驚愕のラストに悶絶!
先が読めないサプライズ映画5選!
映画を観ていると、「はいはい、こうなるのね」な〜んて、結末が思い浮かぶ映画があるはず。けれども、突如として物語が予想外な方向へと展開していき、 「え? え?」と驚いているうちに、エンディングをむかえるサプライズ映画も存在する。ここではそんな驚愕のラスト映画5選をセレクト。是非、連休中に鑑賞してみて! ちなみにネタバレ解説付きなので、ご注意を!
『ゴーン・ガール』
製作年/2014年 原作・脚本/キリアン・フリン 監督/デヴィッド・フィンチャー 出演/ベン・アフレック、ロザムンド・パイク
完璧な妻の隠された素顔にびっくり!
誰もがうらやむような美男美女の夫婦だが、妻が突然の失踪。室内には何者かと争った形跡があり、大量の血が拭き取られたことも発覚。殺人事件として捜査が始まり、世間の疑惑の目は夫に向いていく。ギリアン・フリンの小説(実話もヒントにされている)を、『セブン』などの鬼才、デヴィッド・フィンチャー監督が映画化。基本は妻失踪の謎を探るサスペンスなのだが、結婚生活を巡る人間ドラマ、さらにブラックコメディのテイストも濃厚で、心を激しくざわめかせる作品だ。
最大のポイントは、妻のエイミーで、幼い頃に小説の主人公のモデルとなり、それ以来、完璧な女性を演じ続けていた。そのエイミーの素顔が明らかになっていく展開が、背筋もゾクゾクするほどスリリング。演じるロザムンド・パイクの相手を翻弄し、自分のためならどんな極悪非道な行為も辞さない美魔女ぶりは、映画史にも残るほど。アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされた。観終わった後、誰もが感じるのは人間の怖さ……かも。
【ここから驚愕のラスト】
夫を殺人容疑者に仕立て、嘘を塗り固めて戻ってきたエイミーを、結局、ニックは受け入れる。エイミーが自分との子供を身ごもったとはいえ、食虫植物に自ら捕まる昆虫のように、悪女との生活に身を委ねるニック。これも男の本能か!?
『セッション』
製作年/2014年 監督・脚本/デイミアン・チャゼル 出演/マイルズ・テラー、J・K・シモンズ
音楽祭のステージでまさかの展開!
アクション映画やサスペンスでもないのに、観ている間、ひたすらテンションが上がり、ドキドキする。『セッション』は、その好例だろう。一流のジャズドラマーをめざし、名門の音楽学校へ入学したアンドリューが、生徒から恐れられる教師のフレッチャーに目をつけられ、厳しい指導を受けて精神的にも追い詰められていく。鬼教師と有望な生徒の関係が、まるでスポ根ドラマのような熱さで展開。
テンポのわずかなズレも許さず、理不尽なことも平気で言い放つ。フレッチャーの狂気レベルの指導には誰もが震え上がるはずで、演じたJ・K・シモンズはアカデミー賞助演男優賞を受賞。監督は『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼルなので、音楽による盛り上がりも絶妙だ。意外なシーンで過激なアクションも用意されており、これほど最後まで緊張の糸がとぎれない作品も珍しい。過酷な運命に立ち向かい、成長する青春映画としても大傑作!
【ここから驚愕のラスト】
音楽祭のステージで、指揮者のフレッチャーに予定外の曲を無茶ぶりされ、アンドリューは観客の前で失態。しかし再び舞台へと引き返し、魂のこもった名演奏を披露。フレッチャーも平伏させる。
『フライトプラン』
製作年/2005年 監督/ロベルト・シュヴェンケ 出演/ジョディ・フォスター、ピーター・サースガード
機内で娘が行方不明、けど誰も見ていない!?
