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CULTURE カルチャー

2022.04.02


エディ・レッドメイン「僕は溺れないようにしながら日々を送っていた」

 

 
エディ・レッドメイン「僕は溺れないようにしながら日々を送っていた」
Eddie Redmayne[エディ・レッドメイン]
1982年、イギリス生まれ。名門イートン校からケンブリッジ大学トリニティ・カレッジへ進学。優秀な成績で卒業する一方、プロの俳優の道へ。舞台を中心に活躍した後、2006年に映画デビュー。『エリザベス:ゴールデン・エイジ』『イエロー・ハンカチーフ』『ブーリン家の姉妹』『レ・ミゼラブル』など、様々な作品に出演する。2014年の主演映画『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞。『リリーのすべて』『イントゥ・ザ・スカイ』『シカゴ7裁判』などでも高く評価された。

01
Interview
男装の少女役で注目を浴びる!

『ファンタスティック・ビースト』シリーズの顔として、いまや世界中の老若男女に愛される存在となったエディ・レッドメイン。今年1月の誕生日を境に40代へ突入したばかりだが、そのキャリアはもう長い。幼いころから演技の道を歩みはじめ、ケンブリッジ大学に在学中の2002年にプロとして俳優デビュー。シェイクスピアの舞台『十二夜』で男装の少女ヴァイオラを演じ、大絶賛されたのがはじまりだった。
 

 
「女の子の役から演技のキャリアをはじめたことが、それ以降の多くの厄介な部分につながっているのかもしれない(笑)」と自ら冗談を言うように、レッドメインが演じてきた役柄には挑戦的なものも多い。「キャリアの最初の大きな一歩だった」というドラマ『エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~』で演じた血気盛んなサウサンプトン伯しかり、ジュリアン・ムーアを相手に複雑な母子関係を織りなした『美しすぎる母』の青年しかり、マリリン・モンローに恋い焦がれた『マリリン 7日間の恋』の若き助監督しかり。
 
 
もちろん、「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~」のトム・フーパー監督と再び組み、歌声を披露した『レ・ミゼラブル』も、“車椅子の物理学者”、ハワード・ホーキング博士を演じた『博士と彼女のセオリー』も。大ヒットミュージカル映画の一員としてさらに飛躍した時も、アカデミー賞主演男優賞を受賞してオスカー像を手にした時も、レッドメインのキャリアは常に挑戦と共にあった。
 

 
エディ・レッドメイン「僕は溺れないようにしながら日々を送っていた」

02
Interview
ここ数年はすべてが狂乱のようだった

そういった意味では、『ファンタスティック・ビースト』シリーズのニュート・スキャマンダーも同じかもしれない。『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』を皮切りに、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』、まもなく公開される『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』の計3作に主演。誰もが知る巨大シリーズでありながら、物語は決して一筋縄にはいかず、演じる魔法動物学者ニュート・スキャマンダーも一言で語れる明快な人物ではない。優秀で、純粋で、正義感がありながら、人見知りで、おっちょこちょい。感情の機微も平坦ではなく、掘り下げがいのある主人公を演じながら世界のスターと化したことが、エディ・レッドメインらしいとも言える。
 

 
「ここ数年のことは、すべてがちょっとした狂乱のようにも感じた。とんでもないことが起き続ける中、僕は溺れないようにしながら日々を送っていたと思う。ただし、そういった時ほど、むやみに分析したり、精査したりする時間はない。ただ一歩ずつ前に進み、真っ直ぐ立つようにするだけ。本当に素晴らしい体験でもあったよ。僕にできるのは、ごく普通の生活を送ることだけだしね。パパラッチがいる場所に近づかず、自分の記事をあまり読まなければいい。深刻に受け止め過ぎなければ、大丈夫だと思う」
 
 
魔法界の大きな脅威と対峙しはじめたニュート・スキャマンダーが自分を見失うことなく、魔法動物に愛情を注ぎ続ける中、レッドメイン自身は2人の子供たちの父親になった。「子供たちがやりたいことを奨励し、意欲や野心など、あらゆる意識を持たせる。僕はそういった親だと思う。もちろん、無理に押し付けることはせず、“パパ、もうやめて! 家に帰ろうよ!”と言われないようにしないとね」
 

 
「ちょっとした狂乱」の中で地に足をつけ、「ごく普通の生活」を送る。家庭人としての彼が、自然にそうさせたのかもしれない。もっとも、「演じる僕たちは、ニュートたちほどワクワクする場所へ行けるわけじゃない」とも言うが。「映画が作られるごとに、ニュートたちは新しい地域や国へ行く。でも、僕たち俳優は大抵、ロンドンの郊外にある素晴らしいセットにいるんだ。だから、そこまでラッキーじゃないよ」
 

 

03
Interview
映画と舞台をこなす、エディらしいキャリアバランス

『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』の公開を待つ一方、レッドメインは昨年11月からウエストエンドで舞台ミュージカル『キャバレー』に出演。作品世界へといざなう主要キャラクター、“エムシー”を妖艶に演じ、すでに好評を博している。このキャリアバランスの取り方も、極めて彼らしい。
 

 
「もしこの仕事をしたい人がいるなら、“やってみて!”と言いたい。素晴らしい決断である半面、注意しないといけないことはあるけどね。うまくいき、僕のように幸運が巡ってきた時でさえ、遊牧民の生活であることに変わりはない。信じられないほど激しい体験の後に奇妙な静けさが訪れることもあり、仕事の世界の外で自分なりの不変性とリズムを見つけようとするのは大変なこと。俳優という職業は自分ではほとんどコントロールできず、周りのみんなが主導権を握っているように感じられる。その中で、コントロールできている実感を見つけないとね」
 

 

『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』4月8日全国ロードショー
エディ・レッドメイン「僕は溺れないようにしながら日々を送っていた」
世界の掌握を目論む悪しき魔法使い、グリンデルバルドに立ち向かうため、魔法動物学者のニュート(レッドメイン)は敬愛するダンブルドアや魔法使いの仲間たち、そしてマグル(非魔法族)から成るチームを組む。その過程で、ニュートはダンブルドアとその一族に隠された秘密を知ることに……。シリーズ前2作に続き、監督はデイビッド・イェーツ。共演はジュード・ロウ、マッツ・ミケルセンら。

 
文=渡邉ひかる text:Hikaru Watanabe
photo by AFLO
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