映画『サンダーボルツ*』はヒーロー無き世界だからこそ輝くクセ者たちに魅了される!
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『アベンジャーズ』シリーズが一旦終了して以来、どこかブームも落ち着いた感のあるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)。もちろん現在も新作が多くのファンに歓迎され、話題にはなるが、興味が薄れてきた人も一定数いるのでは? そんな“遠ざかった”人のテンションを再び上げそうなのが、この『サンダーボルツ*』だ。
主人公たちは、これまでのMCUでヴィラン(悪役)やアウトロー(無法者)、深い傷を抱える側面が大きかった面々。要するに真っ当なヒーローとは一線を画すキャラが、その人生を大逆転させるような戦いに挑む。最強のヒーロー集団“アベンジャーズ”がいなくなった世界だからこそ、彼らが輝ける。そんなプロセスに、映画を観るわれわれの本能も揺り動かされる。それが『サンダーボルツ*』の魅力だ。中心となるのは、ブラック・ウィドウの妹である暗殺者のエレーナと、初代キャプテン・アメリカの親友で現キャプテン・アメリカとも絆を育んだバッキー(ウィンタ-・ソルジャー)。そんな風に紹介すると、過去のMCUを理解していないとダメかも……と思われるが、その必要はナシ! 単独の作品としてここまで楽しませるのも、近年のMCUとして異例なのだ。
マレーシアでの過激なミッションをこなしたエレーナは、雇い主のCIA長官ヴァルからの新たな仕事で現場に向かったところ、そこで同じような依頼を受けた者たちと“袋のネズミ”にされかける。その現場に潜んでいた謎の人物ボブ、そして今や国会議員となったバッキーも絡み、ならず者たちの反撃がはじまる……というストーリー。この手の“集団ヒーロー”ものは、各キャラの描き分けが勝負の分かれ目だが、そこが本作は最上級。一見、クセ者ばかりで似たように見えつつ、キャスト陣のハマリ方がハイレベルで、それぞれの性格、パワーが一目瞭然。中でもエレーナ役のフローレンス・ピューは、ハリウッドで最も勢いのある若手スターのオーラ&演技力を実感させる。主人公たちのチームワークが築かれる流れもスムーズだし、何よりこの映画、アクション映像が観やすく設計され、ストレートに感情を突き動かしてくるのがポイント(CGや小細工が多い最近のアクション映画に不満だった人にオススメ)。急加速する終盤、その後のラストまで、鮮やかな作りも堪能してほしい。
『サンダーボルツ*』5月2日公開
製作/ケヴィン・ファイギ 監督/シェイク・シュライアー 脚本/エリック・ピアソン、ジョアンナ・カロ 出演/フローレンス・ピュー、セバスチャン・スタン、ワイアット・ラッセル、オルガ・キュリレンコ、デヴィッド・ハーバー 配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン
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