明らかにそこで起こっていることを主張しているのに、周囲からは全否定される。もしかして勘違いだったのかと、自分で自分がわからなくなっていく……。『フライトプラン』はこのパターンで、先が読めない一作だ。
主人公は航空機の設計士であるカイル。事故で亡くした夫の棺、そして6歳の娘とともに、ベルリンからNYへの飛行機に乗った。しかし離陸して3時間。隣に座っていたはずの娘が姿を消す。パニックになるカイルに対し、乗客・乗員とも「娘なんて見ていない」と話し、搭乗記録にも娘の名前が存在していないと報告される。
すべてカイルの思い違い? それとも何か壮大な罠が仕掛けられている? カイル役、ジョディ・フォスターの鬼気迫る演技もあって、上空を行く機内という密室空間でのサスペンスが劇的に進行していく。職業柄、カイルが飛行機の内部に詳しいというのも大きなポイント。かなり強引な設定ではあるので、よく考えるとツッコミどころも見つかったりする。しかしそれも含め、強烈なインパクトのシチュエーションと幕切れに呆気にとられるのは間違いない!
【ここから驚愕のラスト】
カイルが眠っている間に娘は機内の機械室に連れ込まれていた。その犯人は、カイルの夫を殺したうえ、棺に爆弾の起爆装置を仕掛け、カイルをハイジャック犯に仕立てようと、周囲に策略をめぐらせていたのだ。乗客が空港に避難した後、主犯は機内で爆死させられる。
『ドニー・ダーコ』
製作年/2001年 監督・脚本/リチャード・ケリー 出演/ジェイク・ギレンホール、ドリュー・バリモア
不可解エピソードの連続で先が読めない!
観ている間、「いったい、どういうことなのか?」と脳細胞が刺激されまくるのが、この『ドニー・ダーコ』。精神カウンセリングを受ける高校生のドニーの前に、10月2日の夜、銀色のウサギが現れ、世界の終わりを予告する。翌朝、ドニーはゴルフ場で目を覚ますが、自宅に戻ると彼の部屋は、なんと墜落した飛行機のエンジンの一部で破壊されていた……。ドニーを演じたのは、ジェイク・ギレンホール。
銀色のウサギの被り物をした男の正体や、放火などドニーが起こす数々の事件、そして周囲の人の死など、とにかく衝撃で不可解なエピソードが連続し、なかなか真相が見えないが、この感覚はクリストファー・ノーラン監督の新作『TENET テネット』に近い!? 飛行機のエンジンは未来から来たもの。その飛行機にはドニーの母と妹が乗っていた。ドニーは時間をコントロールして、その危機を回避させようとするのだが……。この作品の解釈は人それぞれ。ゲームのように楽しむのも、ひとつの手だ。
【ここから驚愕のラスト】
自分が10月2日を生き延びると、まわりの人が死んでしまうと知ったドニーは、時を戻し、自分が死ぬことを受け入れてベッドに横たわる。しかも笑い転げながら……。
『シャッター アイランド』
製作・監督/マーティン・スコセッシ 出演/レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングズレー
繰り返し鑑賞して伏線を回収してみて!
孤島のアッシュクリフ精神病院から、収容患者の女性が姿を消すという事件が発生。連邦捜査官のテディが相棒のチャックと捜査を始めると、病院全体が密かに進める実験など危うい事実が明らかになっていく。アカデミー賞作品の『ディパーテッド』のほか、5回のタッグを誇る、監督マーティン・スコセッシ×主演レオナルド・ディカプリオという映画界最強コンビによる一作。
激しい嵐が不安感を高めるなか、病院の院長をはじめ登場人物の言動がいちいち謎めいていたり、テディの隠れた目的が発覚したりと、観る側の意識をどんどん混乱に導く。今作の場合、この混乱にハマっていく快感も魅力かも。結末への伏線があちこちに隠されているので、2回めに観直した時に、多くの“発見”が可能。ディカプリオもいつもながらの熱演だが、そこにも二重三重の意味が込められている!?
【ここから驚愕のラスト】
じつはテディは、妻を殺害し、アッシュクリフ精神病院に収容された患者だった。その現実を受け止めきれない彼は、自分は捜査官という妄想の世界を創造していたのだ。病院側も治療の実験でテディの“捜査官役”を認めていた。