AI人形のリアルすぎる映像に驚愕する『M3GAN/ミーガン』は近未来を予言している!?
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社会の“旬”の話題をイチ早く取り込むのも映画の役割。いま世界の人々が注目しているニュースといえば、ChatGPTに代表されるAIだ。これまでもAIを題材にした映画はたくさんあったが、時代の流れに合わせるかのように、あまりにもリアルに感じられる一作が誕生した。
『M3GAN/ミーガン』に登場するのはAIの人形。感情をもった人形の映画といえば、チャッキー(『チャイルド・プレイ』)やアナベルが有名だが、本作のミーガンはとにかく高性能なAI。その機能が描かれるエピソードの数々に、観ながら前のめりになってしまう。そもそもミーガンは実験段階の商品で、まだ世に出してはいけなかった。
ミーガン開発チームの一人、ジェマが、交通事故で両親を亡くした姪っ子のケイディに、ミーガンを実験用として与えたことからすべてがはじまる。持ち主に話しかけられることで、人間の感情を学習。その人のための最適な行動をとるようになるミーガン。これはまさにAIの特徴。しかしケイディへの愛情が強くなることで、“彼女のために”という名目で、ミーガンの行動は過激化してしまうのだった……。
AIの人形の暴走の歯止めが効かなくなり、想像を絶する惨劇につながる展開は、ある程度、想像どおりだろう。しかし予想をはるかに超えるのは、ミーガンのビジュアルである。明らかに人間と人形の中間点の表情で、それがめちゃくちゃ怖い。
ミーガンの映像化には、生身の俳優、CG、パペット、アニマトロニクス(遠隔操作で人形を動かす技術)が、シーンやアングルによって使い分けられ、ときには合成されつつ、どこまで生身でどこまで特殊効果なのか、まったくわからない。ミーガンの映像を眺めているだけでテンションが上がり続ける。ミーガンが奇妙なダンスを披露するなど、思わず笑ってしまう描写もあって飽きさせないので、ホラーが苦手な人にも“話題のAI映画”と勧めたくなる一作。ChatGPTを使うのが、ちょっとだけ怖くなる……かも!?
『M3GAN/ミーガン』6月9日公開
製作・原案/ジェームズ・ワン 原案・脚本/アケラ・クーパー 製作/ジェイソン・ブラム 監督/ジェラルド・ジョンストン 出演/アリソン・ウィリアムズ、バイオレット・マッグロウ、ロニー・チェン 配給/東宝東和
2023年/アメリカ/上映時間102分
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