ナイーブな青年トランプが、なぜ豹変した? その理由は映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』にあり!
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1月20日(現地時間)に行われるアメリカ大統領就任式。その主役である“あの人”を描いた作品が、絶好のタイミングで日本公開を迎える。社会を賑わせるニュースと映画がリンクするという貴重な経験を味わってほしい。
タイトルにあるとおり、本作はドナルド・トランプがどのようにして現在のキャラクターになったのか。その“原点”をドラマチックに再現する。脚本を書いたガブリエル・シャーマンは長年、政治ジャーナリストとして活躍。駆け出しの頃からトランプ本人に何度もインタビューしている。そんなシャーマンが綿密なリサーチの末に、20代のトランプの素顔をあぶり出していくのだから、“ほぼ実話”と受け止めていい。1970年代のニューヨーク。父親が営む不動産会社が破産寸前に追い込まれ、息子のドナルド・トランプは悪名高き弁護士ロイ・コーンに近づくことで、時代の寵児とも呼ばれる不動産王へとのし上がっていく。ロイ・コーンからの教えとは“相手を攻撃せよ”、“自分の非は全否定”、そして“劣勢でも勝利を主張”。まさにここ数年のトランプに当てはまるものばかり。コーンとの関係によって、ナイーブな青年がどんどん変貌していくプロセスは、とにかくスリリングだ。
若きトランプを演じるのは、セバスチャン・スタン。マーベル映画のウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ役で知られる彼は、顔立ちがトランプに似ているわけではない。しかしヘアスタイルや衣装で外見を近づけたうえ、表情の作り方、手の動きの癖、話し方をうまく模倣。しかも映画の終盤に近づくにつれ、どんどん今の本人にそっくりになっていくのは驚くばかり! 師と仰いだロイ・コーンへの態度が変わっていく様子など、トランプが憑依したかのようだ。トランプとその陣営からは、この映画の上映を阻止する動きがあったとされ、どこまで赤裸々でセンセーショナルな内容なのかは、是非確認するべき。何かと批判にさらされがちなトランプだが、この映画を観ると、人々がどんなリーダー像を求めるのか。それが社会背景によってどう変わるのかが理解できるかもしれない。そして観た後、「これからの4年間がどんな世界になるのか」と想像力が広がるため、“映画ってスゴい”と感じる人も多いだろう。
『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』
監督/アリ・アッバシ 脚本/ガブリエル・シャーマン 出演/セバスチャン・スタン、ジェレミー・ストロング、マリア・バカローヴァ、マーティン・ドノヴァン 配給/キノフィルムズ
2024年/アメリカ/上映時間123分
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