同じ俳優の別作品を立て続けに観ることも、映画の楽しみ方のひとつ。撮影時期はまったく違うのに、映画館での公開が同時期になる偶然もある。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が日本でも大ヒット中のトム・ホランド。その主演作がまたひとつ登場し、2作を観比べるのもオススメだ。
この『アンチャーテッド』の原案は、世界中で人気の同名ゲーム。秘宝や伝説の都市をめぐるアドベンチャー的ゲームなので、映画化にうってつけだ。オープニングから、いきなり目を疑う空中アクションが展開。いったいどういう状況で、何が起こっているのか、ワケもわからず引きこまれる感覚。そしてそこに至る物語が展開していく。主人公はネイサン・ドレイクという青年。海洋冒険家の末裔らしく、ただ一人の肉親である兄と生き別れになり、NYでバーテンダーになっていた。兄からは絵葉書が送られてくるが、行方はわからない。そんなネイサンが、トレジャーハンターのサリーから冒険に誘われる。目当ては、マゼランの航海中に隠された50億ドルの財宝。NYでの重要アイテムのオークションを皮切りに、スペイン、そしてアジアまで、世界を股にかけた2人のド派手な冒険がスタートする。
『インディ・ジョーンズ』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』、さらに『ダ・ヴィンチ・コード』などの秘宝探し&謎解きのテイストをふんだんに盛りこみ、テンポのいい流れで飽きさせない。終盤のバトルは、アクション映画を観慣れた人にとっても圧巻の体験になるだろう。ネイサンとサリー、まったくキャラの違う男2人のバディムービーの魅力も万全で、冒険のカギを握るパワフルな女性キャラとの絡みも予想不能の方向へ突き進む。つまりアクションエンタメとして上出来なのだ。そしてやはりトム・ホランドが今回もイイ味を出している。スパイダーマンを重ねたくなる過激なスタントはもちろんだが、どこか頼りなく、“いじられキャラ”全開でネイサンを名演。相棒役マーク・ウォールバーグとともにスターの個性を満喫できる1本!
『アンチャーテッド』2月18日公開
原案・脚本/レイフ・ジャドキンス 監督/ルーベン・フライシャー 出演/トム・ホランド、マーク・ウォールバーグ、ソフィア・アリ、アントニオ・バンデラス 配給/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2022年/アメリカ/上映時間116分