Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2022.12.17

【見逃してない?】予想を超える恐怖作品が続々!
2022年の傑作ホラー映画を振り返る!

 


2022年の傑作ホラー映画を振り返る!
『TITANE チタン』:製作年/2012年 監督・脚本/ジュリア・デュクルノー 出演/アガト・ルセル、ヴァンサン・ランドン 

年の瀬も間近ということで、2022年に日本公開された外国映画を振り返ってみると、ホラー&スリラーファンとしてはどうしても、このジャンルの充実に目が行ってしまう。いや、それほどまでに今年は面白いホラーが多かった。今年一年の、そんなホラーの脈動を、ここに振り返ってみよう。

衝撃の点で特筆すべきは、フラン映画『TITAN チタン』。子どもの頃の交通事故により頭部にチタンプレートを埋め込んだ少女がクルマしか愛せなくなり、やがてクルマとの子どもを妊娠し、さらに数奇な人生を歩む……という奇抜過ぎる展開。セクシーな彼女に言い寄ってくる者は多いが、メンドくさい!とばかりに次々と惨殺する。一方で、彼女を息子のように溺愛する初老男との関係が異様な空気を醸し出す。バイオレントでインモラルな物語であるにもかかわらず、2021年のカンヌ国際映画祭では最高賞パルム・ドールを受賞し、論議を呼んだ問題作。『RAW 少女のめざめ』で注目された俊英ジュリア・デュクルノーは次代のデヴィッド・クローネンバーグとして注目された。 

 
 

 
2022年の傑作ホラー映画を振り返る!
『ポゼッサー』:製作年/2020年 監督・脚本/ブランドン・クローネンバーグ 出演/アンドレア・ライズボロー、クリストファー・アボット、ロッシフ・サザーランド

クローネンバーグの息子ブランドン・クローネンバーグが『アンチヴァイラル』に続いて放ったカナダ&イギリス合作の『ポゼッサー』も、父の作品に負けず劣らず鮮烈な印象をあたえた。主人公は他人の意識の中に入り込み、その肉体を操ってターゲットを始末する女殺し屋。あるミッションの最中、思いがけぬ事態によって彼女は危機に追い込まれる。暗殺のバイオレンスはとにかくエグくて、肉体的な痛みを感じさせるに十分。どんどん追い込まれていくヒロインの心理の描写はサイコスリラー風でもあり、スプラッター場面を含めて、観る者の内面をグイグイと圧迫してくる。 

 
 

 
2022年の傑作ホラー映画を振り返る!
『X エックス』:製作年/2022年 監督・脚本/タイ・ウェスト 出演/ミア・ゴス、ジェナ・オルテガ、マーティン・ヘンダーソン、ブリタニー・スノウ

ホラーの本場アメリカも負けてはいない。『ミッドサマー』をはじめ、作家性を重視した作品を次々と送り出して賞レースを賑わせるスタジオ、A24の製作による『X エックス』もスプラッター指数だけでは測れない怖さがあった。1970年代の米国の農場で、一攫千金を狙ってポルノ映画を撮影しようとする若者たちが、次々と殺人鬼の餌食になる。その殺人鬼の正体は、農場の所有者である後期高齢者夫婦! 意外といえば意外だが、そのバックボーンをしっかり描きこみ、殺人犯の動機を浮き彫りに。その成果もあり、ドラマとしてガッツリと見応えのあるものとなった。監督のタイ・ウェストは『サクラメント 死の楽園』などのホラー作品でソコソコの評価をされてはいたが、本作は興収面でも評価面でもキャリアハイ。前日談となる続編『Pearl(仮題)』への期待も高まる。 

 
 

 
2022年の傑作ホラー映画を振り返る!
『ブラック・フォン』:製作年/2022年 製作/ジェイソン・ブラム 監督・脚本/スコット・デリクソン 出演/イーサン・ホーク、メイソン・テムズ 

ホラーの快作を連打するハリウツドの台風の目、ブラムハウスの作品では『ブラック・フォン』が出色。こちらも時代背景は1970年代。子どもを狙った連続殺人に震撼する町で、マスク姿の犯人によって地下室に監禁された少年が奇妙な現象に遭遇する。地下室に備え付けられていた、壊れた黒電話から、死者が話しかけてきたのだ! シリアルキラーと霊という二つの要素を組み合わせ、孤独な男の子のジュブナイルストーリーに落とし込んだ、みごとなドラマ構成。『フッテージ』のスコット・デリクソン監督は、恐怖をドラマに結びつけるのが上手いが、本作もそれを証明した格好となった。 

 
 

 
2022年の傑作ホラー映画を振り返る!
『紅い服の少女 第二章 真実』:製作年/2017年 監督/チェン・ウェイハオ 脚本/ジェン・シーゲン 出演/レイニー・ヤン、アン・シュー
 

