【まとめ】メリル・ストリープ出演映画6選
Safari Onlineで紹介してきたメリル・ストリープの出演映画をまとめてご紹介!
『ディア・ハンター』
製作年/1978年 製作・監督/マイケル・チミノ 共演/ジョン・カザール、メリル・ストリープ
若きデ・ニーロの共感力がスゴイ!
ロバート・デ・ニーロの初期の代表作といえば、『ゴッドファーザー PARTⅡ』や『タクシードライバー』を挙げる人が多く、早くから強烈なキャラクターを自分のものにする“怪物的名優”と認知されていた。そんな初期のキャリアの中で、“どこにでもいそうな若者”を名演した大傑作が『ディア・ハンター』だ。
アメリカ、ペンシルヴェニア州の鉄鋼の町に住むマイケルは、仲間とともにベトナム戦争に出征することになる。壮行会となるパーティや鹿狩り(ディア・ハンター)という日常風景が一変。ベトナムでのドロ沼の苦境から、あの有名なロシアンルーレットへとなだれ込む。基本的には戦争映画なのだが、出征前の友情を描くシーンがことのほか長いので、観終わった後は、ヒューマンドラマとしての感動が強い。
マイケル役としてのデ・ニーロは、戦争という極限状態で狂気をちらつかせる瞬間もあるものの、強い個性の仲間を思いやる、穏やかな印象が強い。そこに素直に共感させるところが、若きデ・ニーロの才能だ。親友に思いをはせるラストシーンの彼の表情は忘れがたい。アカデミー賞では作品賞など5部門受賞。
『ソフィーの選択』
製作年/1982年 製作・監督/アラン・J・パラク 出演/メリル・ストリープ、ケビン・クライン、ピーター・マクニコル
ソフィーの隠された過去に衝撃を受ける!
1947年、世界大戦の終結から2年後のニューヨーク。小説家を目指して上京した若者スティンゴは、ユダヤ人の生物学者ネイサンと、その恋人でポーランド出身のソフィーと知り合う。ナチスを憎むネイサンは普段は気が良いが、癇癪を起こすこともしばし。そんな彼に寄り添うソフィーには、ナチスの収容所に入れられていた過去が。スティンゴは彼女に心惹かれていくが、ソフィーはネイサンを深く愛しており、一方で決してして癒えない心の傷を抱えていた……。
ウィリアム・スタイロンのピューリッツァー賞に輝く小説を映画化。ネイサンの秘密に加え、ヒロイン、ソフィーの過去がサスペンスフルに解き明かされていく。“何が真実なのか私にもわからない。たくさんの嘘をついてきたから”という彼女の痛ましい“選択”は、観る者の心を動かさずにおかない。ハリウッドを代表する女優メリル・ストリープにとって、ソフィーを演じた本作は初のアカデミー主演女優賞受賞作となった。
『激流』
製作年/1994年 監督/カーティス・ハンソン 出演/メリル・ストリープ、ケヴィン・ベーコン、デヴィッド・ストラザーン、ジョン・C・ライリー
急流下りを舞台にした傑作スリラー!
夫や息子と川下りを楽しむため、故郷の川を訪れたゲイル。一家はひょんなことから2人の青年と行動を共にすることになるが、彼らの正体は逃亡中の凶悪犯だった……! 川を下って国境を越えたい凶悪犯たちと、彼らに遭遇してしまったことで命の危険にさらされる一家の攻防が危険な急流を舞台に展開。
元リバーガイドで川下りの経験豊富な母親を名女優メリル・ストリープ、一家を突然の恐怖に突き落とす青年をケヴィン・ベーコンが演じている。モンタナ州のクートネー川など、川下りのシーンはほぼ全編実際の川で撮影。超危険な激流ポイント“ガントレット”の映像も迫力満点で、川の危険性と犯罪者の恐怖がダブルで襲い来るスリラーに仕上がっている。
『プラダを着た悪魔』
製作年/2006年 監督/デビッド・フランケル 出演/アン・ハサウェイ、メリル・ストリープ、エミリー・ブラント
サクセスへの基本が詰まっている!
