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CULTURE カルチャー

2021.10.02


【ネットフリックス】感動と笑い、そして骨太なテーマも抱える韓国ドラマ『D.P. -脱走兵追跡官-』

 

 


『キングダム』『Sweet Home -俺と世界の絶望-』などを自社制作コンテンツとして放ち、韓国ドラマの枠においても勢いを見せるネットフリックスからさらなる必見作が登場。それが、8月27日から配信がはじまっている『D.P. -脱走兵追跡官-』だ。邦題にある“脱走兵追跡官”がダイレクトに示すように、ドラマの主人公は脱走“兵”を追跡する人。兵役義務のある韓国で、D.P.=Deserter Pursuit(軍隊離脱者追跡)の任務に就いた捜査官の苦闘が展開する。 

 
 

 

主人公アン・ジュノ二等兵(チョン・ヘイン)は、新人D.P.として様々な出来事に直面する

捜査官と言っても兵士を追跡・逮捕するのもまた兵士で、主人公のアン・ジュノ(チョン・ヘイン)は兵役義務によって入隊した一兵士。鋭い洞察力と冷静で真面目な態度を見込まれたジュノがD.P.に抜擢され、様々な事情を抱えた脱走兵たちを追いながら軍隊の実情を目の当たりにしていく。

古今東西問わず、刑事ドラマには捜査官側のある種の“共感力”も必要で、英国ミステリーの名探偵にせよ、FBIの精鋭エージェントにせよ、事件解決に至る名推理や華麗な逮捕劇が成り立つのは捜査対象者の事情を的確に推し量る姿勢があってこそ。

そう考えると、新人D.P.とは言えジュノが兵士なのは大きなアドバンテージで、彼が脱走兵の立場になって物事を見つめながら任務を遂行していく様には頼もしさがある。と同時に、軍隊の現実に向き合わざるを得ない苦悩も。 

 
 

 


脱走兵の中には軍隊生活におけるいじめや虐待の問題にさらされた者も多く、ジュノ自身もドラマがはじまって早々に先輩兵から理不尽な仕打ちを受ける。いじめを苦に脱走する者、家庭の事情を抱えて家に戻りたがる者、ただ単に兵役の義務と向き合いたくない者などケースは様々だが、脱走兵たちの物語を通して傷つき、成長する主人公の果たす役割は大きい。 

 
 

 

写真中/ハン・ホヨル上等兵(ク・ギョファン)。飄々としたキャラクターだが頼れる存在

また、エモーショナルな展開をさらに味わい深くしているのが、ジュノの相棒となる先輩D.P.の存在。2人1組のペア捜査がD.P.の基本だそうで、飄々としていて食えないが心根の優しさを感じさせるハン・ホヨル上等兵(ク・ギョファン)がジュノのバディに。

実直に任務をこなそうとするジュノに対し、有益なことも不埒なことも教えていくホヨルの軽快な師匠ぶりが笑いを誘う。さらに、捜査を仕切る上官やライバルD.P.ペアとの攻防、駆け引き、協力などが興味深く、バディの絆を試される局面も多い。少々いびつにも根本では作品の良心であり続けようとするジュノ&ホヨルを、『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』でブレイクしたチョン・ヘインと演技派のク・ギョファンが相性よく好演している。 

 
 

 


原作は2015年に連載がはじまったウェブ漫画で、D.P.経験を持つ作者キム・ボトン自ら脚本に参加。エンタテインメント性を帯びながら現実を巧みに投影した物語はやがて、韓国の軍隊における実際の事件と地続きになっていく。

ドラマの舞台になっている2014年について、ドラマを見てから知るもよし、頭に置いておきながらドラマを見るもよし。その後現在に至るまで兵士の虐待や脱走問題は減少傾向にあるというが、まだまだ考えるべきことはあると、衝撃のクライマックスが警鐘を鳴らす。笑いや感動をもたらし、青ざめもさせる。世界配信ドラマらしい気概のバランスもお見事。

『D.P. -脱走兵追跡官-』
監督・脚本/ハン・ジュニ 出演/チョン・ヘイン、ク・ギョファン、キム・ソンギュン 配信/ネットフリックス
2021年/韓国/全6話 

 
 

 


 

 

 
文/渡邉ひかる text:Hikaru Watanabe
(c) NETFLIX, INC. AND IT'S AFFILIATES, 2021. ALL RIGHTS RESERVED.
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