4月8日に公開される最新作『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』で、再び災難に巻きこまれる凄腕ボディガード、マイケル・ブライスを演じたライアン・レイノルズ。異色ヒーロー映画『デッドプール』シリーズや『フリー・ガイ』など、ライアンといえばアクションコメディを連想するほど、その活躍は印象深い。アクションとコメディのバランスは難しいように思えるが、本人はどう捉えているのだろうか?
「僕が思うに、アクションとコメディはピーナッツバターとジャムみたいにセットみたいなものだと思うんだよね。一緒なのが大事なんだ。今回みたいな映画で、笑いはある意味アクションを際立たせ、アクションは笑いを際立たせる。僕は、ちょっぴりビターないたずらのシーンなくして素晴らしいドラマは作れないと思うし、いいアクション映画はできないと思うよ。だからアクションとコメディが一緒なのはすごくいい。バランスとトーンの問題だよ。どちらか片方がやりすぎだとダメだと思うけど、適切なバランスを心がければ大丈夫。こういう映画がずっと好きだったし観てきたから、今回、出演できたのはとてもラッキーだったと思う」と、ライアンはそう語る。ピーナッツバターとジャムの相性については横に置いておいて、アクションとコメディがワンセットなのは、大いにうなづける。
本作は2017年の『ヒットマンズ・ボディガード』の続編。過去のトラウマで心を病んだマイケル・ブライスは休暇を取り、バカンスへ。ところが、殺し屋ダリウス・キンケイドの妻ソニアが現れ、いつの間にか銃撃戦に巻きこまれてしまう……。「本作のマイケルが面白いのは、銃や殺人などがつきまとうボディガード業は長期休暇中で、もう銃を使わないところ。防犯スプレーだけ持ち歩くんだ。バイオレンスシーンがある事は気にしないんだけど、理由もなくただ銃を撃つようなキャラクターより、もう少し上のステップを試したかった。間が抜けた顔は演じてて本当に楽しかったよ。スケールの大きいアクション映画でこういう役は久しぶり。大きいバトルシーンで銃を使わないとしたらどうする? ってことを、型破りに考えなきゃいけなかった」とコメント。確かに、ライアンの間が抜けた顔は本作の見どころのひとつに違いない。
コメディとなると共演者とのコンビネーションも重要なポイント。相棒のサミュエル・L.ジャクソンとは、どんな関係なのだろうか?「サム(サミュエル)との相性は本当にユニークだ。相性って、作ろうと思って作れるものじゃないと思う。それに彼は際立って巧みで臨機応変な俳優。時々ちょっと不機嫌になったりするけど、サムは不機嫌でも魅力的なんだ」と、ベテラン俳優の巧みさを賞賛。さらに、本作でサミュエル以上の活躍を見せるサルマ・ハエックについて、「ソニアという魅力的なキャラクターはサルマが作り上げたものなんだよね。何人かで台本を書き直したことを覚えているけど、どこにもそんなことは書かれてなかった。サルマがやったことは本当に印象深くて、今回はソニア中心になったほどだよ。サルマの能力と貢献は本当に素晴らしいよ。ただ書かれていることをやるんじゃなくて、アドリブだったり提案だったり僕らにアイデアをくれたり。今回の映画では、サルマがソニアとしてそれぞれのシーンを支えてくれたから全く違うものになったし、見ていて本当に楽しかったよ」と、こちらも絶賛。サルマ・ハエックのハジけっぷりは、前作にはない大きな魅力だ。
「映画の半分はびしょ濡れになっていた。海や川、水という水全部に飛びこんだ。たくさんスタントをやって、たくさんアザを作ったけど、全部戦利品だね。それが仕事だし、楽しいよ。ユーモアと不条理な行動はこの映画の必要不可欠なものだし、個人的には気に入っているし、喜んで引き受ける。それに僕は自分を笑い飛ばすのが好きなんだ。映画というのは現実逃避ができるすばらしい娯楽だ。僕はこの世界がすごく居心地がいいし、俳優をやれることが幸運だと思っている」と語るライアン。アザを作っても楽しいよと言えるなんて、実に素敵な考え方。これは、ますますファンが増えていきそうだ。
『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』4月8日公開
監督/パトリック・ヒューズ 出演/ライアン・レイノルズ、サミュエル・L.ジャクソン、サルマ・ハエック、アントニオ・バンデラス、モーガン・フリーマン 配給/リージェンツ 提供/リージェンツ/ハピネットファントム・スタジオ
2020年/アメリカ/上映時間116分