 
2022年の傑作ホラー映画を振り返る!
『哭悲 THE SADNESS』:製作年/2021年  監督・脚本/ロブ・ジャバズ 出演/レジーナ・レイ、べラント・チュウ、ジョニー・ワン 

アジアのホラーもいろいろと公開されたが、とりわけ健闘が目立ったのは台湾製ホラー。ネットフリックス配信で人気を博した『呪詛』や、本国で大ヒットを飛ばした『紅い服の少女』2部作はオカルトの恐怖を遺憾なく体感させる作品だった。何より仰天させられたのは『哭悲 THE SADNESS』。人間から理性を奪い凶暴化させるウイルスが、ある朝、台湾中で広まった。カオスと化した街で、引き離されたカップルが命を懸けて、パートナーを探し出そうとする。殺人、暴行、レイプなど、悪意があらわになったことで氾濫する暴力。浮き彫りにされた人間の醜さは、情け容赦ないバイオレンス描写によって悪夢的なインパクトを残す。
 

 
2022年の傑作ホラー映画を振り返る!
『ハッチング 孵化』:製作年/2021年 監督/ハンナ・ベルイホルム 脚本/イリヤ・ラウチ 出演/シーリ・ソラリンナ、ソフィア・へイッキラ、ヤニ・ボラネン
 

 
2022年の傑作ホラー映画を振り返る!
『女神の継承』:製作年/2021年 原案・製作/ナ・ホンジン 監督/バンジョン・ピサンタナクーン 出演/ナリルヤ・グルモンコルペチ、サワニー 

ほかにも、幸福な家庭の欺瞞をモンスターが暴くフィンランド製の『ハッチング 孵化』や、ヒロインを徹底的に修羅の道に追い込んだリメイク版『炎の少女チャーリー』、土着信仰の恐怖を記録スタイルで描き込んだ韓国映画『女神の継承』など印象深い作品は多い。ここまで上げた作品に共通するのは、予想を軽々と超えてくること。オカルト、ゾンビ、スラッシャーなど、このジャンルにはそれぞれ予定調和的な型があり、それを楽しむのもひとつの見方だが、そうはさせない作り手のこだわりを感じられるのがイイ。このような作品が新たな礎となりジャンルを発展させていくわけで、そういう意味ではフロンティア的な作品と言えるだろう。 

 
 

 
2023年も期待のホラーが目白押し。『新感染フイナル・エクスプレス』のヨン・サンホ監督が原作と脚本を手がけた『呪呪呪 死者をあやつるもの』、AI搭載の人形が暴走を繰り広げるブラムハウス製作の『M3GAN』、2018年の『ハロウィン』にはじまった三部作の完結編『ハロウィン THE END』、悪魔のような養子の凶行を描いたヒット作『エスター』の前日談となる続編『ORPAHN:FIRST KILLS(原題)』、『死霊館』ユニバースの最新作『THE NUN 2(原題)』、M・ナイト・シャマランの新作『KNOCK AT THE CABIN(原題)』、そして大御所デビッド・クローネンバーグの新作『CRIMES OF THE FUTURE(原題)』など、注目すべき作品が控えている。これらがどんな境地を切り開いてくれるのか? 楽しみに待ちたい。 

 
 

 

 
文=相馬学 text:Manabu Souma
photo by AFLO
大正製薬の毛髪科学研究を宇垣美里さんがレポート!男性を輝かせる“健やかな髪”の秘密を探る!
SPONSORED
2025.03.03

大正製薬の毛髪科学研究を宇垣美里さんがレポート!
男性を輝かせる“健やかな髪”の秘密を探る!

年を重ねても健康的で魅力的な男であり続けるためには、髪や頭皮も健やかであることが大切。とりわけ30代、40代は、男性が髪のトラブルについて気になりはじめる年頃だけに、日常的なケアが身だしなみの面からいってもマスト。では、そのためにはどんな…

TAGS:   Health&Beauty
槙野智章さんが〈ビクトリノックス〉のマルチツールとバッグを深堀り!男の所有欲を刺激する“機能”と“伝統”と“革新”!
SPONSORED
2025.02.28

槙野智章さんが〈ビクトリノックス〉のマルチツールとバッグを深堀り!
男の所有欲を刺激する“機能”と“伝統”と“革新”!

