【LA情報も!】ホアキン・フェニックス主演『ボーはおそれている』
常に話題のホラー映画を生み出している映画スタジオA24と、天才監督アリ・アスターが3度めのタッグで仕掛けるのは、世界一狂った帰省を描く誰も見たことがないスリラー。ホアキン・フェニックスが悪夢のような冒険を繰り広げる、超問題作がやって来る!
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- 見逃せない人気スターの最新作! vol.16
恐怖とユーモアにあふれた旅!
アパートで1人暮らしをしている心配性のボーは、近所をうろつく不良たちのふるまいや、うがい薬をうっかり飲んでしまったことなど、些細なことにビクビクし、いつも不安に怯えている。長年セラピーにも通っているが、改善していない。そんなある日、母が死んだという連絡を受けたボーは、葬儀のために帰省しなくてはいけなくなる。威圧的な母を愛しつつも恐れていたボーにとって、実家は心理的にも物理的にも遠い場所だ。ボーはなんとかアパートを出るが、事故にあったり、道に迷ったり、予想外のアクシデントが次から次へと起こり、実家に帰ることができない。母と過ごした幼き日の思い出もフラッシュバックし、次第にボーの精神は病んでいく。夢か? 現実か? なにが真実かわからなくなる、旅の果てに待つ、驚きの結末とは……?
『ボーはおそれている』
監督 : アリ・アスター
出演 : ホアキン・フェニックス、ネイサン・レイン、エイミー・ライアン
2月16日(金)より全国公開
配給 : ハピネットファントム・スタジオ
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アリ・アスター監督といえば、観客をびっくりさせる想像力の持ち主。本作は1章ごとにテイストが変わっていき、いくつもの映画を見ているような楽しさがある。
【Chapter 01】はじまりは予測不能な不条理劇!
壁には落書き、道端には不良たち。治安が悪いアパートに住むボーは心配性だ。はじめの章では、ボーの不安がどんどん現実になっていく。理不尽で悲劇的なのに、どこか滑稽で面白い。
【Chapter 02】ダークなコメディ展開を楽しむ第2章!
ボーは実家へ帰る途中、交通事故にあってしまう。優しい外科医夫婦が世話をしてくれ、はじめて家庭の温かさを感じるが、次第に不穏な空気が流れだす。第2章は、アスター監督らしいホラーとコメディの要素がたっぷり。
【Chapter 03】第3章はおとぎ話のような映像美!
再び実家を目指すボーは、迷い込んだ森の野外劇場で現実とも空想ともつかない神秘的な物語を見る。絵画の中に入り込んだような、幻想的な映像が美しい。そして、予想外のラストへ。
この役を気に入りオファーを受けたホアキンは、念入りに役作りに挑み、肉体的にもボーに変身。その悲しげで不気味な雰囲気は、撮影現場で共演者から清掃員に間違われるほどだったそう。ボーになりきった役者魂はさすが!
21世紀最高のホラーと称された『ヘレディタリー/継承』では、一族に潜む深い闇を描き、続く『ミッドサマー』では、陽気な祝祭が悪夢に変わる展開で観客の心をえぐったアリ・アスター監督。ダークでユーモアあふれる物語と映像で、毎回観客にトラウマ級の傷あとを残しているが、本作はこれまで以上に恐怖と混乱に満ちていて面白い。現代ホラーの頂点を極めたアスター監督にしか生み出せない、予測不能な展開と忘れられない結末を楽しんで!
ハリウッドで今なにしてる!?
ミステリアスかつ型破りな役どころで知られるホアキン・フェニックスだが、その生い立ちはまるで映画のように波乱万丈だった。幼少期に、家族で入信していた宗教団体を脱退。ワゴンに乗って家族7人でハリウッドへ引っ越し。直後の1980年代前半には、テレビドラマへ出演している。
映画でも主要な役をつかむなど、子役として成功したものの、一時はオファーが途絶え、俳優から身を引いたこともあったという。しかし、俳優を続けるよう励まされていた、兄で俳優のリヴァー・フェニックスの死に立ち会ったことをきっかけに活動を再開。現在の独特な演技スタイルと深みのあるキャラクター描写は、彼の人並み外れた経験によっても培われてきたといえよう。
「演技とはドキュメンタリーのようであるべきだといつも思っていました。つまり、自分が思う“その瞬間にキャラクターが経験していること”を感じ取るべきなんです」と米『バニティ・フェア』誌で語るホアキン。『ジョーカー』で絶賛された彼が、今年公開予定の続編で見せる姿にも期待せざるを得ない。
プライベートでは、動物愛護の活動家としても知られているほか、ハリウッド・ヒルズで生活をともにしているルーニー・マーラとの関係も注目されている。2人は映画の共演で出会い、その後たびたび公の場にツーショットで登場。2020年に第1子をもうけ、2022年には結婚の報道もされるなどハッピーな話題が多い。2人が再び共演した映画『Polaris(原題)』が公開されるみたいだし、今後も目が離せそうにない。
『ジョーカー』の続編『Joker: Folie à deux(原題)』の撮影中のひとコマ。場所は、前作で一躍有名スポットになったニューヨーク・ブロンクスにある通称ジョーカー階段。続編はレディー・ガガ(左)の出演でも話題となっている。右は監督のトッド・フィリップス。
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雑誌『Safari』3月号 P194~195掲載
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text : Yuka Marmo Okamura photo by AFLO