大学を卒業後、ジャーナリストを目指してNYにやって来たアンドレア(アン・ハサウェイ)は、世界中の女性たちが憧れる一流ファッション誌『ランウェイ』に就職。カリスマ編集長ミランダ・プリーストリー(メリル・ストリープ)のアシスタントとなるが、それは悪夢のような仕事だった……。
ファッションに興味がなく、将来への足掛かり気分で臨んだポストで鬼上司の無茶ぶりに耐え、私生活が破壊されていく主人公の苦闘が展開。理不尽な出来事の数々がコメディの面白味を生む一方、徐々に仕事のノウハウを身につけ、洗練されたファッションエディターと化していくアンドレアの変化にはサクセスの基本が詰まっている。
目の前にある仕事に嫌々取り組むか、その中から何かを得ようと構えるかは自分次第。モチベーションとサクセスの切り離せない関係にハッとさせられる。
『ジュリー&ジュリア』
製作年/2009年 原作/ジュリー・パウエル、ジュリア・チャイルド 監督・脚本/ノーラ・エフロン 出演/メリル・ストリープ、エイミー・アダムス、スタンリー・トゥッチ
夢を叶えるには根気も必要!
夢を叶えるうえで重要なのは“根気”かもしれない。一歩は小さくてもいい。とりあえず積み重ねていくことで新しい道が開けると教えてくれるのが『ジュリー&ジュリア』。小説家の夢をあきらめ、公務員として働くジュリーは、30歳を前にしてキャリアップする友人たちの姿に焦りを感じる。“このままではダメ。人生を変えたい”と自らを奮い立たせた彼女は、幼い頃、憧れていた有名料理研究家ジュリアの524ものレシピを、一年間ですべて作り、毎日ブログに載せるというチャレンジを試みる。
当初の作家という夢とは違うかもしれないが、大好きな執筆活動と料理を組み合わせるというアイデアによって、新たな方向性が生まれる。これは大人が夢を達成する、最適なプロセスかもしれない。本作ではジュリーのドラマだけでなく、料理研究家ジュリアの物語も並行して展開。1949年に夫の仕事のためにアメリカからパリへ移住したジュリアが、名門料理学校で学び、やがてTVにも出演する人気料理人となる。ジュリアも結婚後、大きな夢を叶えたわけで、2人の生き方がシンクロし、ダブルの達成感。そしてこの映画の原作は、モデルとなったジュリーその人。結局、彼女は一度あきらめた作家への夢を自伝小説として叶えたことになる。
『ザ・プロム』
製作年/2020年 製作・監督/ライアン・マーフィ 出演/メリル・ストリープ、ニコール・キッドマン、ジョー・エレン・ペルマン
何度も観たくなる傑作ミュージカル!
主人公はインディアナ州に住む女子高生のエマ。卒業を祝うプロムに、同性カップルで参加しようとした彼女が、PTAらに猛反対をくらい、プロム自体が中止の危機になってしまう。そのニュースを知った、NYブロードウェイの俳優たちが、保守的なインディアナ州の町に乗りこんで、エマを応援。
“多様性”をテーマにした今どきの物語を、とことんポップに明るく映画化したのは、ドラマ『Glee/グリー』などのクリエイター、ライアン・マーフィー。もともと舞台で高く評価されていた作品なので、音楽は最高のノリ。頭の中でリフレインする名曲も多いうえに、高校生たちのナンバーは振付がかっこよく、自然と楽しくなっていく感じ!
ブロードウェイの俳優を演じるのは、メリル・ストリープ、ニコール・キッドマンら大御所スターたち。実は彼らも、新作が大コケするなどコンプレックスを抱えており、自虐ネタで笑いを誘うシーンも多数。一方で、周囲から反発にあっても前向きなエマのキャラは、観ているこちらにも勇気と元気を与える。
大統領選が証明したアメリカの分断やカルチャーギャップも含め、普通のドラマで描いたら、ちょっと白々しくなりそうな状況も、ミュージカルだと感動できてしまうから不思議! キャストたちの最高の“芸”を、明るい青春映画のムードとともに堪能してほしい。
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