スイス・ビエンヌで高級時計製造会社を営む一家に生まれ育ったベン・カッファーによって〈ノルケイン〉は創業され、弟のトビアス・カッファーは老舗〈ルイ・エラール〉で時計業界のキャリアをスタートし、いくつかのブランドでセールス部門での実績を積んだ後、2021年5月に〈ノルケイン〉に参画した
スポーティな機械式時計を纏い、魅力的な笑顔でポーズを取るこの男性は、もしかして知る人ぞ知るハリウッド俳優!? ではなくて、実はこの男性、スイス時計業界の新星として存在感を増している〈ノルケイン〉のキーパーソンの一人。若きCEOである兄のべン・カッファーとともにバイスプレジデントとして急成長中の〈ノルケイン〉の一翼を担っているトビアス・カッファーだ。そんな彼が今回、“ウォッチズ&ワンダー ジュネーブ2024”で話題になった新作を直々に紹介してくれることに。なんでも機械式時計においては前代未聞のカスタマイズを実現した話題作なのだというから、これは耳を傾けないわけにはいかない。その他にも話題作が盛りだくさんなので是非、ご一聴を!
350万通りのカスタマイズができる機械式スポーツウォッチ!
機械式時計における革新的なカスタマイズを可能にした新作“ワイルドワン オブ ワン”。ムーブメントやパーツの配色が選べるだけでなく、究極のパーソナル仕様としてサファイア・ケースバックに家族の写真のアウトライン画像やテキストをプリントすることも可能になっている
〈ノルケイン〉は、機械式のアウトドアスポーツウォッチという新しいジャンルをスイス時計業界で切り開いた新進気鋭の時計ブランド。その新作の中でも時計関係者の間ですでに話題になっているのが、“ワイルドワン オブ ワン”だ。これの何がすごいのかというと、最上位モデル“ワイルド ワン”で、350万通りという驚きのカスタマイズを可能にしてしまったのだ。カスタマイズには11のステップがあり、まず最初にケース上部を形成するレッドゴールド、またはホワイトゴールドのトッププレートを選択。そしてその次は、クロノメーター認定の自動巻きムーブメントの選択に進み、〈ノルケイン〉独自のケニッシ・マニュファクチュール自動巻きムーブメントか、スケルトン仕様の自動巻きムーブメント(シルバー仕上げとブラック仕上げの2種類)から選択可能だ。その後は、ムーブメントを保護するためのラバー製ショックアブソーバーの選択(全12色)、スケルトン6 種類を含む12 種類から選べる文字盤、7 種類から選べる針、裏蓋、ラバーストラップの配色といった様々なパーツを自分好みのものに選択でき、自分だけのパーソナライズ・ウォッチを手に入れられるというわけだ。
「“ワイルドワン オブ ワン”では、350万通りもの設定が可能なので、同じ素材、仕上げ、カラーの組み合わせになる可能性はほぼないとっても過言ではありません。しかも、このカスタマイズウォッチは、ウェブサイト、もしくは高級機械式時計販売店で“3D コンフィギュレーターツール”によるシミュレーションをしながらオーダーする仕組みになっていますが、注文からわずか3カ月での納品を可能にしています。価格に関しても290万700円からという設定で、新しい業界標準を打ち立てたパーソナライズシステムと言えるでしょう」
わずか3カ月でオンリーワンの機械式スポーツウォッチが手に入る!
オーダーした“ワイルドワン オブ ワン”は、本国スイスのファクトリーで時計職人の手によって完成させる。オーダーするための“3Dコンフィギュレーター・ツール”は、正規販売店、または公式ウェブサイトで扱えるようになっている
もちろん、注文した時計は全てスイスで製造されるもの。“言うは易く行なうは難し”なんてよくいうが、スーツのオーダーメイドでも本国生産となると数カ月待つのは当たり前のこと。スイスメイドの機械式時計でこの早さでの納期は簡単なことではないのでは!?
