韓国映画『バレリーナ』が10月6日からネットフリックスで配信されている。第28回釜山国際映画祭に選出された本作は、凄腕の元要人警護員オクジャが親友の仇を討とうとするバイオレンスかつスタイリッシュな復讐劇。
見どころのひとつは激しいアクションシーンで、冒頭のコンビニでの格闘戦からはじまりラブホテル、犯罪組織の麻薬工場と様々な場所で死闘が繰り広げられる。特に麻薬工場でのアクションは必見。大人数の男たちを相手に戦う近距離でのガンアクションは、まるでキアヌ・リーヴス主演の『ジョン・ウィック』を彷彿とさせるほどの激しい内容となっている。
アクションだけでなく、スタイリッシュな映像にも目を奪われる。韓国の復讐劇といえばジメッとした路地裏や街中の雑踏が舞台となることが多いが(そこが魅力なのだが)、本作では美しく印象的なシーンが数多く登場。さらにセリフが少なく、映像で物語を説明していく演出も特徴的で、このあたりはネットフリックスによる世界配信を意識したのだろうか。
主人公オクジャを演じるのは『バーニング 劇場版』(2018年)、『ザ・コール』(2020年)のチョン・ジョンソ。復讐のためには手段を選ばない無慈悲な役柄を体当たりで演じている。近年の韓国映画は女性のアクションに良作が多い。ドライブテクで魅せるパク・ソダム主演の『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』(2023年)、ノンストップアクションのキム・オクビン主演『悪女/AKUJO』(2018年)、『梨泰院クラス』のキム・ダミ主演『The Witch /魔女』(2018年)などがそうだ。ドラマではネットフリックスの『マイネーム:偽りと復讐』(2021年)でハン・ソヒがほぼ代役なしで激しいアクションを披露している。女性アクションというジャンルでも韓国の存在感がますます大きくなっている。
監督はイ・チュンヒョン。『短編映画『身代金』(2015年)や『ザ・コール』を手がけ、革新的なストーリーテリングと大胆な演出で知られる存在。その独創性は本作でも十分に発揮されている。ちなみにイ監督とチョン・ジョンソは『ザ・コール』をきっかけに交際中なんだそう。共演に『ドライブ・マイ・カー』(2021年)のパク・ユリム。
『バレリーナ』配信中
監督・脚本/イ・チュンヒョン 出演/チョン・ジョンソ、キム・ジフン、パク・ユリム 配信/ネットフリックス
2023年/韓国/視聴時間93分
元要人警護員のオクジュはケーキ店でかつての同級生チェ・ミニと再会する。バレリーナとして活躍している彼女と友情を深めていくことで、生きがいを感じるようになったオクジュ。しかし、ある日ミニは「必ず復讐して!」というメモを残して自ら命を絶ってしまう。犯人を探すオクジュは、ミニがとあるチンピラから脅迫を受けていたことを突き止める。
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