していたが4月9日に決定! 劇場へ足を運ぶべし!



『ザ・スイッチ』
製作/ジェイソン・ブラム 監督/クリストファー・ランドン 出演/ヴィンス・ヴォーン、キャスリン・ニュートン、アラン・ラック 配給/東宝東和
© 2020 UNIVERSAL STUDIOS
 

 

 
文=相馬学 text:Manabu Souma
photo by AFLO
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