巧みな二面性で魅せる“エルメスH08”。
軽くて強い以外にもつけて楽しい理由がある。
重責を担うビジネスマンが選ぶ時計は、確かな中身はもちろん、品のよさとステイタス性が大事。ただ、ビジネスウエアのカジュアル化が進んだ今では、時計の選択肢も拡大。そうなると、もっと“自分が楽しくなる”要素を盛りこんでもいい。たとえば〈エルメス〉の新作。この時計は、毎日が楽しくなる仕掛けにあふれている。
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HERMÈS H08
“エルメスH08”。ケースサイズ39×39㎜、自動巻き、グラフェン複合素材ケース、ラバーストラップ、10気圧防水。113万3000円、カードケース6万7100円、グローブ17万2700円、ニットマフラー11万9900円、ブレスレット4万9500円(以上エルメス/エルメスジャポン)
海好きならダイバーズ、旅好きならワールドタイマー。自分の趣味やライフスタイルをそのまま映し出すような時計は、好きな世界の入り口。見るたびに楽しくなるのは間違いない。ところがこの“エルメスH08”は、それらとは別のアプローチでつける人を楽しませてくれる。
というのも実はこの時計、メンズ部門アーティスティック・ディレクターのヴェロニク・ニシャニアンが30年以上にわたり率いる〈エルメス〉メンズの世界を体現した1本。つまり、高い美意識とプレイフルなメゾンの世界観がぎゅっと凝縮されているというわけだ。
そしてこの新作から窺えるのが、相反する2つのものが織りなす調和とコントラスト。たとえばクッション型ケースは四角と丸を巧みに組み合わせ、緊張感と軽快さを併せ持つもの。フルブラックモデルの場合、まるで鉱物のような重さを感じさせるが、実はケースがグラフェン複合素材(他のモデルはチタン)で超軽量だったりする。手にするたびに嬉しい驚きが訪れるのは、やはり〈エルメス〉らしい。
もちろんそんな遊び心は文字盤にも表れる。針の中央を支点に動く秒針を見ると、時計であって方位磁石のよう。また、お馴染みの数字インデックスも、8がメゾンを象徴するモチーフ“シェーヌ・ダンクル”ということに気づいただろうか。さらに4時位置の日付表示を見て「あっ」と思った人。もはやこの時計の楽しさに引きこまれているに違いない。
©Joël Von Allmen
“エルメスH08”は仕様の違いで3タイプ。すべて、スイス製エルメス・マニュファクチュール機械式自動巻きムーブメントH1837を搭載。中身にも信頼が置ける。ケースサイズ39×39㎜、自動巻き、10気圧防水。右:マットブラックのDLC加工を施したチタンケース、ラバーストラップ。72万4900円 中:チタンケース&ブレス。76万8900円 左:マットブラックのDLC加工を施したチタンケース、ラバーストラップ。72万4900円(以上エルメス/エルメスジャポン)
●エルメスジャポン
TEL:03-3569-3300
URL:www.hermes.com
『Urban Safari』Vol.25 P22掲載
photo : Tomoo Syoju(BOIL) styling : Kan Nakagawara(CaNN) composition : Keiko Oshima