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CULTURE カルチャー

2018.04.12


『パシフィック・リム:アップライジング』/『さよなら、僕のマンハッタン』

セレブで選ぶ編
ムネアツなポイントは?“ジョン・ボイエガがアクション俳優として覚醒‼”
『パシフィック・リム:アップライジング』

『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞を獲得したギレルモ・デル・トロ監督が、日本の特撮作品への愛をたっぷりと注ぎこんだ『パシフィック・リム』。その続編がいよいよ公開される。今回、デル・トロ自身は製作にまわったものの、怪獣や日本文化へのリスペクトは引き継がれ、前作以上の仕上がりになっている。地球の存亡を賭けて、東京、富士山を舞台にKAIJU対イェーガーの超ヘビー級バトルが勃発する!



前作から10年後を描く本作。主人公は、先の大戦で活躍した英雄ペントコストの息子ジェイク。このジェイクを演じるのが、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で名を馳せたジョン・ボイエガだ。まだ26歳の若手俳優で、しかも製作費が1億ドルを超えるビッグバジェット作品の主演は今回がはじめて。しかしながら、臆することなく堂々と演じ切っている。



これまでのジョン・ボイエガといえば、『スター・ウォーズ』シリーズでは並みいるキャラクター陣の後塵を拝し、突出した魅力を発揮できずにいたのだが、今回は大違い! 直情的だが正義感があるジェイク役は、彼の特長を見事に引き出していて、アクション俳優としての才能を覚醒させたといっても過言ではないほど。これまでアクション俳優の若手スターがなかなか出てこなかったハリウッドだが、スクリーンで躍動する彼に、待ちに待ったスターがついに誕生した!と胸躍らせる人も多いはずだ。



さて、本作での日本文化へのリスペクトは演出の面からも感じられる。日本人だからこそ思わずニヤリとしてしまう妙味があるのだ。というのも、日本のアニメや戦隊ヒーローからインスピレーションを得たのではないかと思われるシーンが随所に登場するから。地球侵略を目論むKAIJUと国際防衛組織の人型巨大兵器イェーガーがクライマックスで激突する地は、なんと東京! 巨大ビルが建ち並ぶ近未来の街並みもさることながら、そこではあの“RX₋78₋2ガンダム”が、一瞬だけだが登場するので、そちらにも是非注目してほしい!



●『パシフィック・リム:アップライジング』
製作/ギレルモ・デル・トロ 監督・脚本/スティーヴン・S・デナイト 出演/ジョン・ボイエガ、スコット・イーストウッド 配給/東宝東和
2018年/アメリカ/上映時間111分

4月13日より、TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー
 

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物語で選ぶ編
ムネアツなポイントは?“年上女子に憧れる男子的共感度が高し!!”
『さよなら、僕のマンハッタン』


なんとなく胸が締めつけられる予感がする、このタイトル。原題の「The Only Living Boy in New York(=ニューヨークの少年)」は、サイモン&ガーファンクルの名曲だ。「サウンド・オブ・サイレンス」「明日に架ける橋」ほどメジャーではないが、彼らのファンなら絶対に愛して止まない切ないメロディの、隠れた名曲だ。今作は、その曲から生まれた脚本を映画化したもの。歌詞とストーリーは一致していないが、主人公の名前=トムは歌詞と同じである。



大学を卒業するも、将来の進路に悩むトーマス(トム)には、想いを寄せる女性がいるが、彼女にはすでに恋人がいる。ある日、トムは父に愛人がいることを知る。その愛人を追いかけるうち、トムも彼女に惹かれていく……。と、なにやら妖しくも危険な香りが立ちこめる展開。若いトムが経験豊富な年上女性に翻弄されつつ、それでも自分を大人っぽく見せようとするプライドなどが描かれ、男子的共感度の高いストーリーになっている。



監督を務めたのは、『(500)日のサマ—』などのマーク・ウェブ。そういえば『(500)日のサマ—』の主人公もトムだった。そしてこの『さよなら〜』の主人公はトーマス・ウェブ。偶然のつながりだが、監督の分身のように感じてしまう。『(500)日のサマ—』や前作の『gifted ギフテッド』もそうだったが、ウェブ監督の作品は、使用楽曲やスコアと、物語、あるいは作品のムードとのリンクを重要視する人。“音楽あるある”ネタで楽しませてきた。今回もサイモン&ガーファンクルや、ボブ・ディラン、ルー・リードなどの曲が使われるのだが、タイトル曲以外は、これみよがしではなくサラッと流れる感じ。そこが妙に心地よい。



全体にストーリーもあっさりとしている。盛り上がりそうで盛り上がらない。ではつまらないかといえば、そうではない。この映画の魅力は“小説”に似ているかもしれない。一度めはなにげなく通りすぎた描写やセリフが、次に観たときには胸に深く突き刺さることがある。好きな小説を読み直したときの“発見”のような感覚……。

主人公を含め、何人かの登場人物が文章に関わる人生を送っているせいか、あちこちに小説的な至言がちりばめられ、それが時間とともに熟成されて胸に迫ってくるのだろう。「人生に身を委ねろ。窓を見つけて、飛び出せ」、「世界で最も長い距離は、現実と理想の間に横たわっている」、などなど。もちろん1回観ただけでも、サラリとした印象が静かに心にしみわたる、不思議なテイストの1作である。



●『さよなら、僕のマンハッタン』
製作総指揮・出演/ジェフ・ブリッジス 監督/マーク・ウェブ 出演/カラム・ターナー、ケイト・ベッキンセール、ピアース・ブロスナン 配給/ロングライド
2017年/アメリカ/上映時間88分

4月14日より、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

© 2017 AMAZON CONTENT SERVICES LLC

文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito

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