ケビン・コスナー「最悪の事態が待っていようとも、応援したい」
8月6日より公開される映画『すべてが変わった日』。1960年代を舞台にしたサイコスリラー作品で、ケビン・コスナーは義理の娘と孫を助けるために常識が通用しない一家と対峙する元保安官ジョージ・ブラックリッジを演じている。
「ジョージと妻マーガレットには、ほぼ毎日会っていた孫がいた。けれども、ある日突然、連れていかれてしまうんだ。しかも孫に危険が及んでいると知り、妻のマーガレットは我慢できなくなる。それで、孫が大丈夫なのかを確かめようとする。可能なら孫を連れ戻そうとするんだよ」と、今回の役柄を語るケビン・コスナー。
物語は、元保安官のジョージ・ブラックリッジと妻のマーガレット(ダイアン・レイン)が、落馬の事故で息子ジェームズを失うところからはじまる。3年後、義理の娘ローナが再婚し、可愛がっていた孫ジミーとも離れ離れに。ところが再婚相手のドニー・ウィボーイは暴力的な人物だったことが発覚する。さらにノースダコタ州にある実家へと彼らは引っ越してしまう。
「この映画は、マーガレットが子供を安全な場所に連れ戻すという使命を果たそうとする話だね。これから2人が行く先で悪いことが起こることをジョージは予感している。それでもマーガレットについていくんだ」
近年、脇役として存在感を発揮しているケビン・コスナー。それを強く印象づけたのが、2013年『マン・オブ・スティール』だ。クラーク・ケントの養父に扮し、ダイアン・レインとは今回同様に夫婦役を演じた。そんなダイアンについてケビンは、「演技をしようと頑張っている役者は大勢いるし、演技がとても上手い役者も大勢いるけど、ダイアンは本当にトップクラスだね。スクリーン上に出てきた瞬間にピタッとはまるんだ」と絶賛する。
義理の娘と孫が引っ越したという実家は、地元で悪名高いウィボーイ一家。母親ブランチが暴力と支配欲ですべてを仕切る家族で、彼女たちは自由を奪われていた。モンタナからノースダコタまで長旅をした末に、異様な状況を知ったジョージとマーガレットは愕然。2人を救い出そうと決意する。
そんな本作について、「お金を払うだけの価値があったと感じてほしい」とケビンは期待している。「ちゃんと座って映画を観るには時間を要するし、映画館に足を運ばなくちゃならない。だから映画を観た後に、ずっと忘れられない何かを感じてくれたらいいと思うね。観なくてもいいやと感じられてしまうのは嫌だな。今、(こんな状況だから)映画に行列ができるってこともないと思うけど、だからこそみんなに観てほしいと思うよ」
さらに「本作のいいところは、ある意味、愛についての映画だから、この先も残っていくだろうということ。誰かが間違った方向に進んでいるのをわかっていても愛し続ける力、その先に最悪の事態が待っていようとも、応援したいと思う気持ち……、そういったものがとても美しく上手く収められている。だからそういったことを感じてほしいね」と抱負を語った。
とはいえ、長い間、ハリウッドの第一線で活躍している大ベテラン。観客の感想や批評について、それほど気にしているようではなく、「誰でも映画を観れば感じることは人それぞれで、そこがまたいいんだと思うよ」とつけ加えた。
『すべてが変わった日』は、8月6日より全国ロードショー。