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2021.05.02

Gastronomic City TOKYO
東京の底力を見せた今年の『アジアのベストレストラン50』。

先頃、2021年度の『アジアのベストレストラン50』が発表され、東京のレストランが7店舗入賞した。今回は、コロナ禍であっても、独自の対策とクリエイションで極めて高い評価を得た2店を取り上げる。

先頃、2021年度の『アジアのベストレストラン50』の授与式が、〈ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜〉で開催された。今年で9回めとなる同アワードであるが、日本は50位以内に9店舗、うち東京のレストラン7店舗が入賞を果たした。コロナ禍の状況下で、順位やリストが大きく入れ替わる中、日本のレストランは総じて順位を上げ、その底力を示した。なかでも今回ご紹介する2店舗は異彩を放っていた。

洗練された中華料理で、アジアのフーディたちを魅了する東京・広尾の〈茶禅華〉は12位につけ、昨年の29位から順位を大きく上げた。シェフの川田智也氏は、中華料理人でありながら、日本料理〈龍吟〉の山本征治氏のもとで研鑽を積むなど、飽くなき追求心で、本場中国でも味わえない、新たな境地でアジア中のフーディたちを驚かし続けている。中華料理の古いレシピを紐解きながら、時にジャンルを超えた大胆な手法を取り入れ、繊細の極致を追求するその味わいに、誰もが驚かれることだろう。

同アワードに8年連続でランクインする東京・西麻布の〈レフェルヴェソンス〉は、昨年の48位からジャンプアップして“ハイエスト・クライマー賞”という特別賞も受賞した。シェフの生江史伸氏は、過去に“サスティナブル賞”を受賞するなど食材や食文化の持続可能性だけでなく、次世代に繋ぐためのレストラン運営を模索するなど、独自の取り組みが高く評価されている。蕪を使った料理は、彼が一貫して作り続けているスペシャリテであるが、あえて高級食材ではない蕪に着目して、美味しさの潜在意識を追求する視点は、美食レストランの未来のあり方にも一石を投じている。

偶然にも、この2店舗は昨年末に発表された『ミシュランガイド東京2021』において初となる三つ星を獲得している。これも『アジアのベストレストラン50』の評価の影響と穿った見方もあるが、頼もしいニュースであることには違いない。

Sazenka
[茶禅華]
本国を超えた大胆かつ耽美な中華料理。


中華料理の神髄を、日本の食材や日本料理の調理技術を駆使して作りだす料理の数々で、世界のフーディたちを驚愕させる川田智也シェフ。鮮度や温度感の際を攻め、繊細で耽美なフレーバーで、美味しさの先にある官能までも追求する。それでいて食後感は爽快なのである。

“雲白肉片”は豚の三枚肉とキュウリを使った四川料理の前菜の定番料理だが、川田氏はナスを合わせ旨味の相乗効果を狙う

“雉雲呑湯”。雲呑が添えられている雉のスープは、川田氏が求める淡味の極致だ

“清淡干鮑”は水で戻した干し鮑を、鳥・豚・金華ハムなどと一緒に、24時間かけて丁寧に煮込まれる。この店のスペシャリテの1つである

選び抜かれたお茶やアルコールのペアリングも秀逸だ

川田智也氏は1982年栃木県生まれ。2017年2月に〈茶禅華〉の料理長に就任した

L’Effervescence
[レフェルヴェソンス]
アジアを代表するシェフへ、その存在感を示した。


皿の中の美味しさの追求だけでなく、レストランのあり方や料理人の役割にも、新たな提案や可能性を探求し続ける稀有な店である。『ミシュランガイド東京2021』においては、初の三つ星だけでなく、革新的な施設として評価される新たな基準、グリーンスターにも選ばれている。

蕪の料理は、オープン当初からのスペシャリテ。季節や個体に応じて微細に調理法を変え、定点観測的にも味わえる

“京都産・鴨胸肉を東京檜原村のミズナラで焼いて ソース・ヴァンルージュ”

“のどぐろ ずわい蟹 菊の花 里芋 柚子 山山椒”

生江史伸シェフは1973年生まれ。〈ミッシェル・ブラス トーヤジャポン〉や英国〈ザ・ファットダック〉などで修業を積んだ後、2010年に〈レフェルヴェソンス〉の料理長に就任した

 
Information

●茶禅華
住所:東京都港区南麻布4-7-5
営業時間:16:00~19:30LO
不定休
TEL:050-3188-8819(予約専用)
URL:https://sazenka.com/

●レフェルヴェソンス
住所:東京都港区西麻布2-26-4
営業時間:ランチ11:30~15:30(13:00LO)、ディナー17:30~22:30(20:00LO)
定休日:月曜
TEL:03-5766-9500
URL:http://www.leffervescence.jp/

『Urban Safari』Vol.21 P35掲載

取材・文=中村孝則 text :Takanori Nakamura
美食評論家。1964年神奈川県葉山生まれ。ファッションからカルチャー、美食などをテーマに新聞や雑誌、テレビで活動中。主な著書に『名店レシピの巡礼修業』(世界文化社)がある。2013年より“世界ベストレストラン50”の日本評議委員長も務める。今春より、JR九州が運行する「ななつ星in九州」の公式ムービーに主演している。
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