ホアキン・フェニックスの出演映画7選!
『Safari Online』で配信してきたホアキン・フェニックスの出演映画をまとめてご紹介!
『グラディエーター』
製作年/2000年 監督/リドリー・スコット 出演/ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス、コニー・ニールセン
正攻法でのリベンジを望むならコレ!
古代ローマ皇帝からの信頼もあつく、聡明で誠実な将軍マキシマス(ラッセル・クロウ)。そんな彼に帝位を譲ろうとする皇帝に対し、傲慢で野心的な皇子コモドゥスが反旗。実父である皇帝を殺して帝位につき、マキシマスの命をも狙う。妻子を殺され、自らも奴隷に身を落とすことになったマキシマスはやがて剣闘士となって名を上げ、コモドゥスへの復讐の機会をうかがうことになるが……。
巨匠リドリー・スコットが監督を務め、アカデミー賞で作品賞、主演男優賞などに輝いた歴史スペクタクル大作。華々しい活躍の日々から一転、衝撃的なまでの苦境に立たされたマキシマスの絶望、葛藤、それでも汚れ切ることのない信念が胸に迫り、本作でラッセル・クロウのファンになった人も多いはず。人生を懸けた正攻法での復讐を望むなら、一度は観ておきたい傑作!
『アンダーカヴァー 』
製作年/2007年 監督・脚本/ジェームズ・グレイ 出演/ホアキン・フェニックス、マーク・ウォールバーグ、エヴァ・メンデス
刑事の兄が不良の弟に潜入捜査の協力させる!
『ジョーカー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックスとマーク・ウォルバーグとの共演作。麻薬組織を撲滅しようとするエリート刑事役のマークと夜の世界で働く不良の弟役のホアキンとの兄弟の葛藤が描かれる。
麻薬捜査に協力することを拒んでいた弟ホアキンだが、兄に懇願されて盗聴器を隠し持って麻薬の精製工場を訪ねることに。ところが、緊張のあまりに汗をだくだくと流してしまい、麻薬組織から怪しまれてしまう。このあたりは「バレちゃうかも!?」と、観ているこちらも手に汗を握ってしまうシーンだ。素人が潜入捜査する際のたどたどしさをリアルに演じたホアキン。その演技は、さすがの一言。
警察の捜査に協力したために、ホアキンと恋人は麻薬組織から命を狙われてしまう。ビジネスの付き合いを優先するか、それとも家族の絆を守るか。そこの決断もハラハラさせられる。
ホアキン・フェニックス/『ザ・マスター』
製作年/2012年 製作・監督・脚本/ポール・トーマス・アンダーソン 出演/フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス、ローラ・ダーン
奇抜な言動の問題児からカリスマ俳優へ!
リバー・フェニックスの弟として俳優デビューし、子役から活躍。2000年の『グラディエーター』の皇帝コモドゥス役でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなど、俳優として順調にキャリアを積んだホアキン・フェニックスだったが、2008年、俳優業の引退を宣言。ミュージシャンとしての道を進もうとするも、その一連の言動がドキュメンタリーのための“演出”ではないかという疑惑が浮上。ホアキン自身も怪しいコメントを繰り返し、ラッパーとしてのステージでブチ切れ行動をとるなど、ハリウッドから“問題児”扱いされる。
しかしホアキンの俳優としての復活劇は、ほどなく訪れる。2012年、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ザ・マスター』で、新興宗教のカリスマ教祖に傾倒する、アルコール依存の復員兵というハードルの高い役を名演。これまで培ってきた実力を発揮し、同作でアカデミー賞主演男優賞ノミネートを果たしてからは“カリスマ俳優”的な地位を築き、個性派監督の作品に次々と出演。ついに『ジョーカー』でオスカーを手にする。本物の才能があれば、ブランクも軽々と乗り越えられると証明したのが、『ザ・マスター』のホアキンだった。
『her/世界でひとつの彼女』
製作年/2013年 製作・監督・脚本/スパイク・ジョーンズ 出演/ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、スカーレット・ヨハンソン
人間とA.I.が恋したら、こうなる!?
舞台は、そう遠くない未来のロサンゼルス。手紙の代筆ライターをしている男セオドアは、人工知能を備えた最新鋭OSを手に入れてインストール。音声で答えるこのOS、サマンサには人間の感情を理解し、学習する機能が。離婚の痛手を引きずっていたセオドアは“彼女”に心惹かれ、強い絆を感じるようになる。サマンサも、そんな彼の思いに応えるが、彼らのロマンスは予期せぬ方向へと向かっていく。
人間はA.I.と恋に落ちることが可能なのか? そんな疑問に『かいじゅうたちのいるところ』のスパイク・ジョーンズが答えたユーモラスで切ないラブストーリー。多くのプログラマーの人格情報を集積したことで、人間の心理を知るサマンサは恋をすることもできるのだから驚き。それどころが、バーチャルセックスもしてしまうのだから、コンピューターとの恋愛も可能に思えてくる。学習の速度が人とは異なる驚速ぶりなので、同じ速度で人生を歩めないのが問題!?
