絶対に希望を捨てない!
不撓不屈映画4選
どんなときだって、希望を捨てずに強い意志を持ってやり遂げる。これって、人生において大事なこと。このようなご時世になり、困難が多いけれども、諦めないで乗り越えていきたいものだ。そこで、そんな気持ちを高めてくれる映画をセレクト。こちら観て、是非活力を得て!
『ショーシャンクの空に』
製作年/1994年 監督/フランク・ダラボン 出演/ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン
知恵をフル回転させろ!
無実の罪で終身刑を言い渡された堅物の元銀行員アンディが刑務所の中で最後まで希望を捨てずに生き抜くヒューマンストーリー。冤罪を主張しても誰にも聞いてもらえず、所長や刑務官は利己的で残虐、暴力的な服役囚には常に狙われ……。絶望の中でもアンディは持ち前の人柄の良さで味方を増やし、鉱物収集という趣味を見つけて楽しみ、そして何より自身の知恵をフル回転して居場所と地位を獲得していく。
ヒューマンドラマであり脱獄ものとしても秀逸な本作。あっと驚く脱獄の方法、所長や刑務官への痛快すぎる“復讐”。約20年もの長い間、決行のその時までアンディは希望と尊厳、そして知識を武器にひとり静かに戦っていたのだ。特にアンディが『フィガロの結婚』を流すくだりは、彼の人間性――ひいては人間にとって根源的に大切な感情や意思が描かれる名シーン。普段は柔和でおとなしいアンディの清々しくも不敵な表情も必見だ。ちなみに、その数年後に製作される『ミスト』は同じスティーブン・キング原作、フランク・ダラボン監督と思えぬ、正反対の絶望に満ちた作品なのも面白い。
『パピヨン』
製作年/1973年 監督/フランクリン・J・シャフナー 出演/スティーブ・マックィーン、ダスティン・ホフマン
閉じ込められた世界なら生きている意味はない!
『ショーシャンクの空に』に続いて脱獄もののこちらは2017年にチャーリー・ハナム、ラミ・マレック共演でリメイクされた同名作のオリジナル版で、舞台は脱獄不可能な孤島の刑務所なのだが、刑務所というよりほぼ強制労働所。泥まみれになって過酷な労働を強いられ、食事は劣悪で、倒れればそのまま捨て置かれる。脱獄すれば懲罰房に2年。2回めの脱獄では5年。“人権、何それおいしいの? ”状態の生きる気力を削ぐ悲惨な場所だ。
主人公パピヨンは『ショーシャンク』のアンディと違い、力技での脱獄を繰り返す。捕まるたびに凄惨な罰を受けるのだが、演じるスティーブ・マックィーンのギラギラ感も相まってパピヨンの瞳には何度でも不屈の炎が蘇る。自由と生への飽くなき渇望がパピヨンを駆り立てるのだろう。閉じ込められた世界なら生きている意味はないとばかりに、過酷な道へと突き進む、この土臭く荒々しい生へのエネルギーが本作の魅力だ。原作は無実の罪で13年投獄され、のちにベネズエラ市民権を得たアンリ・シャリエールの自伝的小説。
『クール・ランニング』
製作年/1993年 監督/ジョン・タートルトーブ 出演/リオン、ダグ・E・ダグ
周囲にバカにされても一心不乱になるべし!
雪など降らない常夏の国ジャマイカでボブスレーという意表を突いた競技で冬季五輪出場を目指す。一見ハチャメチャなストーリーに思えるけれど、実際にジャマイカのボブスレーチームが1988年にカルガリー冬季オリンピックに出場した実話をベースにした、ハートフルなエンターテインメント作品。
主人公は陸上競技でのソウルオリンピック出場の夢を絶たれたアスリートの青年。どうしてもオリンピックに出たい彼はボブスレーという未知の競技に目をつけ、仲間を募り、慣れない雪に四苦八苦しながら夢の実現に向かって体当たりの本気を見せる。最初はギクシャクしていた仲間が一致団結する様子、周囲にバカにされても一心不乱に練習に打ち込む姿は誰もがワクワクするはずだし、応援したくなること必至。「大切なのは夢に向かって突き進むこと。努力すれば実現する」「成功すればジャマイカの人に希望を与えることができる」など名セリフも!
『レナードの朝』
製作年/1990年 監督/ペニー・マーシャル 出演/ロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウィリアムズ
諦めずに治療にあたる誠実さに感動!
慢性神経病患者専門の病院で、重症患者のレナードに新薬を投与したところ、30年ぶりに意識を取り戻したという、こちらも実話ベースの作品。レナードをロバート・デ・ニーロが、人付き合いが苦手な医師セイヤーをロビン・ウィリアムズが演じる。
レナードと同じように新薬を投与され、意識を取りして生きる喜びを全身で味わうほかの患者たち。目に精気が宿り、歌い、踊り、笑う。普段私たちが何気なくしていることが彼らにとっては奇跡なのだと思うと胸が締め付けられる。しかし新薬の効果は長く続かず、患者たちは再び眠りの中へと戻ってしまうのだが、その際のデ・ニーロの演技がとにかく圧倒。痙攣する自分をセイヤー医師に記録として録画させ、ほかの患者への覚悟を促し、研究材料にさせる。その潔い姿のなんと気高いこと。必ずしもハッピーエンドなわけではないけれど、レナードのそんな姿はもちろん、レナードと接したことで次第に変わっていくセイヤー医師との絆、諦めずに治療にあたる誠実さが感動を呼ぶ作品だ。
photo by AFLO