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CULTURE カルチャー

2025.11.23


川崎ブレイブサンダースを牽引する司令塔【篠山竜青】、Bリーグ初年度の頂上決戦が飛躍の追い風に!

川崎ブレイブサンダースのキャプテンにして、発足当初からBリーグを盛り上げ続けてきた屈指の人気選手でもある篠山竜青。ベテランPGがBリーグの頂上決戦で抱いた特別な思いとは!?

バスケットボール選手 篠山竜青
1988年、神奈川県生まれ。日本大学を経て、2011年に東芝ブレイブサンダース(現・川崎ブレイブサンダース)に加入。NBL時代に2度のリーグ優勝、天皇杯では2014年、2021年、2022年の3回の優勝を経験。昨シーズンは、“B1 ベストFT成功率賞”を初受賞。

2011年の加入以来、川崎ブレイブサンダース一筋で戦ってきた篠山竜青。そんな篠山がそのキャリアにおける分岐点として語ってくれた試合は、Bリーグの初代王者の座を懸けて栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)と戦った2016-17ファイナル。国立代々木競技場第一体育館で現在の3戦2勝方式とは違う一発勝負で行われたこの1戦は、頂上決戦にふさわしい互角の戦いに。リードが14回も目まぐるしく変わる激闘を繰り広げたが、79-85と僅差で敗れ、あと一歩でタイトルを逃した。

「試合に負けてしまい、ファンの人たちを勝たせてあげられなかったことが本当に悔しくて仕方なかったのですが、Bリーグ以前は実業団の社員選手だったので、“バスケットボールがこんなに盛り上がる日が来るなんて思っていなかった”という気持ちになった試合でした。Bリーグが発足する前のJBL、NBL時代も天皇杯などの大きなタイトルを勝ち取るためのファイナルは経験していましたが、1万人を超える大観衆の前でバスケットボールをしたのは、はじめてのこと。実業団だった頃は、応援してくれる人たちも会社の人たちが中心で、純粋にバスケットボールを見たい人があんなにもたくさん集まって見てくれる感覚は味わったことがなくて。試合開始前に両チームのフラッグを使ったセレモニーがあったのですが、そのスケールの大きさと超満員の会場の盛り上がりに感動して、実は泣きそうになっていました(笑)」

Bリーグという、より大きなステージが生まれ、そこで頂点を争う戦いができるようになったことは、実業団時代から日本のバスケットボールの成長を夢に見て戦ってきた篠山にとってはキャリアにおける大きな転換点となった。一方で、栃木を同じポイントガードとして牽引した田臥勇太とのマッチアップで感じたものも大きかったという。当時のインタビューでも「今日の試合で田臥さんに“まだまだ甘いよ”といわれているようなゲームだった」と語っていたくらいだ。

「日本のトップのガードのすごさを目の当たりにして、大きな刺激を受けたのは覚えています。田臥さんのような司令塔やキャプテンになれるように自分がレベルアップしないといけないし、もっとチームを勝利に導けるポイントガードに成長したいと思いました。自分をさらに成長させたい気持ちになった体験でした」

同時にこのファイナル以降、日本代表での評価や立ち位置も変わったという。

「それ以前も日本代表に招集されて試合で戦ってきましたが、呼ばれないこともある状態でした。当時のヘッドコーチがファイナルを見てくれたのかはわかりませんが、あのゲーム以降、安定して招集されるようになったので、その意味でも僕の中では分岐点だったと思います」

実際、篠山は2017年夏以降、日本代表に定着。2019年のFIBAバスケットボールワールドカップで21年ぶりに自力で出場権を獲得するに至った地区予選の戦いでは、上昇気流に乗るチームをキャプテンとして牽引した。

Bリーグ初年度のファイナルにふさわしい激闘を繰り広げた川崎ブレイブサンダースは、中地区屈指の強豪として一時代を築くことに。そして、ニック・ファジーカスが現役を引退して迎えた2024-25シーズンは、変革のシーズンを迎えた。篠山自身、覚悟はしていたと語るが、中地区8位の18勝42敗という結果でBリーグ開幕後、はじめてのシーズン負け越しを経験することになった。

「ニックがいないとどんなバスケができるのかということがシンプルに楽しみで、その気持ちをずっと持ちながらやれた1年だったと思います。優勝まであと一歩だったシーズンも印象には残っていますが、そんなシーズンと比べても昨期はこの先ずっと記憶に残り続ける1年になったと思います。バスケットは、苦しい時間帯に我慢できるかどうかが大切。それはゲームだけでなく、新しいチームを作っていくうえでも同じことだと思っています。今期はプレシーズンのゲームで、チームとしてやろうとしていることは間違いないことが確認できています。あとはディテールを詰めていくことで、新しいチームの形を作っていけると思っています。昨シーズンの結果は決してよいものではありませんが、僕個人の意見として新たな川崎として間違っていない一歩めを踏めたシーズン。その歩みを継続することが、再び強い川崎になるためにも大切なことだと思っています」

アーティスト 田村 大
1983年、東京都生まれ。2016年にアリゾナで開催された似顔絵の世界大会であるISCAカリカチュア世界大会で、総合優勝。アスリートを描いた作品がSNSで注目を集め、現在のフォロワーは10万人以上。その中にはNBA選手も名を連ねる。Instagram:@dai.tamura

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※『Safari』12月号254〜256ページ掲載

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イラスト=田村 大 構成&文=遠藤 匠
illustration : Dai Tamura composition&text : Takumi Endo
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