人気シリーズの中には“絶対に映画館のスクリーンで観るべき”という作品がある。1993年に映画界に革命を起こした『ジュラシック・パーク』。そこからスタートしたシリーズは、まさにその最高峰だろう。2022年の夏、6作目を数える『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』が完成。シリーズ完結編として必見だ。
“パーク”から“ワールド”へ名前を変えつつ、基本的に恐竜たちが生息するテーマパークや島がメインだった『ジュラシック』シリーズだが、今回は舞台が世界規模へと広がる。スケールアップという点では異常事態だ。前作での火山爆発をきっかけに恐竜たちは人間社会に放たれてしまい、日々のニュースでも恐竜と人間の遭遇が報じられ、希少な恐竜は闇取引されるようになった。恐竜のDNAを使った研究で世界を動かそうとする企業も現れ、そのバイオシン社が物語の重要ポイントとなる。前2作からの主人公、オーウェンとクレアは、クローンから生まれた14歳の少女メイジーと山奥で生活していたが、恐ろしい陰謀に巻き込まれていく。アメリカ各地や、地中海のマルタ島での攻防は、想像を超えた場所へたどり着き……。
完結編ということで、シリーズの“レジェンド”が再集結。1作目『ジュラシック・パーク』の3人の博士が、同じキャストで再会を果たし、それぞれの知識と経験を使って大活躍。29年ぶりの3ショットにシリーズファンは胸が熱くなるはず。アクションに関しても雪原や大海原、世界遺産の街並みなど、恐竜たちの出現シーンは、過去のどんな映画でも観たことのないビジュアルに結実。CGはもちろんだが、要所ではアニマトロニクス(動くロボットによる実写)も駆使され、1作目から続くスピリットに感動する。そしてこれまで何度か登場の噂があった“最強”といわれる恐竜、ギガノトサウルスが満を持しての大暴れ! その重量級バトルに圧倒されつつ、恐竜キャラクターにも思わぬ感動が用意されており、夏休みにふさわしいエンタメを満喫できる。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』7月29日公開
製作総指揮/スティーヴン・スピルバーグ、アレクサンドラ・ダービシャー 製作総指揮・監督・脚本/コリン・トレボロウ 出演/クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、サム・ニール 配給/東宝東和
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