インダストリアルな空間に好きなものをちりばめた家
思い描いていた人生の計画どおり、手に入れた新築一戸建て。これからの新たな計画や、旅先で購入したお気に入りのアイテムたち。それらを詰めこんで生かすため、内装は極力シンプルなデザインを希望。リビング、ダイニング、そしてロフトが緩やかに繋がった広々とした空間に、お互いの好きなものを入れ込んだミックス感が楽しい家だ。
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- 西海岸的なハッピー・ルーム! vol.25
今月の部屋 山本邸/LDK+ロフト/135㎡リビングの床はグレーのPタイルと無垢材。壁も床と同じPタイルを採用。無機質な空間に〈ハウストラッド〉のボタニカル柄のソファと植物で息吹きを与えている
「家を2020年に建てることは自分の人生のマイルストーンでした」と話す山本さん夫妻。昨年末に実現し、河川に面した日当たりと眺めのいい一戸建てに引っ越してきたばかりだ。アウトドアが共通の趣味の2人が理想としていた、自然を感じられる環境だ。また、ゆったりとした空間を求め、2階に広々としたリビングダイニングと寝室のロフト。1階にも広めのガレージと、ウォークインクローゼット、バスルームという構成に。
旅やアウトドアのアイテムを家の中でも感じ取れるように、内装はシンプルで武骨な素材を採用。家が無機質だから、花は欠かせない。リビングで楽しんだ後はドライフラワーにしてガレージに。オーストラリア、アラスカ、アメリカなど、国内外の旅で動物と触れ合うことが多かった。だからこそ、ネイチャーなフィーリングを感じるソファなどを配置。
「私たちは好きなものが多いので、お互い持ち物も多かったんです。広い空間があることで、やっと並べて愛でられるようになった感じがします(笑)。今はまた新たに叶えたいことがあって。まずは近々、犬を迎える予定です。テラスでBBQをしたり、アフターコロナの賑やかな時間が、今から楽しみです!」
01 天井のほどよい圧迫感が心地いいロフトは寝室兼図書室夜は天井にプラネタリウムを投影し、星空の下で眠る気分を味わう。床材は掃除が簡単なラーチ合板。無垢を使っているリビングと差をつけて気分にも変化を
02 武骨なキッチンとテーブルにはアンティークの温もりをアイランドキッチンと一体のダイニングテーブルはモールテックスの造作。椅子はあえて統一せず、アンティークショップで購入したものをミックスした
03 白いタイルの水まわりで小さい窓でも明るく真っ白なタイルのウォッシュルームの隣にウォークインクローゼットを設定。入浴、洗濯、着替えの動線をコンパクトにまとめた
04 経年進化が待ち遠しい広いビルトインガレージゆったりとしたビルトインガレージは家を建てる際、譲れなかったことのひとつ。いずれは店舗スペースにすることも検討中。板張りなので、時間とともに色の変化も楽しみ
モロッコの市場で購入した真鍮のドアノック細かな細工が施された手の形のドアノック。モロッコ旅行中にスーク(市場)で見つけたもの。神秘的な雰囲気にも惹かれ、玄関に取り付けるつもりで即購入した。当時は、イスラム社会で護符とされている“ファーティマの手”だと思っていたらしい。しかし帰国後、そのモチーフではないと判明。また、玄関ドアをガラス扉にしたため、取り付けることもできなくなってしまっていた。行き場をなくしかけていたが、今は無事トイレのドアノックとして納まっている。
●ハウストラッド
TEL:03-6412-7406
URL:www.housetrad.com
雑誌『Safari』5月号 P222~223掲載
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photo : Takafumi Matsumura text : Eri Nishimura