『ビューティフル・デイ』
製作年/2017年 監督/リン・ラムジー 出演/ホアキン・フェニックス、ジュディス・ロバーツ
フィジカルとメンタルに深く突き刺さる!
元軍人の経歴を持ち、今では行方不明の少女たちを探す仕事を請け負うジョー。危険な闇社会に踏み込むことも多く、決して無傷ではいられない生業だ。そんなある日、ニューヨーク市議から「娘を救い出してほしい」との依頼が。いつもながらに場所を特定し、周到に準備し、見張りを殲滅させ、少女を救い出した彼。難なく任務成功かと思われた矢先、何やら恐ろしい事態が動きはじめていることに気づき……。
ラムジー監督といえば手掛けた作品こそ少ないが、大衆迎合することなく一貫してアーティスティックな映画を作り続ける人だ。そのこだわりは、この手のジャンルとしては珍しく主演にホアキン・フェニックスを据えたところにも如実に現れている。寸胴型の生々しい肉体を駆使したアクションとバイオレンスを描きつつ、その折々に主人公が持つ痛々しいまでの幼少期のトラウマを融合させ、ほんの90分足らずを複層的、立体的にじっくりと掘り下げていくその手腕。カンヌ映画祭で脚本&男優賞に輝いたのも納得である。
『カモン カモン』
製作年/2021年 監督・脚本/マイク・ミルズ 出演/ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン
突然の甥っ子との共同生活で育まれる深い絆!
ホアキンが演じるジョニーは、ラジオジャーナリスト。アメリカ各地で子供たちにインタビューし、そのコメントで番組を構成するのが仕事だ。そんな彼が妹からの依頼で、彼女の息子、つまり甥っ子のジェシーの面倒をみることになる。自分には子供のいないジョニーが、9歳のジェシーを仕事先にも連れて行くのだが、途中で何度もぎくしゃくする2人には、徐々に離れがたい絆が育まれていく。年齢も、価値観も異なる2人の関係が変化するプロセスを描いたドラマとしては、まさに王道パターン。しかし安心して見入ってしまうのは、ジョニーの戸惑いや、めざめる父性など、繊細な感情が伝わってくるから。つまりホアキンの演技がハイレベルなのである。間違いなく、ハリウッドを代表する天才俳優だと実感!
『ナポレオン』
製作年/2023年 製作・監督/リドリー・スコット 脚本/デヴィッド・スカルパ 出演/ホアキン・フェニックス、ヴァネッサ・カービー、タハール・ラヒム、マーク・ボナー
300年前の戦いを再現したスケールに圧倒される!
ナポレオンといえば、戦場での指揮官として類い稀なアイデアと才能を発揮。混乱するフランスで軍の総司令官から皇帝へと上り詰めた才人。つまり人生のターニングポイントには伝説となった戦闘があり、本作は“トゥーロンの戦い”、“アウステルリッツの戦い”、そして“ワーテルローの戦い”の3つを適所に配置。その合間に素顔のナポレオンのドラマを挟んだ絶妙な構成になっている。3つの戦いは、どれもが過去の映画では観たことのないビジュアルで迫ってくる。総勢8000人のエキストラに、カメラを最大で11台使って撮ったシーンがあるし、氷上での馬と兵士たちのバトルでは撮影のために凍らせた湖を作り上げたりもした。今から300年前の戦い方を、可能な限り実写で再現しようとしたスコット監督の執念に恐れ入るばかり。
ナポレオンを演じるのは『ジョーカー』でアカデミー賞を受賞したホアキン・フェニックス。予想どおりカリスマ性が全編で発揮されているが、英雄の意外な“裏の顔”にも本作はフォーカスする。それは妻となったジョセフィーヌへの深い想いだ。奔放な性格で浮気もするジョセフィーヌなので、ナポレオンは戦闘で遠征しても彼女のことが気になって仕方がない。しかも2人にはなかなか“世継ぎ”が生まれず、ナポレオンは苦悩する。妻に翻弄され、精神的な脆さもみせることで、映画を観るわれわれはナポレオンに感情移入していく。さらに後半は、ジョセフィーヌ側の切実さも浮き彫りになり、このあたりは女性の視点を忘れないスコット監督らしい。一大スペクタクルを通し、“人間”ナポレオンも描いた、見ごたえたっぷりの歴史絵巻だ。