「実際、簡単なことではなく、“ワイルドワン オブ ワン”のカスタマイズの仕組みを完成させるのに、約2年間かかりました。この納期は、パートナーとなるファクトリーの協力を得て、強固なパートナーシップを構築できたからこそ実現できたもので、それができなければ3カ月の納期なんて宣言することさえ許されなかったと思います(笑)。ちなみに、時計の左サイドに配されるノルケインプレートには名前など自分が好きな文字を刻印することもでき、サファイア・ケースバックに家族の写真ロゴ、テキストをプリントするともできます。実際にカスタムしてみると、同じ時計に見えないくらい仕上がりが変わっていきますので、すごく楽しいですよ」
グランドスラム王者、スタン・ワウリンカがコートで纏う超軽量スケルトンウォッチ!
200m防水に加え、超軽量78gという驚異的な軽さを実現した “ワイルドワン スケルトン”。クロノメーター認定を受けたノルケインキャリバーN08Sは、41時間パワーリザーブを実現。グリーンがゲッコー、オレンジがコーラル。ケース径42㎜、自動巻き、ノルテック(カーボン複合素材)ケース、ラバーストラップ、200m防水。各90万2000円(ノルケイン/ノルケイン ジャパン)
“ワイルドワン オブ ワン”以外にも要注目の新作が目白押しだ。その一つが、3度のグランドスラム・チャンピオンに輝いたスタン・ワウリンカ選手とタッグを組んだ“ワイルドワン スケルトン”だ。
「ワウリンカ選手をアンバサダーとして迎えたことを記念して、コーラルとゲッコーという新しい配色をラインアップしました。実はワウリンカ選手はこの超軽量な機械式スポーツウォッチのターコイズカラーを2023年のUSオープン以来着用し、コート上で耐衝撃5000Gの性能を証明してくれていました。5月の全仏オープンでは、ローラン・ギャロスの赤いクレーコートにインスパイアされたコーラルを着用していましたが、7月のウィンブルドンでは、神聖な芝生のコートからインスピレーションを得たグリーンバージョンのゲッコーを着用する予定です」
着用しながらテニスもプレイできてしまう機械式時計というのも魅力的だが、コートの色に合わせて時計の色を変えるというのもお洒落で楽しそう。これは参考にする価値ありかも!?
旅心を誘うダイヤル色が目を引くヴィンテージ顔ウォッチ!
リゾート旅の装いにも映えそうな配色の“フリーダム60クロノ40㎜”。ピーチは世界限定300本で、サファイアクリスタルケースバックに“LIMITED EDITION ONE of 300”と刻印。ステンレススチール製ブレスレットのほか、ラバーストラップ、または海洋プラスチックを再利用したノータイドストラップのいずれかを選ぶことができる。ケース径40㎜、自動巻き、SSケース&ブレス、100m防水。スカイブルーとピスタチオ72万500円、ピーチ75万3500円(以上ノルケイン/ノルケイン ジャパン)※価格はすべてブレスレット仕様
同じく色使いが印象的な新作として紹介してくれたのが、“フリーダム60クロノ40㎜”。60年代のヴィンテージウォッチを彷彿とさせるデザインが特徴的なスポーツウォッチに、イタリアのトスカーナ地方の情景をイメージしたピスタチオとスカイブルー、そしてピーチからなる3色のダイヤルカラーを採用したモデルがお目見えした。
「サンレイ仕上げの文字盤の配色の美しさも特徴ですが、カレンダー表示の部分にもダイヤルと同系色の塗装がされている点も注目していただきたいポイントです。一般的なカレンダー表示は白色や黒色になっていることが多いのですが、こうして配色を統一したことでダイヤル全体が美しく調和して、なおかつ実用性も向上しています」
季節的には、バカンスシーズンに向けて旅支度をしている人も少なくないはず。イタリアの避暑地の美しい景色を思い起こさせてくれるこんな時計を、この夏の旅の相棒にするのもいいかもしれない。“フリーダム60クロノ40㎜”が搭載する自動巻きキャリバーN19は、アクティブな動きにも耐えうる設計なので安心して旅を楽しめるはずだ。
驚きのカスタマイズを可能にした“ワイルドワン オブ ワン”を筆頭に、魅力的な新作が揃い踏みした〈ノルケイン〉。パーソナライズで特別な時計を手にしたり、プレゼントとしてオーダーするもよし、旅やテニスコートに映える時計を手にするもよし。スポーツウォッチの新しい楽しみ方を提案してくれるラインナップとしても、注目する価値は大と言えそうだ。
●ノルケイン ジャパン
TEL:03-6864-3876
URL:https://norqain.com/ja-jp/