映画『サイレントナイト 』はセリフがほぼゼロの激アツ復讐劇!
- SERIES:
- 今週末は、この映画に胸アツ!
- TAGS:
- 今週末は、この映画に胸アツ! Culture Cinema
ハリウッドのグローバル化が加速し、アジアの才能にも活躍の場が広がってきた、ここ数年。その先駆者とも言えるのが、ジョン・ウー監督だ。香港アクション映画で才能を開花し、ハリウッドで『フェイス/オフ』や『ミッション・インポッシブル2(M:I-2)』、中国で超大作『レッドクリフ』2部作などを手がけた名匠が、どんな最新作を届けてくれたのか?
基本的にハリウッド映画がメインになったジョン・ウーなので、本作もアメリカが舞台。主演に『スーサイド・スクワッド』シリーズなどアクション大作で存在感を発揮しはじめているジョエル・キナマンを迎えた。幸せに暮らしていた家族がクリスマスイブの悲劇に見舞われる。庭で遊ぶ幼い息子が、ギャングの抗争の流れ弾に当たって命を落としてしまうのだ。父親のブライアンはギャングたちを追うも、銃撃に巻き込まれて瀕死の重傷を負ってしまう。そのブライアンが、たった一人でギャングに立ち向かうことを決意し、壮絶な復讐劇が展開していく。当然ながらブライアンは“カタギ”の人間。執念に燃えた彼の、銃やクルマを使ったトレーニング、肉体改造、綿密な復讐計画のストイックな日常に没入させるのが本作の持ち味だ。
もちろんジョン・ウーらしいアクションは炸裂しまくる。並走する車同士のガンファイト、見せどころでの二丁拳銃の使用、派手な炎上、さらに“ここぞ”という場面で着るレザーコートなど、香港時代の『男たちの挽歌』から、ハリウッドでの『フェイス/オフ』まで、彼らしいエッセンスを全編で感じられるはず。ジョン・ウー作品ではないが、ブライアンの孤独な戦いは『ジョン・ウィック』シリーズに通じるテイストも備える。ジョン・ウーといえば“鳩”がどこかで出てくるのが、映画ファンにとっての常識。では今回はどうか? ちょっとアレンジという感じで期待しながら観てほしい。そして本作の最大の特徴が“セリフがほぼゼロ”という点。ブライアンは冒頭で首に銃撃を受け、声が出せなくなる。他の登場人物もほとんど言葉を発せずに映画が進むことで、スリルや切迫感が高まっていく。ポイントの会話はチャットで表現され、人の声はラジオや警察の無線の音に限定という独特のムードに、アクションの巨匠のチャレンジ精神を実感してしまう!
『サイレントナイト』4月11日公開
製作・監督/ジョン・ウー 脚本/ロバート・アーチャー・リン 出演/ジョエル・キナマン、スコット・メスカディ、ハロルド・トレス、カタリーナ・サンディノ・モレノ 配給/クロックワークス
2022年/アメリカ/上映時間104分
●こちらの記事もオススメ!
この作品、見逃してない?アマゾンプライム・ビデオ『リーチャー 〜正義のアウトロー〜』は寡黙で強い主人公にスカッとさせられる!
©2023 Silent Night Productions, Inc. All Rights Reserved