101匹わんちゃんの敵はデザイナーだった!?『クルエラ』
ここ数年、ハリウッドの話題作に “ヴィラン=悪役”が欠かせない。アカデミー賞で主演男優賞を受賞した『ジョーカー』を代表格に、ハーレイ・クインなど魅力的なヴィランが、次々と観客を虜にしている。この『クルエラ』も明らかにその系譜。ディズニー作品だが、思いのほか過激に“攻めてる”ので大いに楽しめるはず。
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『クルエラ』
胸アツなポイントは?“1970年代カルチャー満載の世界観が刺激的!”
クルエラとは、『101匹わんちゃん』に登場した悪女。ダルメシアンの子犬たちを誘拐し、あの白と黒のブチ模様の皮でコートを作ろうとする、愛犬家にとっては悪魔のような存在だ。そんな彼女が、どんな過去を送ったのか……というのが、今回の『クルエラ』の物語。
本名は、エステラ。白と黒のツートンカラーの髪で生まれ、少女時代から周囲の冷たい視線を浴びてきた彼女が、ロンドンで2人の悪ガキと出会い、泥棒など犯罪に手を染める。デザイナーを夢みていたエステラは、ファッション業界のカリスマにその才能を見出され、大胆な発想をフルに使って、服のデザインをはじめる。
最初から“悪の本能”をちらつかせるエステラだが、ある事件をきっかけにクルエラと名前を変えて、恐ろしい行動に踏み出すのだった。
メインの舞台は、’70年代のロンドン。ファッション界のドラマなので、当時のパンクなスタイルが刺激的に再現されるのはもちろん、音楽も’70年代前後の曲がたっぷり登場。しかも名曲をほかのアーティストがカバーしたバージョンだったりと、なかなか“通”なセレクトだ。
クイーンの曲に乗ったカーチェイスなど、要所のアクションも見応えがある。そしてなにより、観る者の心をつかむのは、エステラ役、エマ・ストーンの堂々たる演技。アカデミー賞主演女優賞を受賞した『ラ・ラ・ランド』もそうだったが、とにかくスクリーンに華を与える才能は、現在のハリウッドで最高峰では? パンクで痛快なノリに、切実な瞬間も見せる悪女に、虜にならない人はいないだろう。
『クルエラ』
製作総指揮・出演/エマ・ストーン 監督/クレイグ・ギレスピー 脚本/デイナ・フォックス、トニー・マクナマラ 出演/エマ・トンプソン、ジョエル・フライ 配給/ディズニー
2021年/アメリカ/134分
5月27日より全国ロードショー、5月28日よりディズニープラス プレミア アクセスにて配信
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