生活の様々なシーンで便利に使え、もしものときにも役立つマルチツール。そして軽くて堅牢、機能性も抜群なキャリーケースなどのトラベルグッズを手掛けるスイスのプレミアムブランド〈ビクトリノックス〉。そのショールームを、元サッカー日本代表の槙野智…

TAGS:   Lifestyle
〈セオリー〉から画期的な春アイテム登場。出張先や休日にも大活躍する 快適“モーションウール”。
SPONSORED
2025.02.26

〈セオリー〉から画期的な春アイテム登場。
出張先や休日にも大活躍する 快適“モーションウール”。

機能的なスーツは多くあれど、デザインや素材感がカジュアルすぎると着ていく場所を選んでしまうことも。かといってデザイン性にこだわり着心地が二の次になれば、パフォーマンスにも影響してくる。仕事もプライベートも充実したいエグゼクティブには、着心…

TAGS:   Urban Safari Fashion
〈ディースクエアード〉の新作で見つけた!断然差がつく気分がアガる春デニム!
SPONSORED
2025.02.25

〈ディースクエアード〉の新作で見つけた!
断然差がつく気分がアガる春デニム!

アクティブに遊びたくなる春の週末。お気に入りのデニムを着こなし、気分をアゲて出かけたい。まずは〈ディースクエアード〉の新作で、これぞという1着を見つけるところから。最高品質の生地や加工、バラエティ豊富なジャケット、定番の細身スタイルや、今…

TAGS:   Fashion
〈ヘルノ〉の新作で着こなす!大人の春カジュアルは“爽やか”か“品格あり”で!
SPONSORED
2025.02.25

〈ヘルノ〉の新作で着こなす!
大人の春カジュアルは“爽やか”か“品格あり”で!

肩肘張らない大人のお洒落を叶えたいなら、シルエットや着心地にこだわりたいもの。〈ヘルノ〉の新作コレクションなら、機能性と高級感を兼ね備えた巧みな素材使いと、イタリアらしい上質なテイラリングを融合し、リラックスムード漂う着こなしを叶えてくれ…

TAGS:   Fashion
ここぞの1本は〈ディーゼル〉で見つかる!大人の春の勝負服はやっぱりデニム!
SPONSORED
2025.02.25

ここぞの1本は〈ディーゼル〉で見つかる!
大人の春の勝負服はやっぱりデニム!

勝負デートのような“ここぞ”の場面で頼れるのは、やっぱりカジュアルの王様にして普遍的な魅力をもつデニム。イタリアの洒脱なエッセンスが詰まった〈ディーゼル〉の新作なら、間違いのない1本が必ず見つかるはず。旬の黒やグレーから爽やかなブルーまで…

TAGS:   Fashion Denim
着心地も見た目もいい〈タトラス〉の新作!街映えアウターで週末が楽しくなる!
SPONSORED
2025.02.25

着心地も見た目もいい〈タトラス〉の新作!
街映えアウターで週末が楽しくなる!

いい年の大人だからこそ、週末カジュアルは見た目と着心地の両面にこだわって選びたい。特に目立ちやすいアウターは、街に映える1着を選べば気分もぐっと上がるはず。そこで注目したいのが、上質でセンスがいいと定評がある〈タトラス〉の新作アウター。街…

TAGS:   Fashion
今度の〈ベル&ロス〉は大気圏超え!?惑星を手元に収めたロマンあふれる宇宙時計!
SPONSORED
2025.02.25

今度の〈ベル&ロス〉は大気圏超え!?
惑星を手元に収めたロマンあふれる宇宙時計!

航空世界にルーツを持ち、“空”をテーマにした数多くの傑作時計を世に送り出す〈ベル&ロス〉。そのアイコンモデル“BR-03”の新作は、ついに空を超えて、宇宙へとたどりついた!? 星が瞬くスペイシーな空間に惑星が浮かぶ、美しく独創的なダイヤル…

TAGS:   Watches
中澤佑二の快適ルーティン!〈ヤクルト〉の“Y1000”で 自分らしい毎日を!
SPONSORED
2025.02.25

中澤佑二の快適ルーティン!
〈ヤクルト〉の“Y1000”で 自分らしい毎日を!

自分らしく過ごすには、心身ともにすこやかであることが大切。そんな毎日のサポートとして取り入れたいのが、〈ヤクルト〉の“Y1000”。商品に含まれる乳酸菌 シロタ株には、一時的な精神的ストレスがかかる状況でのストレス緩和、睡眠の質向上の機能…

こだわる男の肌は〈プロジスタ〉でエイジングケア!大人のスキンケアはシェービングからはじまる!
SPONSORED
2025.02.25

こだわる男の肌は〈プロジスタ〉でエイジングケア!
大人のスキンケアはシェービングからはじまる!

年を重ねた今こそ必要となってくるのが、年齢に応じた大人仕様のスキンケア。そんな肌のメンテナンスは、実はいつものシェービングからはじまっている。カミソリブランドの代表格〈シック〉から新しく誕生した〈プロジスタ〉なら、シェービング後の肌にスキ…

TAGS:   Health&Beauty

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