連続して“星”を獲得する、古典的かつ新しい四川ガストロノミー!
広尾の落ち着いた街並みに佇む〈飄香〉広尾店は、四川料理の奥深さが体験できる特別な一軒。2005年に誕生した〈飄香〉は、2022年に広尾へと移転。そこから連続してミシュランガイドで一つ星に輝いている。美味しいもの好きなら、かなり気になっているお店だ。
- SERIES:
- アレが食べたいからこの店へ! Vol.101〈飄香〉広尾店
- TAGS:
- アレが食べたいからこの店へ! Gourmet Lifestyle
店内は大人らしく落ち着いた気分で話ができる空間
店内は落ち着いた雰囲気ながら、大きく開かれたオープンキッチンで、臨場感もたっぷり。デートにはもちろん、友人や家族と訪れても、楽しいひとときを過ごすことができる。
オーナーシェフ井桁良樹氏
オーナーシェフの井桁良樹氏は、中国四川省・成都の伝統四川料理を継ぐ“中国川菜松雲門派技藝傳承人”に認定され、その実力は折り紙付き。化学調味料に頼らず、本場の香辛料や自家製発酵調味料を駆使し、古き四川の味わいを現代的に昇華させている。
井桁氏の料理を存分に堪能できるのが、ディナーのフルコース(2万4200円)。季節ごとに新しくなる13品の充実した構成で、ディナー開始時間に一斉スタートする。
“馬到”
“馬到”は、馬肉焼餅をテーマにした力強い一皿。赤身の旨味を湛えた青森県産馬肉のタルタル、なめらかなフォアグラ、フレッシュなうるいを合わせ、チャービルの花を添えた。餡餅とナスタチウムでサンドイッチのように挟んで食べる趣向が楽しい。
“李白”
シグネチャーともいえるのが、四川省出身の詩仙、李白にちなんだ“李白”。渡り蟹を紹興酒に漬け、そのあと、貴州省の茅台酒と高麗人参に漬け込んでいる。蟹の甘味に、紹興酒の熟成感、茅台酒の華やかな香り、高麗人参の奥深いニュアンスが重なり、妖艶な味わい。添えられた陳皮のタレと茅台酒のソルベが、香りにさらなる立体感を与えている。フィンガーボウルが添えられているので、手にとって蟹の旨味を味わい尽くしたい。
“経典”
メインディッシュの“経典”は、アイルランド産のラム肉を骨付きの塊のまま焼き、骨のまわりの旨い部分まで味わえるようにした。肉はロゼ色にしっとりと火入れされ、噛むほどに羊らしい佳味が広がる。ウドとウドの皮、自家製豆板醤とクミンが使われたソースはとても香ばしく、四川料理らしい香気の輪郭を描き出す。
“古鎮”
古い街並みを意味する“古鎮”は、締めのお食事。移転後しばらく提供されていなかった麻婆豆腐が、2025年12月から3年ぶりに復活した。手切りした岩手県の日本短角牛のスネとモモの挽肉に、出汁は贅沢にも短角牛のみを使用。短角牛の濃い旨味が絡み、辛味と香りがじわじわっと広がっていく。別添えの激辛ラー油を加えれば、味わいはさらに鮮烈に変化する。
“想念”
“想念”は、アーティスティックなデザート。桜葉のチップは華やかな香りで、よもぎのアイスクリームの青やかな味わいとよいコントラスト。餡、ナツメ、陳皮のソースを混ぜて食べると、心地よいほろ苦さが加わり、味わいに奥行きが生まれる。
左から、“ルイナール ブラン・ド・ブラン”、“貴州茅台酒”、“ルスタウ アルマセニスタ オロロソ パタ・デ・ガリーナ”
これだけの濃密なコースには、ぜひペアリングを合わせたい。支配人の熊谷泰代氏がセレクトする“アルコールペアリング6種”(1万5000円)と“プレステージアルコールペアリング”(2万円)は、ワインや中国酒で構成されている。
最初の一杯はシャンパーニュの“ルイナール ブラン・ド・ブラン”。フレッシュな果実香で、口当たりは非常にしなやか。シャルドネらしい洗練された酸味と豊かなミネラル感があり、食欲をかき立ててくれる。
“貴州茅台酒(キシュウマオタイシュ)”はアルコール度数53%の白酒(バイジュウ)。強烈なインパクトがありながらも、次第に甘みと旨味が広がっていく。力強い料理にも負けないので、酔っ払い渡り蟹との相性も抜群。
“お食事”にペアリングされたのがシェリー酒の“ルスタウ アルマセニスタ オロロソ パタ・デ・ガリーナ”。複雑で豊かな酸化熟成香が広がり、風味のいい麻婆豆腐に寄り添う。
もちろん、“ティーペアリング”(8000円)もあるから、お酒を飲まない人はこちらをどうぞ。古典を大切にしながらも、新しいアプローチで、四川料理の新しい魅力を体験させてくれる〈飄香 広尾店〉。是非とも味わっておきたい、四川ガストロノミーだ。

⚫︎〈飄香 広尾店〉
住所:東京都渋谷区広尾5-19-1 HIROO VILLAGE 1F-2
営業時間:火~土曜 18:30~22:30
TEL:03-6277-2141
定休日:月・日曜日
URL:https://www.piao-xiang.com/
※サービス料別
グルメジャーナリスト 東龍さんの連載・記事はこちら!
アレが食べたいからこの店へ!
グルメジャーナリスト東龍のホテルグルメで“口福”体験!
●『Safari』公式 Instagram(@safarimagazine_official)もチェック!
1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。










































































