11月16日からネットフリックスで映画『クレイジークルーズ』が配信される。
本作は横浜港からエーゲ海へと向かう、実在する史上最大級の豪華クルーズ船MSCベリッシマの航海中に起こる殺人事件を巡るミステリー。そして事件現場にたまたま居合わせた吉沢亮演じるバトラーと宮﨑あおい扮する謎の女性が繰り広げるロマンティックコメディの要素も含まれている。
謎解き作品というと、『古畑任三郎』の古畑や『ガリレオ』の湯川学など名キャラクターが欠かせないもの。本作ではその役回りをバトラーの冲方が担っている。とはいえ、古畑や湯川のようなずば抜けた推理能力を持っているわけではない。彼の売りは、乗客のクレームに対して土下座も厭わないという“プライドのなさ”。どんなときでも誠実で正義感のあるバトラーが“プライドのなさ”を武器にどのように殺人事件を解決していくのか? が本作の面白さとなっている。
物語の舞台は約7000人が乗船可能な世界最大級のイタリア国籍のクルーズ船、MSCベリッシマ。当初は、実際のMSCベリッシマで撮影を行う予定だったがコロナ禍の影響で国際クルーズ船の国内入港が禁止に。そのため関東某所に実寸大のプールを建設し、さらにはスイートルームを巨大セットでスタジオに再現したという。豪華クルーズ船らしい煌びやかな空間も本作の見どころのひとつだ。
脚本を担当したのは『東京ラブストーリー』『最高の離婚』『カルテット』『大豆田とわ子と三人の元夫』など、これまで30年以上にわたって日本のドラマ界をリードしてきた脚本家、 坂元裕二。豪華なクルーズ船を物語の舞台にしたのは、ある意図があったと語る。「基本、僕はトレンディドラマの人間だと思っていて、その時代その時代に必要だと思う作品を書いてきたつもりなんです。90年代はトレンディドラマが必要とされていたし、そこから多様な作品が生まれていきました。それが2010年代になると、テレビドラマ自体の影響力がなくなってきて、そうした逆境の中で、自分がそれでも時代を捉えるには、もっと言うなら時代を愛せるようになるには、どんなドラマを作ればいいのかを考えて脚本を書いてきました。だから、作風に変化があったとしたら、それは時代の変化の影響が大きいと思うんです。『大豆田とわ子と三人の元夫』にもそういう要素はありましたが、今回の『クレイジークルーズ』に関しては、テレビドラマの制作環境も含め世の中があまりにも“清貧”みたいな方向になっているので、その抵抗として少しでも煌びやかな世界を書いてみたいと思って」
吉田羊や菊地凛子、高岡早紀、長谷川初範、安田顕と俳優陣も実に豪華。このキャスティングも犯人を推理するための巧妙な仕掛けとなっている。監督はテレビドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』の瀧悠輔。
『クレイジークルーズ』11月16日配信
監督/瀧悠輔 脚本/坂元裕二 出演/吉沢亮、宮﨑あおい、吉田羊、菊地凛子、永山絢斗、泉澤祐希、蒔田彩珠、岡山天音、近藤芳正、岡部たかし、長谷川初範、高岡早紀、安田顕 配信/ネットフリックス
豪華クルーズ船でバトラーとして働く冲方優(うぶかた すぐる/吉沢亮)は、乗客の理不尽なクレームに土下座も厭わず対応するその”プライドのなさ”を、新人船長・矢淵初美(やぶち はつみ/吉田羊)から評価されている。横浜からの出航直前、切羽詰まった様子でクルーズ船に乗り込んできた盤若千弦(ばんじゃく ちづる/宮﨑あおい)。盤若は冲方に、お互いの恋人が密会していることを告げる。42日間に及ぶエーゲ海ツアーに出航したクルーズ船・MSCべリッシマのデッキで、冲方と盤若は自分たちの不幸な境遇を嘆き合う。そんな矢先、2人はクルーズ船のプールで殺人事件を目撃する。交際中の相手から”なかったこと”にされてしまった冲方と盤若の二人は、目の前で起こった事件を”なかったこと”にさせないため、独自に捜査をはじめる──。
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